著作物を楽しむ自由のために

元NHK職員から弁護士になった(いわば、「放送界」から「法曹界」に入った)岡邦俊氏の著作。著作権に関する裁判を検討・批判するもので最高裁判例も検討の俎上に乗っている。最高裁というと、最も権威のある裁判所だけれど、こと著作権に関しては必ずしも専門家がさばいているわけではないようだ。それがよく現れているのが「まねきTV」を扱った第10章だろう。山田真紀調査官の「循環論法」や「言葉のトリック」を、田原睦夫裁判長(担保法、倒産法)や岡部喜代子裁判官(家族法)などが見抜けなかったのだろうとしている。

日本デジタルゲーム産業史

コンテンツ産業論を専攻する著者が、アタリから家庭用ゲーム、アーケードゲーム、携帯ゲームなど多様な形をとって発展したデジタルゲームの歴史を振り返る。私はあまりデジタルゲームにはまった人間ではないけれど、それでも懐かしさを感じる記述があった。