アクティヴィジョン決算発表:注目点は

アクティヴィジョン・ブリザードは『コール・オヴ・デューティ』『ウォークラフト』シリーズを制作するビデオゲームの巨人であり、木曜日の市場終了後に第4四半期の財務実績を発表した。以下、主要な箇所をまとめよう。
利益見通し:アクティヴィジョンはアナリスト事前予想で86セントの1株利益が見込まれていた(トムソン・ロイター調査)。これは1年前の1株利益である94セントからの低下となる。ウォール・ストリートと同社がともに同社の主要事業から除外すべきと判断した一部事業を調整した後の数字である。
収益見通し:調整後収益は22億ドル程度と、ほぼ横ばいが見込まれていた(トムソン・ロイター調査)。1年前の22億1千万ドルからの低下となる。合衆国の会計基準でみると、アクティヴィジョンはビデオゲーム企業各社と一部の収益集計方法が異なっており、オンラインゲームについて、新作コンテント投入時の算入。
ホリデーシーズンはハッピー?:『コール・オヴ・デューティ:黒盤3』定番作となっている戦争物の最新作。世界中で発売後3日間で5億5千万ドルを超える売上(同社公表)。当四半期は併せて『ディスティニー』シリーズを新規投入したことによる底上げ効果もあった。一方、調整後収益は前年同期比で減少する見通し。『コール・オヴ・デューティ』『ディスティニー』の効果剥落と『ワールド・オヴ・ウォークラフト』新作からの定額制収益が落ち込んだことが影響。
コストの切迫:営業費用増に加えて、米ドル高が向かい風となり、第4四半期中の支出に変更があったこともあって前四半期とくらべて利益圧迫が見込まれる(アナリストによる分析)。前回の決算発表時にアクティヴィジョンはホリデー期間はユーザ数の増加を見込んで追加投資を計画していることを明かしていた。
デジタル主力化の加速:アクティヴィジョンは『黒盤3』が1年前の前作『アドヴァンスト・ウォーフェア』と比べてデジタル・ダウンロード数が倍増したと発表。デジタル・ダウンロード版においてはパッケージ制作、出荷、ディスク版ゲームにかんする各種費用が不要なため、利益率が向上する。アナリストが決算会見で同社のデジタル・ポートフォリオについて進捗状況を質問する予定。
ファミリーの拡大:アクティヴィジョンは目下、拡大路線を推し進めている。12月に同社は4600万ドルを投じてメジャー・リーグ・ゲーミング社を買収した。同社は対戦型ゲーム制作および配信を強みとしている。今後アクティヴィジョンは「イースポーツ」部門へと進出予定。同社は併せて、映画およびテレヴィジョン・スタジオを構築し、59億ドルを投じて買収したキング・デジタル・エンターテインメントとの合併を完了する見通し。アナリストが同社の拡大路線の計画、2016年の見通しについて取材する予定。続きを読む
(From the DIGITS blog post. Thanks to Sarah E. Needleman.)