Love Speed & Loss

最近、ちょっと気になっている映画、Love Speed & Lossのお話です。

お話は、1970年代、GPを舞台に、この画像の500ccレーサー、
Konig (ケーニッヒ)を作り上げたライダーの物語です。


さて、このオートバイに搭載されているエンジン。


実は、元々・・船外機です。
一体、どんな船に使う船外機なのか・・・・というと。

このとおり・・
世界選手権のHydroplane O-500クラスに使用する、
純粋なレース用船外機
1970年のGPシーンと言えば、まだまだ4サイクル全盛で最高出力も120PSくらいの時代、
その当時に2サイクル500ccで、140PSと言われた出力は確かに魅力的だったに違いありません。


しかも、非常にコンパクトかつ軽量、そして独創的な機構の数々。
σ( ̄◇ ̄;) もこのエンジンの実物を見たのは確か高校生だった頃ですが・・

1)対面する2気筒が共有するクランクケース。
2)4気筒を一枚のディスクバルブで賄うシンプルな吸気系。
3)歯付きベルトを90度変向させて使うバルブ駆動。
4)機械式燃料噴射システム。

あまりに独創的で、「これが、ちゃんと回るのか?」と思ったほどです。
しかし・・後々になって、2サイクルエンジンの道理が判ってくれば、

マジで理想的な2サイクルエンジン。
だという事が見えて来ます。(あくまで・・ある意味、理想的という話ね。)

1)ディスクバルブの採用はリニアな出力特性を生み出します。
2)高い1次圧縮比は、吸入負圧も大きくするので機械式燃料噴射システムの霧化を促進します。
3)背面に設けられたディスクバルブは、各掃気ポート内の混合比を一定に保ちます。
4)水平対向形式での優れたバランスは、バランサーを必要としません。

・・・( ̄  ̄;) うーん・・今でも充分オートバイに積める気がしてきた。

ご本家のKonig bootmotoren Gmbhは、経営者の死去と共に、その営業を停止しましたが、
世に云う、Konig Clone なるエンジン群は、今でもコツコツと造り続けられています。

チェコKONNY MOTORや、
イタリアのG.R.Mなど

ちなみに、KONNY MOTORは、Konig GPのスペアパーツも作ってます。

ε=( ̄。 ̄;A フゥ…