ブレヒト「肝っ玉おっ母とその子どもたち」(岩淵達治/訳;岩波文庫)

肝っ玉おっ母とその子どもたち (岩波文庫)

肝っ玉おっ母とその子どもたち (岩波文庫)

オイゲン・ベルトルト・ブレヒト(Bertolt Brecht,1898―1956)作。
三十年戦争を背景にしながら,庶民の目線で戦争を捉えた反戦劇で、数あるブレヒトの戯曲の中でも『三文オペラ』と並んで最もポピュラーで人気のある作品です。
 
物語は、1624年、スウェーデンで始まり、ドイツ他の戦地を転々とした後、1636年、ハレの町まで続きます。
通称「肝っ玉おっ母」こと、アンナ・フィアリングは、スウェーデン軍従軍の連帯付き女商人。
幌車に商品を詰め込んで、国土の荒廃した戦地で、一儲けをたくらむが、結局は、3人の子供を失うことになる。
それでも、戦争は、続いていく・・・。
ドイツの人口の半分が失われたという壮絶な戦争を舞台に、魅力的な場面と名台詞とが続きます。
難しい文学論や演劇論を抜きにして、楽しみながら読める面白い作品だと思います。