自分をさらけ出してみて感じたこと。〜ソウルストーリーを終えて

12月5日、古巣ジョブウェブを会場にして行われたソウルストーリーに出演し、
これまでの人生、特にひた隠しにしてきたコンプレックスや悩みを、
あえて“人前で”話すという経験をしてきました。


あれから10日が経ちます。
未だにうまく言葉にならないのですが、
色褪せないうちに、ちょっと言葉にしてみたいと思います。



当日は、妻、両親、兄、妻の両親、
そしてこれまで節目節目でお世話になってきたメンター、
学生時代の友人から趣味の仲間、仕事関係の方々、
そして当日初めてお会いする方まで約50名の方に立ち会って頂きました。


それにしてもいっぱい泣きました。


肩を揺するくらいに人前で泣いたことも、
嬉し涙でもない、悔し涙でもない涙を流したことも初めての経験でした。



■ただそばにいてくれる人のありがたさ


「なんもいえない」


それが、終わってからの正直な感想。


肩の力が抜けた感じ。
良いでも悪いでもない感じ。


当日以来しばらくは、そんな脱力感でいっぱいでした。


当日参加して下さった方が書いてくれたメッセージカードや
その後頂くメールを読んで、ようやく当日のことを色々思い返しているのですが、
参加者の方から頂いた感想で多かったのは、


「自分をさらけ出せるってすごい」
「自分をさらけ出す勇気に感動した」


ということ。


僕も、「当日の開催前の気持ち」で書いたように、怖かったです。
途中、何度も投げ出しそうになりました。


でも、なぜできたか?


それは、間違えなく、「支えてくれる人がいたから」と言えます。


心の奥底にある、隠して、知らなかったふりをする存在。
その蓋は、なかなか自分ひとりでは開けられません。


根気よくヒアリングにつき合ってくれた仲間、
「そのままでいいよ」と会場で温かい眼差しを送って下さった参加者のみなさん、
そして、遠くから応援してくれているみなさん、
そんなみなさんの空気感が、僕に「さらけ出す」勇気をくれました。


色々、自分が恥ずかしいと思う部分を吐露していくうち、
はっと、気がついたことがあります。


「ただそばにいてくれる存在、その存在が本当にありがたい。」


つらい時も、見守ってくれている人たちがいたんですよね、実は。
苦しい時も、応援してくれる人がいるんですよね、実は。


僕らは、つらく苦しい過去を思い出す時、その事象を思い出します。
でも、よく振り返ってみると、そこには支えてくれる人がきっといるんです。


そう思えた瞬間、僕の蓋を覆いたかった過去は、一気に明るく見えてきました。



■自分はありのままでいい


当日を迎えるにあたって、
僕へのヒアリングにずっとつきあってくれたサポートメンバーの
荻野さん・中村さんにはとりわけ感謝しているのですが、
でも実は、そんな2人にすら、僕はどこか取り繕っていたところがありました。


「もう、この人たちには何でも話して大丈夫」と思ってからも、
本当の意味で心を開くまでにはまだギャップがありました。


これまでの僕は、「人の期待に応えたい」ということを軸にして生きてきました。
そう言えば聞こえはいいですが、ことの本質は


「人の目を気にしている」
「自分に対して自信がない」
「人間関係を取引関係で考えている」


ということ。


既に数十時間、数ヶ月をかけて準備をかけている段階の時のこと、
もうこれ以上、運営メンバーの期待には応えられないと
僕は何度も準備を投げ出そうとしていました。


期待に応えられない自分を見せるのが嫌だったから。


でも、ある瞬間、ふと、
「もう自分をありのまま見せていい。」と思えたんですね。
「もう、できない自分。期待に応えられない自分。」はそのまんま見せようと。
そして、「助けて」と素直に言おうと。


そう思えた瞬間、すっと肩の力を抜けました。


ソウルストーリーは、当日に向けてのプロセスそれ自体が、
僕の人生そのもの、ソウルストーリーそのものだった気がします。



■コンプレックスは自分自身が作っている


もう一つ感じたのは、


コンプレックスは自分にとっては大きな問題。
でも、他人から見たら些細な問題


ということ。


意を決してカミングアウトした自分でしたが、
参加者が反応して下さったのは、意外に違う部分だったりするんですね。


事前の告知文で、僕は、鬱に苦しんだ話をカミングアウトしました。


当日はそれ以外にもたくさんのことをカミングアウトしたのですが、
もう1つ特に大きかった僕のコンプレックスは、大学を中退しているという事実です。


一部の人には既にカミングアウトしていましたが、
実は、その事実を、僕はこれまで大学の同期に明かしてきませんでした。


順調なキャリアを進む同期に対して、
ふつうとは変わった道を歩む自分のコンプレックスでした。


当日、大学の同期も参加してくれたのですが、
そんな同期が終わった後に言ってくれた言葉が衝撃でした。


「あんな忙しい時に、いつ彼女とつき合ってたんだ?」


笑っちゃいますよね。


からしたら、「そこ!?」というところを周りは気にします。


えてして僕らは、コンプレックスの原因を、その対象におきがちですが、
結局コンプレックスを作っているのは、自分自身。


そう、コンプレックスってそんなものなのかもしれません。


話してみれば大したことないもの。


そう思った瞬間、本当に心の中にたくさんしてきた蓋は一気に開かれた気がします。



■コンプレックスが自分をつくる


でも、一方で思うんです。
そんなコンプレックスが自分を作った存在でもあるということを。


僕にとってのコンプレックスは、


「頑張らないと、認めてもらえない」
「人より秀でないと、認めてもらえない」
「できる人間でないと、迷惑をかける」


というコンプレックス。


いつも、「良い子でなくてはいけない」と思ってきました。


でもこういう側面を持っているからこそ、
人一倍、人の機微に対して敏感になることができ、
人の想いを感じることができ、


・人は一人では生きられない
・人はがんばりすぎちゃいけない
・人と人と手をつなぐことによってもっと素敵なことができる


という、「つなぐ専門家」としてのスタンスができてきたんだと思います。


コンプレックスとこだわり。
それは紙一重


そう思うと、自分のコンプレックスが急に愛おしくなります。


コンプレックスという存在を、良いでも悪いでもなく、認められたこと。
それも、ソウルストーリー出演を通じた大きな成果だったなあと思います。




■おめでとう。そして、ありがとう。


ソウルストーリーで自分をさらけ出してみて感じたこと。


・ただそばにいてくれる存在がありがたい。
・自分はありのままでいい。
・コンプレックスは自分自身がつくっている。
・コンプレックスが自分をつくる。


こう書くと、人からみれば、きっと当たり前のことなんだと思います。


でも、それを頭ではなく、自分の魂の奥底で感じられたこと。
それはとっても意味のあるプロセスだったなあと、改めて感じます。


参加してくれた人の多くが、「おめでとう」と言ってくれました。
中島 明が再誕生したと。


たくさんの人、たくさんの愛情に囲まれていると感じられるこの瞬間。
いま、自分で自分を愛せると思えるこの瞬間。
そして、周りの存在を愛おしいと思えるこの瞬間。


僕はめちゃくちゃ幸せだなあと思います。


「おめでとう。」という言葉に僕は返したいです。


「みなさん、本当にありがとう。
 そして、今後ともよろしくお願いいたします。」