2012年の抱負。今年はあえて「30年後」を考える。〜「つなぐ」は次のステップ「深める」へ。


2012年が明けた。今日が仕事初め。正月からいろいろ考えてた。どう生きようかと。この1年というよりは、この人生どう生きようかと。今年は辰年で、年男だというのもあるし、昨年イナズマという新しい会社をスタートしたばかりというのもある。でも、こんな風に考えるようになったのは、やっぱり3.11が影響しているんだと思う。


夏、冬と数日被災地を訪れて感じたこと。震災から数ヶ月が経ったその時でさえ、想像の域を遥かに越えていた現実。そして、未だかつて人類が経験したことのない課題の数々。起きることには全て意味があると言うにはあまりに厳しすぎる状況を前に、自分はこの人生で何を成し遂げるのかを考えた。


30年。


この年初に、僕の見定めたゴールはそこにある。


「中島さんの10年後の目標は何ですか?」そう聞かれた時に、僕はいつもこう答えていた。「10年後なんて先のこと、分からない。でも、目の前にがんばっている人がいたら応援するし、困っている人がいたら助ける。どんな状況でもそんなスタンスは大事にしたいんです。」と。


東北に行ってご縁ができた、陸前高田と一本松。流されてしまった7万本の松原の復活に向けての取り組みがスタートしているけれど、松がいっぱしの大きさになるまでに30年以上かかるらしい。そして、未だ解決していない、福島の原発問題。県が廃炉の方針を打ち出したものの、廃炉には30年、40年かかると言われている。どちらも見届けるのに、あと30年だ。


その頃、一般企業の定年は何歳なのか、年金制度がどうなっているのか、高齢化社会がどうなっているのか、地球がどうなっているのか、わからないけれど、僕は、少なくともあと、30年働こうと思う。何のために?この正月に改めて自分と向き合ってみたけれど、やっぱり、僕は、


「人と人をつないで世界をより良くする」


これにつきる。


「つなぐ」と言い出して約2年。最近よく「つなぐ」とか「つながり」とかキーワードをよくみかけるようになったけど、最近、僕にとっての「つなぐ」の意味がちょっと変化してきた。


もともと、僕は「つなぐ」を2つの意味で使ってた。1つは、文字通り、人と人をつなぐということ。そしてもう1つは、自分(企業)の本当の姿(being、spirit、soul)とつながること。ソーシャルメディアをつかえば誰かと簡単につながれるようになったいま、求められるようになるのは後者の姿勢じゃないかと思っている。


僕の役割はそこ。自分の深い部分とつながれる人は、人と深くつながれる。もちろん、人と人を結びつけるのも僕の仕事だし、まだまだその役割も少なくないけれど、深い部分でチューニングするのをお手伝いすることこそ、僕のミッションだと思う。それは、人と人かもしれないし、企業/ブランド/商品と人かもしれない。ソーシャルメディアを活用するかもしれないし、思いっきりリアル、アナログなアプローチかもしれない。そうすることによって、LOVEの流通量を世の中に増やすこと。POWERやMONEY、BUSINESSといった世界にLOVEを織り交ぜていくこと。それが僕のミッションだ。


まだまだ、「つなぐ専門家って変わってますね。何してるんですか?」と言われるけれど、僕に言わせたら、人に銃を向ける仕事より、よっぽど手をつなぐ仕事の方が自然。だから、今年は「つなぐ専門家」がもっと世の中に増える活動もしていけたらと思っている。


人と人をつないで世界をより良くする。
30年後、いまより、きっと世界が良くなると信じて、まずは今年、2012年をがんばりたい。



※写真は気仙沼市の岩井崎。津波で甚大な被害を受けた岬に残った松は、龍の形に。

HOPE100、通算50回。その後、講師のみなさんが出した本、21冊。

3.11をきっかけにスタートした、チャリティセミナーシリーズ×100本プロジェクト【HOPE100】が、おかげさまで2012年1月11日に通算50回目を開催した。


講師・会場・運営がALLボランティアで、参加費が100%寄付になるこの仕組み。ふと気がついてみると、講師として登場してくださったみなさんがその後続々と、新著を出版されていることに気がついた。数えてみたら、その数、計21冊。現在執筆中の方も何人かいて、とっても嬉しい。


感謝の気持ちとエールを込めて、ここに紹介します(※HOPE100登場順)。HOPE100共々、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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いまだから感じられること。若者だからできること。〜「明日」のために、どうか力を。


今年のクリスマスは被災地で過ごすことに決めた。学生や若手社会人と一緒に東北へ。この夏、実施したクリエイティブの可能性・東北合宿の第2弾。僕はそれを取りまとめるバトンを引き継いだ。


もう今年もあとわずか。2011年を振り返るとき、日本中のほぼ全ての人が3.11を思い出すと思う。それぞれに、それぞれの感じ方で。


どうして、僕がこの合宿のバトンを引き継いだのかといえば、それは間違いなく、それが明日につながることだと思えるから。同じ時代に、同じ国で何が起き、何が変わったのか。その事実に正面から向き合うこと。五感すべてをつかって感じること。それが、きっと明日を担う若者たちにとって、将来大きな意味を持つと信じるからだ。


そこには原体験がある。大学入学前の春休み、高3の僕は神戸にいた。阪神大震災から2ヶ月経って訪れた神戸で、僕はボランティアをしていた。僕ができたことはとってもとっても小さかったけど、あのとき、感じた情景は今でも脳裏に焼き付いていて、被災者のおばちゃんからもらった一言ひとことは今でも耳に残っている。「なーんにもなくなっちゃったわ。兄ちゃん、手に職はつけるんだよ。」この言葉。今でも仕事のことを考える時に必ず思い出す言葉だ。


夏に一緒に行った学生も、それぞれがそれぞれに心を動かされた。だから、その後、彼らは、それぞれに色んな動きを始めた。ある者は出会ったおっちゃんを応援したい一心でこの数ヶ月何度も東北を訪れた。またある学生は月に1回、東北の食材を使った1日店長をやることを決めた。また、ある者は震災プロジェクトの事務局をその後も続けた。などなど・・・。


とってもとっても寒いこの時期。しかも、クリスマスを挟む三連休というこの日程に集まるメンバーだから、きっとまた彼らもいい経験をしてくれるものと僕は信じている。今回は、自ら手を挙げてくれた高校生が4人、東京発のこの合宿に、関西から交通費を自腹で払って駆けつけてくれる学生もいる。


あっという間に定員の40名を越えたけれど、学生にとって、3万円弱という今回の参加費は決して安くない。(関西から参加するメンバーはこれに東京までの交通費が加わる。)それでも参加する決意をしてくれた彼らを僕はこれから心から応援したいと思う。参加者は満員御礼となった今、僕が旅に出る前にもう一つがんばりたいのは、彼らの負担を少しでも軽くすることだ。


決して、「お金」だけが理由ではない。応援してくれる人の存在、報告すべき人がいるということが、どれだけ彼らの旅を後押しするか。みなさんの代わりに被災地にかけつけた若者たちが現地を支援し、現地の様子を外に向けて発信する。そして、現地で心動かされた若者たちが、次のアクションを始める。この合宿は、ただ実行することがゴールではない。明日を創る若者の背中を押すことが、この合宿をやる目的。


このクリスマスに東北を訪れる若者たち。きっと、今後クリスマスの度に今回のことを思い出してくれると思うんです。身銭を切ることも大切なので、決して1万円より安くするつもりはありません。もし、余った分があれば、それを原資に、合宿第3弾を開催して、さらに「つづける」ことを、僕はお約束します。


だから、何かと入り用の12月に大変恐縮なのですが、どうか、みなさん。若者たちを応援してあげてはもらえないでしょうか。


1口5,000円〜支援金を受け付けております。お力添え頂ける方は、どうか下記の口座よりご支援をよろしくお願いいたします。

※お手数ですが入金後、私中島までメッセージを頂ければ幸いです。学生たちにきちんと御礼の気持ちを伝えさせたいので…。前回もそうしていましたが、そういうのも含めて学びになればと思っています。

さわやか信用金庫・麻布支店(012)・普通1210009
名義:ナカジマアキラ

アバターとしての自分にさようなら。〜本当の自分に向き合えた、僕の第2の誕生日の話。


ちょうど1年前の今日、勇気をもって、ある試みをした。人前で、これまでの人生、嬉しい過去も、痛い過去もすべて包み隠さずカミングアウトするという機会。妻も両親も兄弟も呼び、いままでお世話になってきた人たちを呼び、学生時代の友人も呼び、誰にも話したくなくてひた隠しにしてきた過去をさらけ出すというのは、本当に怖い行為だった。築き上げてきたものが全て壊れてしまうんじゃないか。みんな自分から離れてしまうのではないか。仕事もなくなってしまうんじゃないか。でも、いま振り返ってみて、はっきりと実感している。あの時があって、今の自分があると。アバターとしての自分ではなく、本当の自分だけで生きられるようになった1年前の今日。12月5日は僕にとって第2の誕生日だ。


そのイベントの名はソウルストーリー。臨む前の僕の様子と、終わって10日経ってやっと言葉にできた感想が当時のブログに書いてある。

今日はこれから、ソウルストーリー出演。(2010.12.5)

自分をさらけ出してみて感じたこと。〜ソウルストーリーを終えて(2010.12.15)


自分で言うのもなんだけど、それまで、優等生で生きてきて、どんなコミュニティの中でもそつなくこなしてきた自分。でも正直言って、人の顔ばっかり気にして生きてきた。自分がないんじゃないかと思った時もあった。良く言えば、人に喜ばれることが自分の喜び。でもいつしか、喜んでもらえないなら、自分は存在しちゃいけないんだと、自分を追い込むようになった。


でも、そんな自分と向き合えたのが1年前の今日。そのまんまのあるがままの自分で良いんだと心から思えたのが1年前の今日だ。


それまでは、そんな自分に嫌気が指して逃げ出すことがあった。大学を中退したこと。会社を休職したこと。どちらも僕にとっては隠したい過去だったけれど、今ではそれが必要なプロセスだったと自信を持って言える。正直に言えば、この1年で出会った人がたくさんいて、そんな人たちに、こんなことを改めて言うのもどうなのかなあと思ったけれど、でも、改めて今日、そんな自分のプロセスをもう一度ここに記しておきたいと思う。この1年、「あっ、この人にはぜひ伝えたい」と思った時、僕が1年前に経験したこの体験を話すようにしてきたけれど、どうやら、本当の自分に鎧を着込ませ、アバターともいえる虚構の自分を演出しがちな人が、少なくないなあって思うから。


鎧を脱ぐことは確かに恐ろしいことで、社会で生きていくのに、本当の自分とアバターの自分を使い分けることは、ある意味、仕方のないことなのかもしれない。でも、もし、いまこれを読んでいるあなたが、何か厚いあつい鎧を着込んで自分を守っているとしたら、アバターとしての自分で本当の自分を失いそうになっているのだとしたら、僕はそれを脱ぐことを勧めたい。時間はかかると思うし、恐れも傷みも伴うと思う。でも、恐れを感じるとすれば、そのプロセスはきっとあなたに必要に違いない。


「つなぐ」ことを人生の使命とし、「つなぐ」ことを職務としている僕だけれど、実は、「つなぐ」という意味には2つの意味がある。1つは人と人を「つなぐ」という意味。そして、もう一つは、自分を本当の自分に「つなぐ」という意味だ。自分に深く向き合えた人が、深く人とつながれる。自分に深く向き合えた企業が、顧客と深く向き合える。そう信じて疑わない。おかげで僕は、ちょっとやそっとではぶれなくなった。


今年はじめた震災プロジェクト「HOPE100」も、新しく仲間と始めた会社「イナズマ」も、きっとこのプロセスがなかったら生まれていなかったと思う。自分らしい人生を送れるということ。こんなに幸せなことはないと思う。


1年前にも増して、益々ソーシャル化が進む今、人は、誰とでも簡単につながれるようになった。地球の裏側の人ともつながれるようになったことはとってもステキなことだけれど、そろそろ「広く」ではなく「深く」つながる時期が来ていると僕は思う。


深く自分の奥底=源に向かう作業は決して楽な作業ではないかもしれない。もし、それが楽な作業だったら、何かそこに無意識に蓋をしていることを疑ってかからなければいけないかもしれない。(僕がそうだった。)そんな時、見守り、支えてくれる存在、じっと、向き合うのを待ってくれる存在はとっても重要。僕はそれを惜しみなくしてくれる仲間に恵まれた。今、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


本当の自分に目覚め、本当の自分同士で人がつながる。僕が願うのはそんな世界。だから、声を大にして言いたいんです。自分と本気で向き合う大切さを。自分の良いところも悪いところも、それを受け入れる大切さを。


もし、そこに僕が必要であれば、言って下さい。僕は駆けつけます。

弟よ、14年ありがとう。


ありがとう。


よく朝、寝坊しかける僕を起こしに来てくれました。
忙しさにかまけて実家に帰らない僕の代わりに両親の面倒を見てくれました。
たまに実家に帰った時は、ちょこんと横にきて一緒に寝てくれました。
家族みんなで盛り上がっていたら、嫉妬して脱走したことがありました。
お手もおすわりもできないけど、みんなに愛される存在でした。


僕にとっては・・・唯一の弟でした。



今朝、14年の年月を経て、静かに永い眠りにつきました。


先週末もお見舞いに実家に帰り、もう覚悟はしていたものの、やっぱりつらくて。
最期、よくがんばったね。


ありがとうな、プータン。


安らかに眠って下さい。

片道24時間をかけて、九州から被災地へ向かった100人の人たち。〜日本で一番Facebookを活用している町の「つなぐ力」


「政治家なんて信じられない。」
「行政って動きが遅いよね。」
「西日本の人にとっては、東日本大震災は遠い存在。」


こんな話が出ると、僕は「ちょっと待ってよ」と言う。そして、「いや、そうじゃない、素敵な町があるんだ」と。そう言って、紹介するのが、佐賀県武雄市。そして、樋渡市長の存在。ちょうど今日11月18日は市長の誕生日だし、改めて武雄市のことを書きたいと思う。


とにかくスピードが早い。twitterfacebookは他の自治体に先駆けて導入。導入どころか、いまや、facebook活用事例の1つとして挙げられる存在で、なんと3ヶ月で閲覧数1000万件。旧来型サイトの時は月5万件だったらしいから、驚くべき数字だ。



最近は、facebookを活用した特産品の物販もスタート。iPadを活用した授業や図書館についての取り組みを既に始めているし(お役所によくある「検討」ではない)、何度か紹介しているけど、もはや、そこらのベンチャー企業より遥かにスピード感がある。


市長本人もよく言っているけれど、これは市長の力だけでなく、職員のみなさんの活躍があってこそ。僕は何人も職員のみなさんにお会いしているけれど、良い意味で僕の「役人像」を覆す人たちだった。とにかくフットワークが軽くて、頭が柔らかくて、温かくて。


そんな武雄市だから、被災地支援の動きも早かった。


武雄市タウンステイ構想(東日本大震災被災者の受け入れ)を3月16日には発表し、いち早く被災者の受け入れを表明。しかも、フェーズにあわせて、既にこの構想を4回も改訂しているのだ。


中でも、僕が特に注目したのは、タウン・サポート「チーム武雄」。先月、ひとまず、当初の日程を終了しているけれど、あえてこのプロジェクトをとりあげたい。ただのボランティアツアーでしょ?と思うかもしれない。違う。このチーム武雄は「たいせつなもの」を僕に思い出させてくれたのだ。このプロジェクトでは、東日本大震災の被災地復興を支援するため、往復の移動費(バス)とボランティア保険加入代を市が負担し(その他は各自参加者が負担)、町をあげて、ボランティアへ行く人を増やそうという動きだった。(→出発式の様子はこちら


計5日程。延べ100人。少ない?一見すると、よくある自治体のツアーだと思えなくもない。でも、考えてみて欲しい。東北と九州。武雄市佐賀県。活動先の陸前高田市まで、およそ1600km。バスで片道24時間ですよ。東北は東京から遠い?関西から東北は遠い?チーム武雄はそんなことを忘れさせてくれた。地理的な距離は遠いかもしれない。でも心理的な距離はとっても近い。いち早く、被災地入りした市長や、市の職員、市議のみなさんなどの存在や、丁寧に行われた報告会で、被災地とつながる意味が「伝わった」のだと思う。


「遠くで起きたこと」になっていないことに、僕はハッとさせられた。インターネットやソーシャルメディアのおかげで、地球上の裏側の人とも簡単につながれる時代。ぼくらは“ただ”つながることに満足していないだろうかと。たいせつなことは、そこに、血流を増やすこと。つながるだけでなく、つながって何を為すかはとっても大事だと思う。


チーム武雄の様子は、武雄市facebookページや樋渡市長のブログなどで紹介されているけど、さらに素敵だなあと思ったのは、行った100人だけでなく、その100人に、行けない武雄市の人たちの思いも乗っていること。見送りや出迎え、そして、報告会の様子が「チーム武雄」であることを感じさせてくれる。きっと、武雄市にとって誇りの存在。そのことが、益々、熱い気持ちにさせられる。年齢も職業も違うツアー仲間(市民)が、親しくなって、ツアー後も交流が続いているという。思いが循環してるのだ。



みんなで見送り・・・


みんなで出迎える。


僕自身もこの夏、学生たちと被災地を訪れ、4日間を共にした。その時のメンバーは、いまでもたいせつな「仲間」。このメンバーだったら何でもできるんじゃないか、そう思えるメンバーだった。だから、武雄市もきっと同じなんじゃないかと思う。武雄市がこれからまた新たなまちづくりを進めていくうえで、彼らは1つの大きなエネルギーになるに違いない。


武雄市は、日本有数のソーシャルメディアを使いこなしている町であることは間違いない。でも、それを支えているのは、きっと、こういう「心動かされる何か」を持っているからなんだと思う。市のFacebookページ(公式サイト)を通じてもその様子は伝えられ、市民はもちろん、多くの人たちがこのプロジェクトの様子を見、そして、応援した。遠くの人とつながる力。思いをつなげる力。さすが、つながる部という部署がある町。つなぐ力がある。


そして、樋渡市長は言っている。チーム武雄を、チーム日本にしたいと。


樋渡市長のブログ(武雄市長物語より):

ぜひ、お住まいの市役所や町役場を突き上げてください。ボランティアバスを出してほしいと。僕は僕で、いろんな場面を通じて、非被災地の首長や議長にはお願いにまわります。

武雄市では、これを単発に終わらせず、来年も再来年もしつこく、「もう来なくていい!」と言われるまで、陸前高田市気仙沼市、そして、仙台市の被災地支援を行って参ります。

市民主導のボランティア「チーム武雄」が、国民主導の「チーム日本」になって、被災地(者)をサポートする。それが、今の被災地、そして、日本に最も求められていると思います。国会議員も政府も、私から見て全然動かない状況の中で、自治体、そして、自治体の構成員である市民の皆さんが水平的に動く。僕はここに光明を見いだしたい。一つの灯が燎原の火のようになることを重ねて祈ります。


「変わる」と信じられる自治体の存在は、僕にとって大きな勇気。そもそも、僕が8月に東北へ行くことを決意したのも、樋渡市長の講演がきっかけの一つだった。「とにかく一度行ってみて欲しい。」と。だから、僕も「チーム日本」の一翼を担いたいと思う。「なんにも変わらないね」と言うだけで終わるのでなく、「何かできることがないか」と考えたい。


被災地を訪れること。それは、小さな力かもしれないけど、確実に被災地の力になる。そして、それはなにより、明日の日本の大きな力になる。


今年中になんとかもう一度被災地に行く機会をと思って、12月末三連休に日程を組んだ。ずばり、クリスマスの時だけど、学生は冬休み。社会人(土日休みの人)は、会社を休まなくて参加できる日程だ。心のどこかでひっかかるものがある人、学生でも社会人でもぜひ一緒に。


クリエイティブの可能性・東北冬合宿(2011.12.22-25)


つながる意味、つながる価値。ぼくはそれをもう1度じっくり考えてみたいと思う。


※写真は、樋渡市長のブログ「武雄市長物語」および武雄市Facebookページからお借りしました。

じぶんごと化してくれる仲間に支えられてMY PROJECTはOUR PROJECTへ〜HOPE100、おかげさまで間もなく50回


あれからもう、8ヶ月になる。


3月11日から3日間。家でテレビばかりを観ていた僕は、「テレビだけ観ていて、俺は何をやっているんだ」とハッとした。「自分にできることを“最大限に”やろう」、そう考えた僕が選択したのは、得意なことに時間を注ぐことだった。より多くの人の力を”つなぐ”こと。3月14日、知り合いの講師ができる人たちに一斉にメールした。3月18日にサイトを立ち上げた。3月19日に第1回目のチャリティセミナーを開催した。1/100。参加費が100%寄付になるチャリティセミナーを100回やる。HOPE100はこうして始まった。


みんなの力をつなぐこと。そうは言いつつも、最初の1ヶ月はほとんど1人で突っ走っていたと思う。でも、気がついたら、助けてくれる人が周りにたくさんいた。セミナーに参加してくれる人、何度も参加してくれる人。ひとを集めるのに力を貸してくれる人、PRを助けてくれる人。会場を貸してくれる人。カメラマンをしてくれる人。twitterで実況してくれる人。3月19日は、僕ひとりで、受付をし、司会をし、片付けをしたけれど、今では、何人もの仲間がそれを助けてくれている。講師に手を挙げてくれる人もたくさん現れた。講師を紹介してくれる人もたくさん現れた。東京以外でやるよと手を挙げてくれる人も現れた。一緒にやろうとコラボ開催してくれる人も現れた。


ぼくも人間だから、くじけそうになることがあって、それでもこうして続けられるのは、励ましてくれる存在、応援してくれる存在があるから。それが、どれだけ自分の支えになり、力になるか。いや、いろいろ難しいこともあるけれど、助けてくれる存在は有り難い。だから僕も、被災地に少しでもと目を向け、力を注ぐ。困っている人がいたら助け、がんばっている人がいたら応援する。そのポリシーは今年より固くなった。


そばにいると、力を借りることが少し「当たり前」と勘違いしてしまう自分がいて、ハッとする。運営ボランティア。僕は、あえて「ボランティア」ではなく「仲間」と呼びたいけれど、いつも支えてくれる、圭くん、のんちゃん、原さん、野村さん、もときくん、菅野くん、本当にいつもありがとう。助けてもらってる分、ぼくも何かあったら、駆けつけますから。



さて、そんなHOPE100が間もなく通算50回。最新回は来週の11月24日。第47回目を迎える。実は、今回から、新しい仲間が加入。僕がもう1つ関わっているプロジェクト、ソーシャルシフトの仲間である野田さんと、ソーシャルおじさんのニックネームで知られる徳本さん。野田さんには、企画・プロデュースを、徳本さんにはPR支援を協力頂くことになった。


早速「じぶんごと化」して、こんなブログまで書いてくれている。

Casual に震災復興しませんか?チャリティーセミナー、HOPE100やります!|Learn by doing「これから」のネットとCommunity

女。MGの日記、玉置沙由里さんとトークイベントします!|ソーシャルおじさん徳本昌大のソーシャルコミュニケーション最前線


僕は前に、Like with action. 〜いいね!の先にあるもの。いいね!だけでは世界は変わらない。という記事を書いたけれど、こんな仲間たちと接していると、それが身に染みてくる。


HOPE100を知っている人に会うと、「何回までいきました?」と声をかけてくれる。「もうすぐ50回です。」と答えると、「もう、そんなに!」と言ってくれる人、「やっと、半分だね。」と言ってくれる人、さまざま。


でも、じぶんごと化してくれる人たちのおかげで、MY PROJECTとしてはじまったHOPE100は、いよいよ本当の意味でOUR PROJECTになってきたのかなあと思う。MY PROJECTは僕が止めたら終わるけど、OUR PROJECTは僕が止めてもきっと、終わらない。


いや、僕ももちろん、やめません。続ける。でも、そこに集まる「みんなの力」はきっと、次の何かの「危機」が起きた時にも力となるはず。僕はそう信じてるんです。


ここに全員の名前を書ききれないのですが、支えてくれているみなさんに、改めて心から感謝します。HOPE100は、50回、そして、100回に向けて進んでいきます。この生態系が今後どう変化していくかに、誰よりも僕がワクワクしていますが、今後も「ぼくら」のプロジェクトにご期待ください。


いつも本当にありがとうございます。



※写真は、たくさんの人が駆けつけて下さったHOPE100×神宮外苑花火大会大交流会(2011.8.6)の時の写真です。