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May 05, 2015 サヨナラインフィールドフライ問題 このエントリーを含むブックマーク

今回のこのケースというのは、簡単に言ってしまうならば、審判(この場合は球審)の間違った判定を元にして発生した次のプレーの結果について、審判の判定が修正された場合、どう裁定するべきなのかって問題なのだと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=gk5GA08ThwA

以下は、ちょっと細かく検討してみた内容です。長くなったので、結論だけ先にまとめておきます。

・今回の件は、球審の判断ミスが最も深刻な問題であり、両軍選手はその被害者と言える。

・判断ミスに従ったプレーの結果として、偶然広島側が得をし巨人側が損をすることになったが、それは、ルール上は甘んじて受けるしかない。

・判断ミスが原因の失点であることは明らかであるため、損した側が納得できないのは当然。

今回は、インフィールドフライ(厳密には、インフィールドフライ・イフ・フェア)が宣告されるのが当然の場面です。実際、まず二塁塁審インフィールドフライを宣告し、続いインフィールドフライにおける慣例通り、三塁塁審も宣告したようです。野球規則2・40を参考にするとこの段階でインフィールドフライ成立の条件は満たされます。ここで球審インフィールドフライを宣告していないのは、慣例に反していて不親切ではありますが、ルールに反している訳ではありません。

http://asaka-aba.net/2_40.html

http://www.hochi.co.jp/giants/20150504-OHT1T50154.html

しかし、ここで問題となるのは、球審が落球にフェアの判定をし、フランシスコの本塁触塁にアウトのコールをしている点です。仮に、球審インフィールドフライ・イフ・フェアを宣告していれば、フェアの判定をし、その時点で打者走者のアウトを宣告するのは正しい流れなのでしょうが、インフィールドフライに対する宣告がなかったため、ここでのコールは、インフィールドフライではない打球への落球と受け取られます(球審自身も、動きを見る限りにおいては、インフィールドフライをコールしていないために成立していないと考えていた可能性が高いです)。実際、三塁塁審と近い場所にいた三塁走者の野間も、インフィールドフライではない落球と判断して本塁に突入しています。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/05/04/kiji/K20150504010291740.html

この段階で、選手は誰も見ていない二塁、三塁塁審のコールに従えば、三塁走者はとどまるのが正しい判断で、一塁手は三塁走者にタッチするのが正しい判断です。一方で、皆が見ている球審のコールに従えば、三塁走者は本塁に突入するべきで、一塁手は本塁に触塁した時点でアウトと判断して問題ありません。

今回は、この判定で巨人側が損することになりましたが、かりに、一塁手が三塁走者にタッチしていた場合、球審の間違った判定に騙されて三塁走者が飛び出してしまったという形になり、広島側が損する可能性も十分にあり得た訳です。いずれにせよ、損した側が納得できるものではなく、今回の抗議は当然です。

さて、では、この抗議に対する対応は何が正しかったのか、となるのですが、公平を求めるのであれば、ミスジャッジが原因となって三塁走者の本塁突入が発生し、同じミスジャッジが原因となって本塁への触塁が発生したのですから、ミスジャッジがなければ本塁への突入はなかったと判断し、2死満塁から再開でいいのかなと思うのですが、ルールを見る限りではそうもいかないようです。

9・04 『球審及び塁審の任務』(c)には以下のように記されています。

一つのプレイに対して2人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し(監督、プレーヤーを交えず審判員だけで)、その結果、通常球審(またはこのような場合には球審に代わって解決にあたるようにリーグ会長から選任された審判員)が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する。このようにして決定された裁定は最終のものであり、初めから一つの裁定が下された場合と同様に、試合は続行されなければならない。

http://asaka-aba.net/9_04.html

注目すべきは最後の一文です。つまり、どちらかの判定を取り消す場合には、ミスはなかったことにして、正しい判定のみをもとに進めねばならないという規定です。ミスをしたのが球審であるのは疑問の余地がありませんから、この場合は、インフィールドフライの判定が正しいという事実のみをもとにして、その後の裁定を進めねばならないということになります。

つまり、たとえ間違った裁定を元にプレーが発生したとしても、裁定の修正後に、そのミスジャッジに対して配慮してはならないということです。となると、広島の得点は認めるというのが正しい対応になり、最終的な判断は問題なくなります。何というか、審判が打球をよけそこなったせいで負けたというのと同じくらい巨人にとっては不運な判定ミスだったと言うべきなのでしょうね。

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