キセキ
今日 僕の 中で 何かが 死んだ
おばあちゃんの知恵袋
めずらしく風邪をひいてしまったごっちん。
布団の中で苦しそうに咳き込んでいる。
『ごほごほ』
「具合どう？」
『・・んん』
「しょうが湯、作ったよ」
『しょうが湯？』
「風邪に効くんだよ 飲んで」
『・・・・にがい？』
「大丈夫 はちみつたっぷり入れたから」
『ほんとぉ？』
「うん 熱いから気をつけて」
『あい・・』（ゴク）
「どう？」
『あまいね おいしい・・』（ゴク）
「よかった」
『あの・・ありがと、ね』
「いーよ 気にしなくて」
『うん』
「お昼まで また寝てな」
『はい』
「お粥作っとくから」
『うん・・おやすみなさい』
「おやすみ」
『（優しすぎ。なんか・・ずるい）』
好キナ言葉
怒りに支配されそうになったら、
自分にむかって「私はいま怒っている」と言ってみよう。
（パット・バルマー）
駅まで徒歩５分
街の不動産屋の前で足を止めるごっちん。
空き家情報を熱心に見比べている。
『１ＤＫ７万えん、１ＬＤＫ１０万えん・・』
「どしたの？」
『うーん 徒歩５分』
「おーい」
『やっぱりトイレとお風呂は別々がいいよね』
「そりゃまぁ」
『あ、ベランダつきもいいなぁ』
「・・・」
『ペット可ってあんましないねぇ』
「ひとり暮らしするの？」
『へ？』
「真剣そうだから」
『あ、うん なんかさ、えへへ』
「ん？」
『で、できれば その やっぱりね 一人はさびしいじゃない？ だからね なんか ふたりで い、い、いっ、いっ』
「い？」
『いし、いっし、よ』
「石？」
『い、いっちょうあがりぃ！ってね』
「はぁ？」
『（ああん もう はずかしくて言えないよぉ！）』
好キナ言葉
いつも太陽の光に顔を向けていれば、
影を見ることはありません。
（ヘレン・ケラー）
Ｗｅ ａｒｅ ｔｈｅ ｗｏｒｌｄ
『ねぇ この２ヶ月なにしてたの？』
「仕事」
『しごと？』
「うん」
『どのぐらいしてたの？』
「いーっぱい」
『いっぱい？』
「そう」
『それはどれぐらいいっぱい？』
「栄養ドリンク飲みすぎて鼻血ブーなぐらい」
『えー！』
「たらぁーっと来て」
『やー！』
「それから だらだらぁー」
『もー！』
「もう ぶわぁー！」
『・・・おっちゃんくさ』
好キナ言葉
見たとおり孤独な人がこんなに大勢いるのに、
自分だけが孤独だとは、
身勝手で許されまい。
（テネシー・ウィリアムズ）
痛みに似ている
（ちゃんと謝るまでぜったい許さないんだから）
「髪、切ったんだね」
『もう ずっと前だよ』
「似合ってる」
『おんなじこと、たくさん言われた』
「よしよし」（なで）
『男の人にも言われたんだからね』
「よちよち」（なでなで）
『もー ごまかすな』
「ごまかしてないって。ちょっと痩せた？」
『え？』
「ほっぺが」（ぷに）
『わぁ』
「触感が少し硬くなったかな」（ぷにぷに）
『・・』
「うーん」（ぷにぷに）
『・・・・』（ガブッ！）
「いてッ！」
『べぇッーーーーだ！！』
好キナ言葉
人類は戦争に終止符を打たなければならない。
そうでなければ戦争が人類に終止符を打つことになるだろう。
（ジョン・Ｆ・ケネディ）
あいしてるよ
『・・・・・・・・・』
『・・・・・はぁ』
『イライラ』
『あー もう』
『どういうつもり？』
『ねぇねぇ ありえないよね』
『２ヶ月だよ ２ヶ月』
『放置にも限度があるっつーの』
『ふつーだったら別れるよ オ・ワ・カ・レ』
『まじ やばいっすよ』
『ほんと 少しは考えなよね』
『まだ言いたいこと いっぱいだけど・・・』
『バイトあるから切るよ・・』
『帰ったらまたメールするから』
『ほっといた分 ちゃんと償ってもらうんだからね』
『覚悟してよね』
『じゃあね』
『バイバイ』
プチッ・・・ツーツーツー
ってな感じ？
