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2007-07-01

朝の連載小説 超光速伝達物質 - ボラギノール <第一回> 朝の連載小説 超光速伝達物質 - ボラギノール <第一回>を含むブックマーク 朝の連載小説 超光速伝達物質 - ボラギノール <第一回>のブックマークコメント

博士「ちょ、ちょ、U所員、ちょっと!!」

U所員「またぁ、なんですかぁ、博士〜」

博士「ちょ、おま、反応うしーぃー、ちょぉ聞いてよ、またスゴイもんつくっちった、めがねくもっちゃった!」

U所員「なんでそこでエンゾー師匠なんすか、世代限られすぎですよ〜」

博士「いいからいいから、ちょっとコレ見てって」

U所員「うわぁー、なんかイヤーな予感がするんですけど・・・なんか以前同じよーな展開で大事故が発生したよーな気が・・・」

博士「もう、そんなこと言わずコレ見て、ほら!」

U所員「ん?なんです、これ?白い錠剤みたいですけど・・・?」

博士「説明しよー!これは脳内の情報伝達を担うあらゆる脳内物質の代替となり、超アフィン変換を利用することにより光速の1.5倍の速さで神経間のパルス伝達を可能とさせる物質である。どー、すごいっしょ?」

U所員「え、えーっと・・・具体的に何が出来るんですか?」

博士「だーかーら!脳の情報処理能力を超スピードアップできんの!」

U所員「マジッすか!じゃぁ、時の流れがゆっくりに見えたりして、弾丸をあらゆる方向から観察したり、掴んでみたり、あとクロックアップとか言って、人より早く・・・」

博士「U所員・・・、おーーーい、U所員、ねぇ・・・おーーーいい、Uしょいーーーーーん!!」

U所員「んでもって、そのうち超高速に動くうちに進行方向は青白く、後方は赤橙色に見えるように・・・、え、なんか言いました?博士」

博士「あのぉ・・・、せっかくの妄想中すまんが、このクスリの薬効はある脳の一部分に限られるんじゃ・・・」

U所員「一部分??」

教授「そうじゃ、一部位だけなんじゃ」

U所員「じゃぁ一体、どの部位をクロックアップさせるんですか?」

教授「問題はそこなんじゃ。U所員は人間の脳が機能ごとにモジュール化されているという説は知っておるな?」

U所員「言語野とか運動野ってやつですよね?ペンフィールドが行った、てんかん患者の開頭手術の実験とか有名ですよね。あと皮質におけるコラム構造の特異的な刺激応答とか有名ですね」

教授「そうじゃ、そこでワシもいろいろと調べておるウチに、最近、脳の中でまた新しい機能部位を見つけたんじゃ」

U所員「え、すごいじゃないですか!?それはどーゆー中枢なんですか!?」

教授「ひとよんで、"安い豚肉中枢"じゃ」

U所員「"豚肉中枢"!?」

<つづく>

朝の連載小説 超光速伝達物質 - ボラギノール <第二回>

教授「つまりじゃ、高度な抽象化能力を手にした我々人類はその進化の過程においてさらなる飛躍をしたんじゃ」

U所員「それが"安い豚肉中枢"ですか?」

教授「ふむ。」

U所員「しかし、抽象化能力は我々が言葉を思考の道具として手に入れた時点で既に獲得されたモノで、特に目新しさは無いと思うのですが・・・」

教授「そこがおぬしの思慮の浅さじゃ。つまり、我々人類は集団生活によって生きていくことを選択した代償として、他者とスムーズなコミュニケーションを図る能力を必要とされたんじゃ。しかし、それまで人類が獲得した抽象化能力や言語能力をはるかに凌駕したモノがコミュニティ維持には必要なんじゃ」

U所員「それが"豚肉中枢"なんですね」

教授「まさにそうじゃ!」

U所員「ということは・・・ま、まさかコレを飲めば・・・!?」

教授「ふふふ、やっと気づいたようじゃの・・・そう、コレは”非コミュ”の特効薬なんじゃッ!!」

U所員「な、なんだってぇエーーーッ!!?」

<つづく>

朝の連載小説 超光速伝達物質 - ボラギノール <第三回>

教授「つまりじゃ、どんなつまらない題材にも話題性を見出すのがコミュたちの特性、ということはそのどんなものにも話題性を見出す言語能力の中枢こと"豚肉中枢"を刺激・クロックアップすることにより、コミュと同じようにスムーズな会話が出来るようになり、もう「・・・」のような話題の枯渇に困ることはなくなるんじゃ!」

U所員「・・・ということは非コミュは"豚肉中枢"が不活性だと?」

教授「残念ながらワシの研究成果はそう述べておる」

U所員「では、このボラギノールはその非コミュ問題を一気に解決するわけですね」

教授「そういうことじゃ」

U所員「では、早速・・・、ってコレって動物実験とかは?」

教授「なんせ人間にしか効果が認められない物質だからの・・・代謝性では問題ないことは確認してるのだが」

U所員「では、今回も有志を募って・・・」

教授「いや、ここに既に良いサンプルがおる・・・」

U所員「まさか・・・今回も・・・」

教授「その、まさかじゃ」

<つづく>

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