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ジョブ理論

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
片付けるべきジョブ理論
相関関係でなく、因果関係






に、それらを生活に引きこむのである。ジョブ理論における「ジョブ」とは、進歩のために顧客が片づけるべきことを指している。顧客はジョブを解決するため、プロダクト/サービスを「雇用」するのである。


第1部 ジョブ理論の概要
第1章 ミルクシェイクのジレンマ
消費者による製品の購入を、「ジョブ(用事、仕事)を片づけるものの雇用」と見なす。
その製品が仕事を片づけてくれたら、次に同じ仕事が発生した場合に同じ製品を雇用する。
片づけてくれなければ、解雇。

第2章 プロダクトではなく、プログレ
顧客の目的は製品を購入することではなく、自分が進歩するためである。
製品ではなく進歩を売る
何をではなく、どう考えるか
顧客のジョブを理解するためには、機能面、社会面、感情面から考える。
ジョブを見極める
・短編ドキュメンタリー映画風に頭の中で撮影してみる。
①その人が成し遂げようとしている進歩は何か
②苦心している状況は何か
③進歩を成し遂げるのを阻む障害物は何か
④不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか
⑤その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義はなにか。また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か。
・ジョブは作りだすものではなく、見つけだすもの。

第3章 埋もれているジョブ
顧客の人生に寄り添う

第2部 ジョブ理論の奥行きと可能性
第4章 ジョブ・ハンティング
ジョブの見つけ方
・生活に身近な店を探す
・無消費マーケットをさがす
→その製品がなければなにも買わないマーケット
→見えない需要のマーケット
・間に合わせの対処策
・ネガティブジョブをさがす
→できれば避けたいジョブ
・意外な使われ方を探す
感情面も配慮する

第5章 顧客が言わないことを聞き取る
商品は購入されるだけでなく、実際に消費されないと雇用されたことにはならない。
・損失回避の心情
・たとえ不完全でも「知った悪魔」のほうが、知らないなにかよりもいい

〇顧客のストーリーをつくる(ストーリーボード)
 顧客のストーリーを組み立てるのは、そうすることによって、相反する力が顧客にどう働いているかを知り、ジョブの文脈を把握することができるから。
・昔は・・・
・毎日・・・
・あるとき・・・
・ああだったから、こうした・・・
・こうだったから、ああした・・・
・とうとう、私は・・・


第6章 レジュメを書く
ジョブの存在に気づいても、雇用までの道のりは遠い。
ジョブは顧客の立場から状況の組み立て
ジョブスペックはイノベーションの視点からのジョブ
ジョブスペックは解決策の要件であり、リストアップした後は、購入及び使用してもらうための障害物を取り除き、適切な体験を構築することができる。

・顧客が求める進歩と受け入れるトレードオフ
・打ち負かすべき競合
・乗り越えるべき障害物を明らかにする機能的・感情的・社会的な側面
ジョブの解決策は、中核のプロダクト/サービスだけで成り立つわけではなく、たとえ物理的な製品であっても「サービス」として捉えることである。

パーパス(目的)ブランドとは、顧客が重視するジョブと関連づけられるブランドのことである。

・社外の人にとっては、あなたの会社が何を体現してくれるのかを理解する指針となる。
・社内の人にとっては、意志決定と行動を導く指針となる。

ジョブの3層に適合した行動
1.ジョブの特定
・ジョブとは、ある状況下で求める進歩である。
・どのジョブにも、機能的、感情的、社会的側面があり、それぞれの重要性は文脈に依存する。

2.求められる体験
・3つの側面を踏まえ、ジョブ遂行に伴う体験を構築する。
・購入時、使用時の優れた体験が、顧客がどこのプロダクトを選ぶのかの基準となる。

3.ジョブ中心の統合
・ジョブのまわりに社内プロセスを統合し、求められる体験を提供する。
・ジョブと統合されたプロセスは模倣が難しく、競争優位をもたらす。

第3部「片づけるべきジョブ」の組織
第7章 ジョブ中心の統合
顧客のジョブを遂行する機能を中心に組織を統合することは、他社が模倣できない独自のプロセスとなり、競争優位の源となる。

ジョブ中心の組織に移行するためには、正しいプロセスを慎重に設定して統合し、正しく測定し、時間をかけてジョブを企業文化の中心に埋め込んでいく。
・ジョブを解決する体験を正しく提供するためには、新しいプロセスを慎重に定義し、複雑化している機能群を調整する。
・顧客が求める体験の最も重要な要素を問い、そのパフォーマンスを追跡する測定基準を定める。
・ジョブの解決の仕方は時間とともに変化するため、状況に応じて体験を改良していけるように柔軟性を考慮しておく。



第8章 ジョブから目を離さない
イノベーションのデータの3つの誤謬
1.能動的データと受動的データの誤謬
・規模拡大中の企業は、ジョブの複雑さを特色付けるデータ(受動的データ)を重要視しつづける代わりに、業務に関連したデータ(能動的データ)を生成し始め、見せかけ上の客観性と精密さに誘惑されやすい。
・これにより、企業は片づけるべきジョブより、プロダクトや顧客特性を中心とした組織に変貌してしまう。

2.見かけ上の成長の誤謬
・企業が大きな投資をする時、顧客に売るプロダクトの数を増やしたり、解決するジョブの種類を広げたりして、成長を勢いづけようとしがちである。
・見かけ上の成長は、中核のジョブを解決していくのとは正反対に位置する。

3.確証データの誤謬
・既存のビジネスモデルに合うようなデータをマネージャーが生成しようとする。
・自身の視点にとって支えとなる情報のみに注目し、ある種の確証バイアスのもとで動いている。
本当の意味で客観的ではなく、顧客のジョブを反映していない。

ジョブを重視した組織のメリット

1.意志決定の分散化
・明確な目的を共有し、意志決定を分散できる。
・組織の全社員が、ジョブにフォーカスした適切な決断を、創造力豊かに、自律的に下すことができる。

2.資源の最適化
・重要なことに資源を分配し、重要でないことから資源を解放できる。
・何がジョブにとって重要かに合わせて資源を配分でき、バランスをとることができる。

3.意欲の向上
・社員のやる気を引き出し、好きなことができるような文化をつくり上げられる。
・自分の仕事が、顧客の進歩につながっていることがわかる。

4.適切な測定能力
・顧客の進歩、社員の貢献、意欲など、重要な点を測定できる。
・ジョブを中心とした測定基準を求め、それで評価しようとする機運が自然に生まれる。

第9章 ジョブを中心とした組織
直観的な作戦ノート
両面コンパス
だいじなことを測定する
ジョブがすべてを変えた
文脈を見失わない

第10章 ジョブ理論のこれから


内容とは関係ないですが、ひさしぶりの依田さんの訳を読みました。何冊くらい監訳者をさせていただいたのか数えないとわかりませんが、監訳である立場を忘れてついつい一読者として読み進んでしまうくらいレベルの高い訳を提供していただきました。ついに監訳者を立てずに翻訳されることができるようになったのは上から目線で恐縮ですが非常に喜ばしいことです。