オーラが伝えるすべて

沢渡和がオーラやチャクラ、チャネリング等 スピリチュアルなこと全般についてお伝えしていきます。

自己組織性

やさしい本ではないし、安くもない。
しかも25年も前の1986年に出版された本。

大学時代はほぼ、「ここで何が書かれているのか」の理解を目指すのみで過ごしていた、と言っても過言ではありません。
社会人になってから今までの歩みも、もしかするとそうなのかもしれません。


私はこの本に出会ったことで、「学び」の本質的な愉悦を味わうことが出来ました。
当時世間ではバブルが始まり、日本人と大学生の多くはおバカになり、浮かれていました。
しかし幸か不幸か私はこの本に出会ってしまい、それまでの人生でもっとも勉強する時期を迎えてしまいました。

いえ、もちろん人並みに遊んではいたとは思うのですが、遊びと同じくらいに「学び」も愉しかった。


当時は海外に優れている学者が多いのだろうと思っていただけに、読後、とんでもない知性が日本にはいるものだと、自分の世間知らずな考えをあらためる契機ともなりました。

受験勉強などとは全くちがう、自由闊達で雄渾でありながら緻密に論理と直感と創造性を積み上げていくこと。
それが本来の「学び」なのだと、至極当たり前のことに気付けました。

そもそも「学び」とは、こうしたあり方でないと、自分の人生やひいては自分自身の「生き方」「社会や組織のあり方」に援用出来ませんよね。
つまり、自分を幸せにするための糧と出来ない。


ここで書かれていることは、

   論理の価値(帰納法・演繹法・解釈学)と限界
   人がする「意味づけ」について
   ゆらぎと自己変容のメカニズム
   新しい社会と自己生成の枠組み

といったところです。

こうやって書いてみると、なんだか私のセミナー内容のようです。
今でも知らずに影響を強く受けているのでしょう。



当然のように卒論もこのテーマに取り組んでいたのですが、面白いことがありました。

実家の向かいにお住まいの方が大学教授だったのですが、その方もこの本と格闘されていることが偶然に分かったのです。

「20回以上読んでみて、ようやく何が書いてあるか分かってきたよ」
と嬉しそうにほくそ笑んでおりました。
20回!?!?

私の父ほどの年齢の方です。
東大法学部を卒業されフルブライト留学生としてハーバートの大学院で学び経営コンサルタントをしたのち、大学教授をされていた方です。
私よりずっと賢いのに20回!!


その方の当時の研究テーマは
   「自己組織性と曼荼羅」


なんだか、私のセミナーのようですね。
あるいはボロブドゥール寺院そのもの。

私の卒論を見たいといいだしたので、ますます私は勉強せざるを得なくなりました。

「外資系で経営コンサルタントを数年して勉強したら、その後は独立して好きなように生きなさい」
そうアドバイスして下さったのもこの方です。

自己組織性は、最新の宇宙論でも主要テーマのひとつとなっています。

自己が自己の変容を促していくうえでの「キー概念」なのでしょう。
たぶん。

年末年始、こうした少し骨の折れる本と格闘してみるのも、私たち自身の拡張につながるかもしれません。


以前ご紹介した本はこちら。
お薦めの小説




  Art Swing MAMIさんの 『花 –フラワーオブライフ-』