ユニバーサルデザイン・工芸研究会 平成25年度 第1回講習会

昨日、静岡県工業技術研究所において、25年度の総会と講習会が開催されました。

今年度の第1回講習会は下記の内容でした。

* 工業技術研究所の利活用

  UD科:多々良科長、工芸科:佐野科長
まずは、工業技術研究所の使用可能設備や研究内容などの説明がありました。今年度新たに配備される設備などの紹介もありました。



* 平成24年度・人間工学実践マラソン報告会

これまで2年間にわたり、日本人間工学会様からの人的支援をいただき、本研究会の会員企業に商品開発に関する直接指導を実施してきました。
その参加企業4社から、各社の開発内容のプレゼンテーションがありました。
  (株)マック 鈴木さん  :サッカー審判員の指導プログラムと評価
  (株)丸井商事 井木さん :円背の高齢者用のまくらの開発
  (株)タイカ 那須野さん :ランニングシューズのクッショニング評価
  (有)京和工業 阿部さん :脳梗塞のリハビリ器具開発
  
各社への指導内容はそれぞれ異なりますが、ユーザビリティの評価方法や人体や人の意識に関連した人間工学的な内容が主になっています。
参加メーカーは、物づくりに関してはプロですが、商品作りの様々なプロセスにある多くのハードルをどうやって乗り越えるのかが重要なのです。
  
今回最後に発表された京和工業さんは、このたびの開発で、なんと人間工学会のグッドプラクティス賞を受賞する快挙を成し遂げ、晴れやかな発表となりました。この発表会を聴きに来ていただいた人間工学会の先生方からも高い評価がありました。



これが開発された運動器具「かたらい」です。

6年前脳梗塞で倒れた社員さんのために製作した器具を様々な改良を加えて一般化した商品です。当然リハビリの専門的な知識が必要になるのですが、これらの指導を先生方からいただき、より高度な製品に昇華されました。

最後は人間工学会委員の(株)イトーキ 中央研究所 Ud&Eco研究室 室長 八木佳子氏による、
* 「いすのキホンと木材活用に関する最新の取り組み」の講演でした。


イスの専門家でもある八木先生の「いすのキホン」では、人体と椅子との非常に深い関係を図を用いて判りやすく解説するという興味深いものでした。


男女の体格や好みの違いにより、椅子のキホン部分が実は異なる事を学びました。


木材活用では、これまでの多くの知見に加え、イトーキさんが取り組んでいる水源地をブランド化する取り組みなどの紹介があり、単に木材の使用方法だけでなく、そのコンセプトにも独自の考えを加える必要を感じました。

  

これから一年間、様々な活動計画を立てて研究会は活動していく事になります。
私もこの会から多くの事を学び、よりよい住宅を目指していきたいと感じています。

ヤギモク 遠藤