猛暑と勉強
8月も終わろうとしてるが、猛暑は続く。
エアコンの効いた部屋で勉強をしようとも、集中が続かない(笑)
心機一転、僕は新たなスタートをきります。
麻酔の勉強も再スタート。ブログをはじめたキッカケはTEEであるため、その勉強も再スタートしました。
はるか昔にやった原理はほぼ忘れており、その勉強も苦行に近いが、、。
なかなか理解し難い内容は、とにかくスピードを保ってすすめる。そして繰り返す。それが結果、近道にもなりうる。
新年
あけましておめでとうございます。
なかなかブログネタに事欠く私ですが、細々と続けます(笑)
動脈圧
動脈圧が低いととにかく心配になる、多くの麻酔科医に共通する感情でしょうか。
確かに動脈圧が低いと、冠血流やその他臓器血流に懸念があるだろうし、圧を保つことでいい管理をしていると思いたくなるだろう。
ところが、圧が正常値だからといって、十分な流量(Stroke volumeやCardiac output)があることを何ら保証してくれない。
むしろ圧が維持されているように見えても、心臓が対応できない後負荷のために流量が保てていない可能性もある。
心臓はエネルギーを産生し血液を全身に送り出している。そのエネルギーを伝搬しながら血液を伝えていくのが血管で、血管からの反射波がまた心臓に帰ってくる。心臓と血管は切り離せず、VA couplingの意味するところである。
この意味を考慮すれば、何でもかんでもフェニレフリン、ノルアドレナリン持続投与をしようとは思わないはずである。
CPB離脱とカテコラミン
人工心肺離脱の際、カテコラミンを使う麻酔科医が多いことと思う。
私が見てきた人の多くは「とりあえず始めて、心臓の収縮がよくなったら減量。」というスタンス。
果たして、それは本当に必要だろうか?
β受容体刺激によってcAMPが上昇し、筋小胞体からCa2+遊離を促進することで心筋収縮力が増強する。同時にcAMPはトロポニンCへのCa2+の結合率を低下させてしまう。またCa2+レベルの過剰は心筋障害的に作用する。
PDEⅢ阻害薬はβ受容体を介さないものの結果としてCa2+レベル上昇による収縮性上昇をもたらすため、同じ結果となりうる。
事実、強心薬の使用は予後を悪化させることはあっても良くするという結果は見いだせていない。
術前のリモデリングの評価が重要であり、個々の症例で判断は変わるが、「必要時にに使用し、状況が良くなれば漸減、中止する」というのが重要ではないだろうか?
もちろん心臓外科手術では、術前の心不全状態、心筋保護液使用、CPB使用による反応などの要素も加わるため、やむを得ず使用しなければならない状況も出てくる。
一概に答えは出せないが、いかにWall stressを意識しながら収縮性を評価できているか。そして臓器循環に十分なOutputを出せているか。心臓エネルギーの観点から効率性まで意識できれば理想だろうと思われる。
臨床的にはエコーによって形態を、カテーテルなどによって圧を評価し判断する。1点だけで判断するのは容易でなく、トレンドや介入による変化をつぶさに観察する姿勢が重要である。
結局答えを出せていないが(笑)
日々の地道な観察が、その判断の習熟をもたらすと信じて、、
Wall stress
循環器内科にかかわらず麻酔科医にとっても必要な視点、「壁応力」。
非開心術における麻酔でも、特に心疾患合併患者では常に意識すべき観点であるが、はたしてどれだけの人が意識できているだろうか。甚だ疑問である。
複雑な心機能、心臓力学を把握することは容易ではないが、意識せずしていい管理はできないと思うし、次に活かせないだろう。
またボヤきが始まった、、、
TEE
久しくTEEの勉強をしていないため、レベルは下がっているだろう(細かい知識という点で)。
結局、診療に足るDecision makingが重要なのであるが、麻酔科医の技量だけでなく、心臓外科医にもそれを受けての理解がなければ成立しない。というより本来の目的を達し得ない。
非常に当たり前のことであるが、必ずしもみんなが理解できてるわけでもない。
僕が時々虚しく感じる所以である。