tanu nemo

2016-11-28

「スカーレット・ピンパーネル」と「メトロポリス」

| 14:39

スカーレット・ピンパーネル」東京国際フォーラム
原作:バロネス・オルツィ
脚本・作詞:ナン・ナイトン
作曲:フランク・ワイルドホーン
潤色演出ガブリエル・バリー
演出補:石丸さち子
出演:
石丸幹二安蘭けい石井一孝平方元基佐藤隆紀矢崎広、上口耕平

1789年フランス革命後、元貴族らが次々と処刑されていく。
イギリス貴族のパーシー・ブレイクニーが仲間と共に「スカーレット・ピンパーネル」を結成し、貴族という肩書きだけで断頭台に登らされる人々を救おうとする。

マルグリット・サン・ジュスト安蘭けい)は劇団コメディ・フランセ―ズ所属の女優で、引退してパーシー(石丸幹二)の妻となりイギリスに渡る。マルグリットの弟でピンパーネル団に加わるのがアルマン・サン・ジュスト矢崎広)。
元貴族を断頭台に送っている人間がロベスピエール。それにサン=ジュストが登場とくれば、ベルばらを読んだ人ならその名前を聞いただけでこの舞台が観たくなるでしょう。しかも脇を固める俳優さんに矢崎広、上口耕平、相葉裕樹が名前をつらねていたので、迷わず速攻チケットをゲット。とは言っても本公演はスケジュールが合わず、凱旋公演となった東京国際フォーラムの初日を観てきた。

観た人で、私の目的が「矢崎広、上口耕平、相葉裕樹」の3人だったと言えば、どれほど残念な舞台だったかわかってもらえるだろう。
主役3人(石丸幹二安蘭けい石井一孝)のソロばかりで、後の登場人物はほとんど台詞も少ないし、歌も若干のコーラスと、1小節か2小節ぐらいしかソロで歌うシーンがなく。若手とは言っても他の舞台では主役級の俳優たちなのにアンサンブル扱いで、さらにアンサンブルの人達も沢山出てくるので、人が多くて、私が観たい人たちが埋もれてしまっていた。
わかってたら行かなかったよ…

原作「紅はこべ」は読んだことはないのだが、私の好きなマンガ「マリーベル」(上原きみこ)も、「紅はこべ」を読んだことがきっかけで描かれたもので、内容も「スカーレット・ピンパーネル」と似ていた(「スカーレット・ピンパーネル」自体「紅はこべ」とは相当違うらしい)ので、内容的には面白くはあったが、とにかく、石丸幹二オンステージみたいなミュージカルで、うんざりしてしまった。


メトロポリスシアターコクーン
原作:テア・フォン・ハルボウ「新訳 メトロポリス」(中公文庫
演出・美術:串田和美
出演:
松たか子森山未來飴屋法水佐野岳、大石継太、趣里、さとうこうじ、
内田紳一郎、真那胡敬二、大森博史、大方斐紗子串田和美

1926年ドイツで制作されたモノクロのサイレント映画メトロポリス」(監督:フリッツ・ラング)の小説版を元にした舞台。映画は未見。舞台行く前に買って観ようと思っていたのだが、結局買わず;;、あらすじだけ読んで観に行った。
近未来都市メトロポリスを支配している男の息子である森山未來が、メトロポリスの地上の繁栄を地下で支えている(人間として扱われていない)労働者たちの存在を知り、彼らを解放しようとする。

映画は制作時から100年後のディストピア未来都市を描いているのだが、映画が制作されてから90年経っているので、1926年から見た「メトロポリス」に、今、近づいているのかも知れない。舞台はそういう考えが多少あって、それが盛り込まれたような演出がされていた。
出演者の中で、飴屋さんと串田さんの2人は基本的に「メトロポリス」の人達との絡みが全くない。途中途中で出てきて、ちょっとした台詞みたいなもの?を言う。飴屋さんが犬で渋谷ハチ公らしく、現在の渋谷を犬目線(というか飴屋さん目線?)でどう見えるかを客席に向かって話しかけていた。
観ていて、この飴屋さんのポジションが芝居の中で何なのか、全くわからず。飴屋さんと串田さんが登場すると、そこでメトロポリスの話も途切れるので、物語も断続的になって繋がってこないし、メインストーリーの軸部分の大半が森山くん以下ダンサーによるパフォーマンスにゆだねられているのだが、その動きがとても複雑で(この動きの部分を文字に起こすのは私の能力では出来ない〜〜;;)。
メトロポリスでは最後、洪水が起こるのだが、串田さん&飴屋さんの居る現在にも洪水が起こり、全てが流されてしまったというところで、メトロポリスという芝居の中で演じられたいた都市が実は現代の渋谷でもある、すでにこの物語は近未来ではなく現代なのだ、と一筋のつながりがわかったところで舞台が終わったw

観ていた時はどこか置いてけぼりをくったような、全然理解出来ない…と思った舞台が、観終わり振り返ってみて、なるほどそういうことを言っていたのか、とわかるシーンが多々。2回取っておけば良かった…と久しぶりに思った、難解だけど面白い舞台だった。

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