2010-10-29
生命保険の基本1
生命保険は、もしもの時の生活の補助として考えることが生命保険の基本とされています。
闇雲に大きな保証を求めたり目先の事柄に対応しようとすることは、
生命保険の基本概念から外れてしまうことになります。
日本人の生涯に支払う金額の中で、住宅費の次に位置しているのが生命保険です。
ご自身の生活設計の大切な要素ではありますが、
無理な生命保険の加入は逆に健全な生活を阻害することにも繋がる恐れがあります。
以前、販売されていた国内の生命保険は、保証の組み合わせを少し変化させることで、
違う生命保険に見せていましたが、本質的には殆ど同じ生命保険でした。
しかし、現在販売されている生命保険は、大変種類も多くなり選択を誤ると、
肝心な時に期待した保証が得られない場合も有り得るのです。
そのために、生命保険の仕組みを正しく理解することが、
賢い生命保険の選択に必要な要素と考えて下さい、また生命保険は銀行預金では有りません。
以前は高い解約返戻金をセールスポイントにしていた生命保険会社も有りましたが、現在では見掛けません。
生命保険の基本2
生命保険は大きく、次の3つに分類出来ます
1.終身型生命保険
2.定期型生命保険
終身型生命保険は、加入する期間の制限がなく、保険掛け金が変わらない生命保険であり、
生命保険の基本と言える保険です。
定期型生命保険は、決められた期間に適用され更新も出来ますが、
掛け金はその度に高くなる掛け捨て型の生命保険です。
特徴としては、終身型生命保険に対して支払保険金額を比較すると受取金額は、
通常7倍前後の金額に設定されています。
特定疾病型生命保険は「がん保険」などに代表される特定の疾病に特化して保証をする保険で、
対象期間に長期保証の商品を加え、入院と手術保証を大きく設定出来るのが特徴です。
また、資産運営事態が異なる生命保険として、バブルの時期に外資系の生命保険会社が持ち込んだ変額保険があります。
この生命保険は、決められた資産運営先を顧客が選択する生命保険で株式運営が主になっていました。
そのために受取保険金額が運営状況によつて変動する生命保険となっています。
米国での変額保険は、メインの生命保険の補助的な2番目の生命保険として販売されている商品であり、
リターンも期待できますが、同時にリスクも存在することを理解して検討する生命保険です、
変額保険を生命保険設計のメインにすることはお勧め出来ません。
生命保険の基本3
生命保険の会社は、集めた保険掛け金を運用しなければ会社の経営が成り立ちません。
しかし、生命保険会社が倒産すれば社会的な不安を招くことになるとの理由から、
以前は、大蔵省が資金運営と経営内容に関し、
生命保険商品の開発から発行するパンフレットまでも許可対象としていた程、厳しく規制をしていました。
そのため殆どの生命保険会社は、国債とか大手企業の株のような安全な資金運営を行っていたのですが、
バブル期の運用益の競争により、多方面への運営先への変更が進みました。
しかし、バブル期の終了に伴う株価の下落と外資系の生命保険会社の進出などにより、
国内7社の生命保険会社が破綻する結果となりました。
その後の生命保険業界は、損害保険との相互参入や生命保険商品の自由化により、
大変複雑な商品構成となり、現在では生命保険であればどれでも同じではなく、
個々の生活設計と現状とを考慮して、上手に選択することが求められる時代になっています。
特に生命保険会社の財務内容は必ず契約前に確認する必要があります、
その時に役立つのが「ソルベンシーマージン比率」という生命保険の会社の経営指標です。
各々の生命保険会社は、ホームページに数値を公開していますので確認して下さい。
一般的には200%以上ならば良いとされていますが、飽くまでも参考数値であり絶対的なものではありません。
前年度との比較で急激な数値の悪化は考慮する要素です。
参考例として2009年3月末現在の生命保険会社の上位2社と下位2社のソルベンシーマージン比率を示します。
<上位2社>
1 位富士生命保険 3240.7%
2位ネクスティア生命保険 2798.7%
<下位2社>
38位T&Dフィナンシャル生命保険 643.4%
39位朝日生命保険 608.0%
生命保険の具体的な検討1
生命保険の終身型と定期型及び特定疾病型とを選択することから始めます。
生命保険は、年が若い程保険掛け金は低くなりますので、
年齢が若ければ終身型生命保険は優位性が高くなります。
しかし受取金額が50年後で適正な金額なのかは、インフレとかデフレのような社会情勢が未確定なので、
正確には誰にも分かりません。
生命保険販売員が良く示す数字は、当然予測値であり悪い数値は出しません。
繰り返しになりますが、今、日本はデフレです、しかし将来に渡ってデフレが継続するとは予測出来ず、
それではインフレがどのように進むのかも正確に予測出来ません。
この様な不確定な社会情勢の時は、
最低限の保証を確保するためにどの様に考えるのかが適切な生命保険選びのポイントになります。
独身であれば、将来結婚してお子様を何人養育されるのかで金額は変化します。
そこで生命保険の掛け金を具体的に比較してみます。
<23歳の男性の場合>
終身型生命保険
保証額1,000万円(解約返戻金70%の設定)の場合で、毎月の掛け金は13,000円前後です。
定期型生命保険(掛け捨て)
補償額500万円 入院日額保証5,000円 期間10年の場合で、毎月の掛け金は2,600円前後です。
入院保証1日5,000円、手術保証20万円、退院手当5万円、先進医療保険はなしの場合で、
毎月の掛け金は1,900円前後です。
(保険の掛け金は飽くまでも参考として下さい、実際の掛け金は保険会社によつて異なります。)
生命保険の具体的な検討2
タイプの違う生命保険を、他社との差別化を図るために生命保険会社は、
組み合わせを変えて販売しているので分かりづらいのですが、別けて考えると難しいことではありません。
注意したいのは、特定疾病型生命保険は第3分類の生命保険と言われ、
外資系の生命保険会社が得意としていた生命保険で「がん保険」などに代表される特定の疾病に対する生命保険です。
基本的には掛け捨ての生命保険ですが、終身型の商品もあり生命保険契約高が減少している現在でも、
保険契約の件数が伸びている商品です。
年齢が若い人が加入し継続していると、掛け金が変化しないので、
年齢が高くなった時点で比較的に低い毎月の掛け金で、
入院と手術に対する保証金額が大きいのが特徴の生命保険ですが、万一の時の補償金額はありません。
本来損害保険からの派生商品として販売している生命保険と考えて下さい。
最近販売され始めた「女性保険」も同一の商品ですが、満期に返金するなどの工夫をした商品も有ります。
以上が、基本となる生命保険の説明ですが、
必ず生命保険販売員が進める「特約」と言われる付加商品について説明をいたします。
殆どの場合検討するべきです。販売の促進のために付け足せる設定となっていて、
加算される掛け金は殆どが低く設定されています。
特に終身型生命保険の場合は、説明を求め検討する価値が有ります。
飽くまでも付加商品でありメインの保険をしっかりと検討した上で検討する生命保険だと思います。
生命保険の具体的な検討3
生命保険契約の内容の検討例を参考として次に示して見ます。
(1)終身型生命保険を、長期的な保険の柱として考え無理のない支払に押さえる。
(2)特定疾病生命保険は、年齢が若い時期に加入すると有利な保険が多いので終身型生命保険と組み合わせて考えます、ただし、毎月の支払が長期に渡って継続出来る範囲とします。
(3)定期型生命保険は、終身型生命保険と特定疾病生命保険との補助として融通性を高く持つ契約を選ぶ。
例えばお子様の成長に合わせて教育費の掛かる年齢には保証額を高くし就職年齢に成れば補償額を低くする等です。
結論
20代独身の場合
終身型生命保険を1,000万円として特約から入院給付は必ず付加し、
別に特定疾病型生命保険の長期(出来れば70歳か終身)の条件の良い保険会社を選ぶ。
結婚したら定期型生命保険を加え、子どもが独立したら解約します。
生命保険の基本は安定的な物とし、変化する社会情勢と、
ご自身の環境の変化に出来る限り対応し易いことを目的して構成すると、以上の例になります。
現状では、終身型生命保険と疾病型生命保険の会社は、別々の方が有利の場合があります、
同じ生命保険会社にこだわる必要は無いと思いますので慎重に選択して下さい。
生命保険会社のホームページ
情報の開示が会社の継続に必要不可欠なことと、営業コストの削減のためだと思いますが、
このホームページの中で、生命保険掛け金を自動的に計算して表示している会社と、
そうではなく、資料請求に誘導している会社があります。
今時資料請求に誘導するホームページを持っている生命保険会社は、古い体質を変えられていないと思います。
情報開示に消極的な体質では、とても日本の1,400兆円の金融資産の争奪戦に勝ち残れるとは思えません。
生命保険が成立している国は、先進10カ国しか存在してなく、
その内、日本・米国・英国の3カ国で契約高の67.3%を占めている意味を正確に理解していないのだと思います。
日本の生命保険業界の光と影を象徴する事柄だと言えます。
生命保険業界の現状1
(5)生命保険業界の現状
生命保険の特徴と注意点を述べて来ましたが、
生命保険のことを理解するためには生命保険業界の概略を理解する必要があります。
日本の保険業界は国策で運営されていました。
戦後の寡婦になられた女性の就職と国費の充実が主な目的とされています、
これは特別な難しい資格が無くても生命保険の販売を可能にするためでした。
また人はすぐには死にませんので集めた保険掛け金は、
国債や大手企業の株の購入に当てられ産業の復興に寄与してきました。
しかし自由化の波は生命保険業界にも及び、紆余曲折が有りましたが保険の自由化が実現し、
損害保険と生命保険の垣根が日本でもなくなる結果となり、商品の開発の自由度も大きく広がったのです。
しかし今までの販売方式を変更する必要が発生しているにも係わらず、
生命保険業界の対応に問題が有ったことから、プロの販売員の養成が進まず、
生命保険の販売が商品の多様性に追いつかないのが問題の本質だと思って下さい。
現実に新しく開発された生命保険は、殆どが損害保険からの派生商品なのは、
以前の生命保険の分野では、新しい商品開発が出来ない分野だったことを表しています。
生命保険業界の現状2
米国での生命保険の販売は職業として高く評価されている職業です、
販売員は代理店として保険会社と契約をする場合が殆どで、
それなりの資産がないと生命保険会社との契約が成立しないのです。
また生命保険契約がずさんだと生命保険会社から損害の賠償を求められる場合もあるために、
単純に保険契約高を上げれば収入が増える形式になっていません。
生命保険の販売には、契約する対象者の経歴、職業、年齢などを調べ、
契約者のオリジナルに近い生命保険契約を作成し提案する方式です。
駐留米軍を見てみると、良くオートバイに乗っている兵士を見掛けますが、
独身でなければ例外なく離婚をした兵士です、
何故なら相手が必ず生命保険の加入を結婚の条件とするので保険に加入しなければ結婚は出来ません。
しかし離婚をすれば生命保険に加入する必要がなくなりますので解約してバイクに乗っているのです。
バイクに乗ると生命保険の掛け金は何倍にもなるので、結婚するとバイクには乗れないからです。
販売員は生命保険契約にバイクでの事故の補償はしないと明記した契約を条件とします、
このように個々の契約に条件を設定して生命保険契約を締結しているのです。
これを日本ではファイナンシャル・プランナーと呼称して養成しようと形式上は取り入れましたが、
残念ながら殆どの生命保険会社では、
現在でも毎月の営業ノルマを販売員に課すことを止められていないのが実情なのです。
実は日本は生命保険大国としてアメリカ・英国・フランスなどの生命保険先進国に認識され、
多くの生命保険会社が参入し販売競争をしている国でもあります。
今後も生命保険の商品は複雑になっていくと思われる中で、