学校図書館は教員の支援を考えてみたらいいんじゃない
※ここで言う学校図書館とは、中学・高校の図書室を念頭に置いています。大学等の図書館のことではありません。
※この問題については詳しく調査した訳ではないので、ほとんど放言です。
※以下の話にあてはまらない図書室も多くあるでしょうが、そういう図書室はスルーでいきます。
学校図書館がマトモに機能していない学校があるようです。
はっきり何処と名指しはしませんが、蔵書は適当に買い集め、ほとんど利用されていない。古くて蔵書価値のない本も蔵書点検がろくに行われないのでどんどん溜まっていき、書棚を占領している。当然、そんな書棚から見る価値のある本を探すのは至難の業。そんな状況だから一部の読書好きの生徒しか寄り付かず、司書の先生はヒマを持て余している……。
特に名指しせずとも、よくある感じはします。
そんな中、そんな状況の図書室ではダメだと考える先生も出てきます。何とかして図書館を有効活用し、生徒に沢山利用させて生徒の人格と学力を涵養し、できれば高大連携なんかも行って本学の目玉にしたい――
そういうモチベーションの元、読書週間を設定したり図書館だよりを発行したり、カード目録からOPACへの切替を検討してみたりします。
でも只でさえ教員は激務。そんな中での読書奨励策は大体うまくいかず、生徒の反応が薄かったり、他の教員の理解が得られなかったり、お金がなくてコストの問題にぶち当たったりして挫折することも多いでしょう。
そんな状況でお悩みの先生がいらしたとしたら、生徒への支援を一旦ちょっと脇に置いて、ご自分が楽になる道を探ってみるのはどうでしょう?
というのが今回の趣旨です。
学校図書館は生徒のためだけにあるんじゃない
たとえば世の先生で「教材研究をするヒマがない」と悩んでいる方は多いでしょう。そんな時、図書室の司書に世に出回っている参考書や教材を一通り入手しておいてもらい、リスト作成の上、該当する箇所に付箋でも貼って自分の机の横に積んでおいてもらえれば、それだけでも随分楽になるんじゃないでしょうか。
また調べ学習やレポート課題は、事前に図書室にテーマを説明しておき、必要な資料を一通り見繕っておいてもらうのもいいでしょう。「レポートの書き方」系の本をそろえてもらうことも忘れずに。資料検索や活用に関する質問は、図書室に一任してもいいかもしれません。
難しい進路指導や生徒のモチベーション向上についても、図書室に協力してもらい「13歳のハローワーク」や「なるにはシリーズ」のような本を集めたミニコーナーを設置して、成績の話になりがちな通常の進路指導のサポートをしてもらうと、生徒のモチベーションも少しは上がって指導もしやすくなるかと思います。
更に生徒や父兄への接し方、場合によってはクレーム処理や法的な対処の仕方についても沢山の資料が出回っています。想定される問題ごとに、その対処に関する資料を事前にまとめておいてもらったら助かることも多いと思います。
加えて、学校経営や学級経営、指導技術についても沢山の本や雑誌、セミナーが次々と出版されています。そういう情報は普段の激務に追われなかなかキャッチアップできないでしょうから、司書にお願いして情報を探してもらい、すぐに目が通せるよう定期的にA4一枚程度にまとめたサマリーを作ってもらうと幸せになれます。これは司書をRSSリーダーとして活用する提案です。
学校図書館にない資料、または高額で買えないような資料については、地域の公共図書館と交渉して利用させてもらうのも一つの方法です。学校図書館にはそういう場合の交渉窓口になってもらうのもいいかもしれません。
司書教諭も司書のうちです。司書ならば相手が生徒じゃなかったとしても、情報検索や活用のお手伝いをしてくれるはずです。それに学校図書館が自分たちの仕事を楽にすると気づいたら、他の教員の協力も得やすいでしょう。
図書室の活性化を考えるなら、まずは先生方が図書室を活用している姿を生徒さんに見せてみてはいかがでしょうか。