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萩尾望都の漫画「メッシュ」

メッシュ 全3巻完結 (文庫版)(白泉社文庫) [マーケットプレイス コミックセット]
メッシュ (1) (白泉社文庫)メッシュ (2) (白泉社文庫)メッシュ (3) (白泉社文庫)
メッシュ I  萩尾望都Perfect Selection 4 (フラワーコミックススペシャル)メッシュ II  萩尾望都Perfect Selection 5 (フラワーコミックススペシャル)
この漫画は初めて読んだ。
作者の歴史的にどのあたりに位置するかウィキペディアで見ると、
「プチフラワー」1980年夏の号 - 1983年5月号
とあった。
ちなみに直近では有名なSF作品を連載していた。
以下の作品である。
・「百億の昼と千億の夜」が「週刊少年チャンピオン」1977年34号 - 1978年2号
・「スター・レッド」「少女コミック」23号 - 1979年3号

そのあたりを考えると「メッシュ」は転換期の作品といっていいのかもしれない。
この時期からこの作家は「プチフラワー」を中心に作品を発表していったようだ。

私は少女漫画はほとんど読んでいないが、今にして思うと「ぶ〜け」「プチフラワー」に連載していた有名な漫画家の作品は単行本で読んでいた。
2誌の少女漫画誌における位置はどのようなところにあったは、まったく意識することはなかった。
だが、ウィキペディアで連載作家のリストを見ると、男性も読む少女漫画が多く連載されていた漫画誌なのだということがわかる。

「メッシュ」は物語の進行で読ませる作品ではなかった。
満たされない心を抱く少年の心の揺らぎや迷い、ちょっとした喜びの描写を連ね、そこにかもし出される独特の味わいを楽しむという作品だった。

私はプチフラワーを中心に描いていた森脇真末味という漫画家が好きだったのだが、なぜか「メッシュ」を読んでいて森脇作品のことを思い出してしまった。
萩尾と森脇では、はっきりいって絵柄も題材もかけ離れている。
だが、「メッシュ」を読んでいて話法、世界観に関してプチフラワーで連載されていた森脇作品「ブルームーン」に通じるものを感じてしまった。
時期的には萩尾作品の方が早いので、森脇は「メッシュ」を読んで何か感化されたのだろうか。

まあ、そこまでのことはないのだろう。
もしかすると当時の「プチフラワー」に共通してあったある種の時代の空気感が両作品にあるのかもしれない。
ただ、「プチフラワー」の読者ではなかった私にはそのことはわからない。
要は「ブルームーン」という漫画が私には強く心に残っているということなのだろう。

作品内容の説明は省きます。

感想にもなっていないが、以上。