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萌え理論Magazine

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「萌え理論Magazine」はイラスト・小説・記事など幅広い共同執筆型ブログです

2007-05-21

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45


 これでお兄ちゃんはあたしのもの……。

 あたしのものだよ。

 ごめんね。

 会いになんて来れないよね。

 だって、会ったらばれちゃうもん。

 全部、最初から知ってたよ。

 あたしが最初にお兄ちゃんを見つけたんだよ。

 お兄ちゃんはあたしにメールなんて出してない。

 だってあたしは、メル友募集なんて書き込んでないんだもん。

 あたしは全部見ることが出来たの。

 すぐわかったよ、お兄ちゃんだって。

 チバなんて名前付けて、お兄ちゃんらしいよね。

 お兄ちゃんがあの人やっつけてくれて、あたし嬉しかった。

 お兄ちゃんはずっとアイリの味方だもんね。


 お兄ちゃん。

 ずっと嘘ついててごめんね。

 大好き。

 ――大好きだよ、お兄ちゃん。



 終


2007-05-14

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44


 アイリは僕が守る。

 三年前のあの時、守ってやれなかった。

 だから仇をとってやった。

 今回も同じ。

 僕が、すべてを解決する。

 僕がアイリを守る。

 アイリを傷付ける者は、絶対に許さない。

 許さない。


2007-05-07

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43


「……チバ?

 チバって根岸線なんだよね?」

「アイリ!!

 どこにいたの!

 大丈夫!?」

「そんなのいいからー!

 根岸線だよね?」

「そうだけど……。

 アイリ、大丈夫なの?」

「あってたー」

「アイリ?」

「来たよ」

「来た?」

「チバんちの近く」

「近く?」

「うん」

「どこにいるの?」

「駅……かな」

「駅? どこの?」

「ないしょー」

「どこにいるの?」

「内緒なのー!」

「アイリ?」

「………」

「………」

「ごめんね。

 アイリ、もうダメかもしれない……」

「アイリ?」

「ごめんね……」

「………」

「………」

「ねぇ、アイリ。聞いて。

 僕、好きな子と一緒にしたい事があったんだ」

「……どうせ、えっちい事でしょ?」

「チバさんはそんなキャラではありません」

「チバは、思いっ切りそういうキャラだよね」

「一緒にね、二人きりで月を見たいんだ」

「――月?」

「そう。

 誰も来ないビルの屋上から、月を眺めるんだ。

 アイリと僕と、あとは猫でもいればいい。

 誰かに呼ばれても、下で何が起きても僕らには関係ない。

 いっぱいバカな話をするんだ。

 小学校の時した告白とか、度胸試しで飛び降りた堤防とか、二人乗りの自転車で行った冒険とか。

 猫を抱いて、アイリの手を握って、月を見上げながら色んな話で笑うんだ。

 それだけだよ。

 アイリ。

 きっと悪いことなんてどっか行くよ。

 アイリ……。

 月が綺麗だよ」

「………」

「……アイリ?」

「うん……すごく、綺麗」

「………」

「チバ?」

「うん?」

「……あたしね、いつも自分じゃない感じがするの。

 あたしじゃなくて、別のアイリって子がいるんじゃないかなって。

 その子が悪い子なの。

 あたしとは違うの」

「………」

「でも、そう思いたいだけかもしれない。

 あたしはアイリで、アイリはあたしなんだよね」

「………」

「ねぇ……チバ」

「……ん?」

「あたしもね、一緒に行きたいとこあった」

「行きたいとこ?」

「うん。

 あたしのね、昔住んでた町」

「………」

「チバと一緒に……暮らせたらいいな」

「僕と? それはやめといた方がいいよ」

「そんな事ないよ」

「そんな事あるよ」

「チバじゃなきゃヤなんだよ……。

 嬉しくないの?」

「そりゃ、嬉しいけど……」

「きっと生きていけるよ。

 家なんかなくたっていいよ。

 車で寝ればいいよ。

 無理なら誰か泊めてくれるよ。

 いつか、チバと一緒に行きたいな。

 海とか見るの。

 寒いから見るだけね。

 あたしの小学校、たんぼの真ん中にあったんだよ。

 信じられる?

 神奈川って、いなかなんだね。

 夜中にふたりで忍び込んで、あたしの教室を見てまわるの。

 廊下とか、手をつないで歩くんだよ。

 ここが好きだった音楽室とか、ここで告白されたとか、話しながら歩くの。

 渡り廊下を抜けて校庭に出たら、鉄棒したり、ブランコ乗ったりするんだ。

 ここには子猫を埋めたとか、この木に登ってたら友だちが落ちたとか。

 バスケの大会が終わったあと、あたしだけ泣けなくてクラスの子に囲まれたことや、水泳大会に生理で出れなかったこととか話すんだ。

 校庭のまんなかでキスしてほしいよ。

 チバ、ずっと一緒にいてよ」

「……アイリ」

「うん」

「大好きだよ」

「うん……」

「………」

「眠いな……」

「アイリ……」

「あたし、そろそろ寝るね。チバ」

「……うん、ここにいるよ」

「終わりって、こういうのなのかな?」

「……わからない。

 終わりなんて、あるのかな?」

「きっと、これが……終わりだよ」

「教えてよ、アイリ」

「チバ、大好きだよ……」

「教えてほしいよ、アイリ」


2007-04-30

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42


「……チバ、げんき?」

「アイリ!」

「ん?」

「大丈夫なの!?」

「アイリは大丈夫だよ。

 チバはおかしくなっちゃった?」

「僕は……元気だよ」

「そっかー。今日もひきこもってた?」

「アイリ、今どこにいるの?

 これ、外?」

「うん」

「ちゃんとあったかくしてる?」

「うん……」

「アイリ?」

「チバ……」

「どうしたの?」

「……ごめんね。

 あたし、人を殺しちゃったかもしれない」

「―――!!」

「ごめんね……」

「どうして……?」

「だって……最悪だったんだよ?」

「………」

「逃げたかったの……」

「……うん」

「部屋にあった薬、ぜんぶお酒の中に入れたんだ。

 そのガイジン、もうイっちゃってたからふつうに飲んだよ。

 そしたらベッドに倒れこんで動かなくなっちゃって。

 すごい汗かいてた。

 なにか吐いて震えだして。

 怖くなって部屋から出たの」

「そっか……」

「ごめんね、チバ……」

「………」

「ごめんね……」

「………」

「………」

「なぁ、アイリ、遊園地行こう!

 ジェットコースター乗ったり、ソフトクリーム食べたりしよう!」

「……チバ?」

「観覧車も乗るよ!」

「観覧車?」

「そう! ポップコーンとか食べながら一緒に遊ぶんだよ!」

「……楽しい?」

「当たり前じゃん!

 一緒にお化け屋敷で走り回ったり、メリーゴーランド箱乗りしたりすんだよ。

 超テンション高いよ?」

「チバ、アホだもんね」

「チバはかしこい大人です」

「それは間違ってるよね」

「ジェットコースターとか、観覧車とか、アイリと乗りたいよ。

 行こうよ、遊園地!」

「遊園地……」

「そう、遊園地〜!」

「……チバとなら、楽しめそうな気がする」

「そうでしょ? 行こう!」

「うん、わかった。

 行くよ。

 いつか、きっとね」


2007-04-23

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41


 アイリを助けて下さい。

 神様。

 神様。

 神様。

 好きなんです。

 本当に、大好きなんです。

 アイリを助けて下さい。

 お願いです。

 もうこれ以上、何も起こらないように。

 神様。

 お願いです。

 壊れそうです。

 アイリが消えちゃう前に。

 神様。


2007-04-16

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40


「アイリ?」

「えへへ」

「アイリ! どうしたの!?」

「からだ、おかしいの」

「おかしい?」

「うん。あたま、ふらふらする……すごくあついし」

「なんかされた?」

「あんま、おぼえてない」

「薬とかは?」

「わかんない」

「注射とかされてない?」

「わかんない」

「アイリ……」

「ゆめのなかに、いるみたい。

 チバ、会いにきてよ」

「………」

「ねぇ、聞いて。

 聞いてる? チバ」

「……うん」

「あたしが寝てるとこに、知らない人が連れられて来たんだ。

 細くて白くて生きてるって思えなかった。

 裸で目隠しされてて、手も縛られてたんだ。

 あたしにね、舐めろっていうの、その人のをさ。

 怖かったからあたし舐めたよ。

 汗ともどした時の匂いがしてさ、気持ち悪かったよ。

 どのくらいそうしてたのかな。

 でも、全然立たないんだ。

 あいつが来て、お前もう壊れたんだな。

 もういいよなって言ってその人の顔をつま先で蹴ったんだ。

 なんか自転車が倒れるみたいに、その人、床に倒れたんだよ。

 あたし、怖くて逃げたんだ。

 ベッドの陰で震えてた。

 バカ、アイリ怖いのか?

 怖くないだろ?

 俺はお前を大事にしてるだろ?

 痛くなんかしないだろ?

 ――って言いながら、その人の鼻に何かを突き刺したんだ。

 すごい声がして、あたしは耳をふさいだんだよ」


2007-04-09

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39


「……チバ?」

「アイリ!?

 連絡なくなったから心配した!」

「うん……」

「どした? これ、公衆電話?」

「そう」

「今どこ?」

「新宿……かな」

「ずっと何してたの? だいじょぶ?」

「うん。

 チバ、あたしね」

「うん」

「あ――、」

「アイリ?」

「―――」

「アイリ!?」


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