2006-02-28
月末恒例感想棚卸。溜めすぎ。ほんと溜めすぎ。
■[読][B]028:一の悲劇 
- 作者: 法月綸太郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1996/07
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
テンポ良く読めた。何故かと考えた。法月綸太郎があまり出てこなかったからだ。しかし、人間慣れないことをすると、落ち着かなくなるものだ。読んでいる最中、あまりにするすると読みが進むので、意味も無く不安になってしまった。中盤過ぎたあたりで、法月が登場してあの長広舌を振るい初めてくれた時には安堵を超え、感動すら覚えた(まちがいなく過言)。自分で思っているよりも法月が好きなのかもしれない。ただ、たぶん冒頭から出てきたら、うんざりすると思う。つまり、作中の法月濃度( 法月の登場ページ / 全体 )が自分に合った作品ということだろう。
それは別としても、本作は楽しめた。ラストの登場人物の心理に多少疑問も感じたが、事後を無駄に引っ張らず、すっぱり終わらせてあたりは良かったと思う。
あと、きちんと読み返していないので誤読かもしれないのだが、法月が冒頭で語り手が地の文で言及している内容の誤りを指摘している箇所があった気がする。このシーンを書きたいがために懸命にキーボードを叩く法月先生の姿が目に浮かび、非常に生暖かい気持ちになった。
■[読][B]030:RIKO 
- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
正史賞っぽい作品だと思った。性的人間の多さに多少げんなりもしたが、一種のファンタジーかと思えば、それなりに楽しめる作品であったように思う。
■[読][A]031:血塗られた神話 
- 作者: 新堂冬樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/08
- メディア: 新書
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
思ったより素直なハードボイルド作品。もっとアングラなテイストを前面に押し出しているのかと思っていたが、わりあい基本に忠実な作りになっていた。主人公の異様な戦闘能力や敵の背景の設定に無理があったが、そのあたりは許容範囲内かと。それにしても、これをメフィスト賞に送ったのはすごいな。他で落とされた?
■[読][C]033:赤緑黒白 
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/15
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (107件) を見る
もはや『四季』への繋ぎとしか思えない。ホワイダニットとしても、作品が書かれた時期にあえて描くべきものでもなかったのではないだろうか。げんなりする。
■[読][B]034〜037:四季 
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/09/05
- メディア: 新書
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (127件) を見る
完全にライトノベル。しかしVシリーズのように中途半端にミステリ色を残すよりは潔いと思う。すきすき萌絵さんなので、秋は満喫した。ただ、既刊作品のつじつま合わせ的なところもあるし、四季というミステリアスな存在に対して、ここまで語る必要があったのかという疑問は残った。
■[読][C]038:殺人ピエロの孤島同窓会 
- 作者: 水田美意子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2006/02/20
- メディア: 単行本
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
"年齢にしては文章がこなれてる"という作品であり、それ以外はやっぱり小学生が書いたレベルかと。こんなアクロバティックな話じゃなくて、登場人数を絞って、日常生活の中で事件が起こる(日常系という意味ではない)作品を書いたほうが、彼女の文体は映えたんではないだろうか。親戚の女の子が書いた小説を頼まれて読んでみたら、思ったより書けていたというノリで読むと吉。
ただ正直、刊行レベルではなかったと思う。筆者のためにも奨励賞をやって終わりにすべきだったんではないだろうか。巻末の選評を読む限り、どうも刊行の話が先で、そのために賞を後付けしたようである。やはり昨今の文学賞受賞者の低年齢化を鑑み、話題づくりをしようとした版元の思惑がちらついてしまう。
■[読][B]039:青空の卵 
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/02/23
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (178件) を見る
ひいい。なに? このBL! 謎的にはぬるいが、鳥井と坂木の関係が面白くて、にやにやしてしう(腐れ読み)。基本的には善人しか出てこないので、そういう空気が苦手な人は合わないかもしれない。
2006-02-12
ayalist
2006/02/12 07:19
わー綾辻さん似てますねー、下の北村さんも。『びっくり館の殺人』ですが、とっくに書き終わって(笑)、装幀に時間がかかるんで今まで延びてたみたいですから、18日にちゃんと出ると思いますよ。
amaikoi
2006/02/12 22:35
わっ! コメントありがとうございます! 綾辻先生は帽子とかサングラスとか特徴があるので描きやすいなあと思いました。びっくり館書き終わってるんですね。よかったよかった。なんか講談社からホテルに缶詰にさせられるのを拒んだという話(法月さんは素直に従った)を聞いたので心配していたんですが。吉祥寺でサイン会あるといいですね!
2006-02-11
■[本][絵]北村薫サイン会 
TRICK+TRAPリニューアル記念てことで開催された北村先生のサイン会に行ってきました。トークショウ後のサイン会の時にはびたいちしゃべれなかったけど、今回はちょこちょこお話させていただきました。よかったよかった。
さすがに人が多かったなぁ。Trick+Trapなのでいつものように時間交代制なんだけど、1回の人数は島田先生の時より多かった気がします。
リニューアルされた店内は、ほんのり商品の品揃えが変わっており、オリジナルのカバーや月一のフリーペーパーも出来たとのこと(もらいました)。通う楽しみが増えました。
■[読][B]026:マリオネット園 
マリオネット園(ランド)―「あかずの扉」研究会首吊塔へ (講談社ノベルス)
- 作者: 霧舎巧
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 新書
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
ミーハー。それは毎回のことではあるが、今回は序盤の暗号のくだりで、それが顕著に出ていた。北村薫がミステリを描いたフィクションに現実のミステリ作品が出てくると、(読者が現実に戻されて)興醒めしてしまうというような趣旨のことを言っていたことがあるが、その言葉の意味を実感させられた。実際にゲームでやったら面白いとは思うのだが、いささかやり過ぎだったかと思われる。このあたりは読み手の好みによるだろう。
特異な構成の建築物が出てくる以上、その謎の向かう先は予想される。しかもシリーズの四作目である。当然そのあたりの仕掛けは作品の本丸を飾るための装置に過ぎない。しかしながら、その装置に施された仕掛けは見事であり、序盤であさっての方向に行っていた興味を引き戻すのには十分であった。贅沢を言えば、建物の煩雑さをもっと分かりやすく書けていれば、なお良かった。このあたりで流し読まれて、謎解きの爽快さが半減してしまうことがあったとすれば、非常に残念なことであると思う。
今回は作品紹介でも謳っている通り、フーダニットをメインの謎に据えているが、これは非常に見事であった。読者に対して必要十分なヒントを提示しており、実にフェアだと言える(作中で自らそのことを言ってしまうあたりはどうかと思う)。ラブコメ的要素が割りと前面に立っているが、その中身は紛うことなき本格ミステリである。これは疑いようがないことだ。




