Book Review!


作者:アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ

レビュー: 星の王子さま (新潮文庫) (文庫)

30年以上前の中学3年生の時、はじめてこの本を手にした。当時はハードカバーの本でケースまで付いていた。

ある日、音楽室の机の中に本を忘れた。次の日に職員室に取りに行った。 国語の先生が持ってきてくれた。

「 私も好きなのよね、この本 」。

王子さまが、倒れていくシーンだけが 記憶の中に残っている。なぜここだけ覚えているのかわからなかった。

...でも、もう一度読んで『わかった』。 やはり、こころに残るのはこのシーン。

10,20,30,40代と読み手によってこころを動かされるところは微妙にかわると思う。

また、あと10年くらいしたら読んでみようと思う。

せつないけど、どこか魅かれる...数少ない本です。


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Book Review!


作者:猪野 健治

レビュー: 侠客の条件―吉田磯吉伝 (ちくま文庫) (文庫)

 本書でおもしいのは、巻末に火野葦平の『花と龍』では敵対関係にあった吉田磯吉と玉井金五郎の子息が対談していること。
 その磯吉の子息である吉田敬太郎は戦中、東條政権に反発し、皇室不敬罪で監獄行きになっている。東條に反発したのは中野正剛だけかと思ったら、ここにもいたのかと驚き、感心してしまった。
 その敬太郎、中野ともに、GHQから解散させられた玄洋社に関係するというのもおもしろい。玄洋社国家主義団体として解散させられているが、軍事政権に反発しているのだからGHQは何をもって判断したのか不思議である。
 
 かつての侠客と呼ばれる人たちが生まれた下地を知らずして、現在のヤクザを語るべきではないと思う。
 そのための入門書ともいえるものが、本??!
?になる。
 人は人として生き抜くために、相互に助けあう集団であることを自覚する一冊。


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