天野 翔のうた日記

2008-11-30 運河(1)

川崎市にて

 文字通り物資を運ぶために造られた河。人工の水路でパナマ運河、スエズ運河など小学生でもよく知っている。ただ、歴史的経緯は奥深い。古代エジプトでは、ナイルデルタからスエズ湾に食い込む「ファラオの運河」が造られた。中国では、隋の煬帝が作った大運河が有名で、華中の穀類を華南に運ぶなど画期的な水運を拓いた。カンボジアなどの歴代王朝も運河を活用した。ヨーロッパでは、ベニス、ベルギー、フランスなどに世界歴史遺産に指定された運河がある。日本においても大阪や江戸には、大阪城や江戸城の周辺に運河が巡らされた。


  運河はるかに海にそそぐを見て居れどこの椅子もやがて立ちて

  行くべし                   斎藤 史

                         

  焼あとの運河のほとり歩むときいくばくの理想われを虐む

                         前田 透

  かすかなる歓びにしも譬ふべく運河の面の夕映えの黄ぞ

                         宮 柊二

  喪の花のやうに運河を過ぎゆきし流氷は明(あか)きはるの港に

                         塚本邦雄

  片方の赤きサンダル浮べつつ運河はまこと海に到るや

                         馬場あき子

  流木のぶつかる運河いたましく傷負ひし夜を無頼は言はず

                         春日井建