『イナズマイレブンGOギャラクシー』第27話「皆帆のオウンゴール!」の感想 【ポトムリの正体がイケメン過ぎる】

 恒例のアニメ感想文、今回は『イナズマイレブンGOギャラクシー』第27話「皆帆のオウンゴール!」を観ての感想を書く。心を読むという強敵を相手にどうすればよいのかを模索するチームの頭脳派が取った行動とは、誰もが驚くとてつもない大胆な戦略であった。



 当ブログは、『イナズマイレブンGOギャラクシー』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


  • 前回の感想は、

『イナズマイレブンGOギャラクシー』第26話「目覚めよ!俺のダークサイド!!」の感想 【瞬木のソウル発動!】
 をご覧ください。

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 松風天馬(CV:寺崎裕香)率いる【アースイレブン】は星間サッカー大会【グランドセレスタ・ギャラクシー】の本戦2回戦で【惑星サザナーラ】と対決する。

 サザナーラ人は【アズル】という相手の心のかたちを見る能力を持っている。その形や色などで相手が何を考えているのか、その大凡(おおよそ)を見通してしまうのだ。つまりサザナーラ人はアースイレブンのメンバーが何を考え、どう行動するかを見抜いてしまう。

 サッカーという競技においてこの能力がどれだけ一方的に有利になるのかは言うまでもないだろう。次に右に動くのか左に動くのか、自分で向かってくるのか誰かにパスするつもりなのか、などなどすべてを見通してしまうのだから。


 アズルに苦戦するアースイレブンだったが、瞬木隼人(CV:石川界人)のドス黒いアズルに興味を抱いた敵将ポワイ・ピチョリ(CV:折笠富美子)の誤算により、瞬木は秘められたソウルの力に目覚める。

 ハヤブサに姿を変えた瞬木はキーパーヴァン・タレル(CV:泰勇気)の守備を突き破り、同点のゴールを奪う!


 勝負の均衡(きんこう)を取り戻された感のあるサザナーラ陣では【ファラム・オービアス】より遣わされた刺客、ヒラリ・フレイル(CV:小林ゆう)が満を持して参戦を表明する。



 自分の参戦を好ましく思わない同僚、12番のサラマ・サラサ(CV:不明)を排除するというやり方で強引に交代したヒラリ。その実力のほどは如何に?



   オープニング




 後半戦開始直前の両チームの布陣。アースイレブンはメンバーチェンジなし。だがソウルに目覚め、その心根を隠さなくなった瞬木の表情がふてぶてしいものに変わっている。人が変わってしまったような印象を受けるだけに、ある意味メンバーチェンジしたようなものかもしれない。


 一方のチーム・サザナーラ。メンバーチェンジは強引にチームに割り込んできた7番、ヒラリちゃん。サラマの詰めていた位置にそのまま入る。チームの司令塔ポジションだけに後半は彼女が指揮するという形態になりそうだ。ただ彼女の強引な性格はチームメンバーに歓迎されていないわけで、そこはうまく連携が取れるかどうかは疑問。



ヒラリ「ここからが本番よ。このヒラリ・フレイルがひねり潰してあげるわ!」


 助っ人の登場に気を引き締めるアースイレブンに向け、ヒラリは恐ろしい形相で凄む。その威圧的な姿には臆病な性格の森村好葉(CV:悠木碧)はもちろん、基本的に何を見ても楽観的な皆帆和人(CV:代永翼)をもたじろがせる。

 ヒラリは仲間であるサザナーラ側にも自分の命令に従って行動するよう釘を刺すが、その尊大な態度はやはりポワイをはじめとするサザナーラ人たちには不満をもって受け止められる。


ポワイ「ポワイああいうの大っきらい!」


 ファラム・オービアスと事を交えてはならないということを承知する11番のヴァルハ・ポロポ(CV:不明)にたしなめられ、ポワイは頬を膨らませながらもヒラリへの敵対心を隠しこの試合に集中することをしぶしぶ認める。



 ポワイは私情を抑え、チームを指揮するキャプテンという立場を自覚して後半戦にアースイレブンを打ち倒すよう、檄を飛ばす。チームメンバーはポワイを「ポワイ様」と呼ぶことから分かるように、彼女に絶対の忠誠を誓っている。もしかしたらサザナーラもファラム・オービアスと同様に王制の星であり、ポワイはこの星の女王なのかもしれない。ゲームをプレイしている人はこの辺の事情もすでに知ってるのかもね。


 瞬木のゴールで同点にされ、サザナーラ側はより一層本気で後半戦に臨んでくるだろう。必ず彼らはこちらの心を読んでくる。神童拓人(CV:斎賀みつき)と天馬の思いは共通していた。だが例え心を読まれたとしても、負けないという思いも共通していた。

 アースイレブンの中でもソウルを発動し、暴走状態のアズルがサザナーラ人にも思考を読ませないという特殊な立場にある瞬木のみは相手の能力を気にする必要はない。「協調性のある自分」を演じてきた彼は、これまで隠してきた本性をあらわにして俺について来いとビッグマウスを叩く。

 そのあまりの変貌ぶりにはベンチで見ている空野葵(CV:北原沙弥香)や西園信助(CV:戸松遥)も苦笑い。少しずつ地を出すならともかく、いきなり全力だもんな。


 チーム・サザナーラ9番の金髪男はそんな瞬木を見つめる。瞬木のアズルだけは読むことが出来ず、無理に読もうとすると2番ネス・ビーチャ(CV:不明)が被ったようにこちらのアズルが崩壊しかねないという。

 とはいえ瞬木以外の選手たちのアズルは手に取るように分かる……それだけでも十分に優位を築くことが可能だと、9番は策士っぽい笑みを見せる。



 後半戦が開始される。アースイレブンボールのキックオフ。瞬木からボールを受けた市川座名九郎(CV:小西克幸)が後方の天馬にパスを送る。天馬は瞬時に右サイドの野咲さくら(CV:遠藤綾)にパス。この素早い攻勢に実況のダクスガン・バービュー(CV:勝杏里)もヒートアップ。

 さくらは敵陣に隙があるのを見て取り、心で『行ける!』と考える。だがその心の変化を見ることが出来るのが今回の敵なのだ。6番の長髪女、カピス(CV:不明)が罠にハマったとニヤリと笑う。

 さくらは案の定、心を読んだヴァルハのスライディングタックルの前にボールを奪われてしまう。悔しがる鉄角真(CV:泰勇気)だったが、皆帆はそれをジッと見つめていた。心を読むという地味ながら最強の能力に対し、何か攻略の糸口を探そうとしているように。

 ヒラリはカピスの名を読んでパスを要求するが、その前にボールが飛んでくる。つまりこれはカピスがヒラリの心をも読んで先回りしたということだ。味方ながらアズルの能力に不気味さを感じつつ、ヒラリはボールを持って攻め上がる。恐るべき能力を秘めているであろう、ファラム・オービアスよりの刺客のこれがファーストプレーだ!

 その突進に立ち向かうのは九坂隆二(CV:岡林史泰)だった。九坂はヒラリだけはサザナーラ人ではない=心を読むことが出来ない存在だとアタリをつけ、心さえ読まれなければこっちのものと強気に立ち向かう。

 だがヒラリは紫天王の一角である。アズルこそ持たないものの、そのサッカー能力は侮(あなど)れない。その名の通り、ひらりと身を翻(ひるがえ)した彼女は水流状のエネルギー波を九坂に向けて放つ。



 その攻撃に驚いた九坂の目の前に移動し、男を誘うかのような妖艶(ようえん)な表情を見せるヒラリ。だがその後の九坂に待ち受けていたのは痛い洗礼だった。



 ヒラリのドリブル技「ジャックナイフ」に切り裂かれる九坂。アホ毛が可愛いヒラリちゃんだけど、攻撃はいつも容赦ない。


ヒラリ「フッ私に触ると怪我してよ!」


 倒れた九坂を満足そうに仁王立ちで見て、ヒラリは捨てゼリフを残す。そしてゴールに向けて進撃を再開する。ゴール前は皆帆と真名部陣一郎(CV:野島裕史)が守りを固めている。ヒラリは左サイドに守備の穴を見い出したが、その瞬間にヴァルハがそこに駆け込んでくる。指示を出すより前にヒラリのアズルを読んだ行動だ。味方のアズルを読むことにより、こういう面でも戦いを有利に働かせることが出来るわけだ。


「心が読めるって便利だこと♡」



 ヒラリの思った通り、その後もチーム・サザナーラのパスは以心伝心(いしんでんしん)的につながっていく。そりゃそうだ、アズルが見える彼らにとっては本当に以心伝心なのだから。



 ただチーム・サザナーラにあって、ポワイだけは若干(じゃっかん)ヒラリの命令に心から従わない面を見せる。膨れっつらのポワイちゃんはワガママ可愛い。仕草や性格など、やっぱり前作のワガママ可愛いベータちゃんを思い出す。


 ポワイも反抗しつつもヒラリの要請に応じる。やや不協和音があるものの、やはりその後もチーム・サザナーラの攻勢は止められない。心を読まれ、次の挙動が見切られているのだからアースイレブンサイドはボールを奪うどころかボールに触れることすらままならない。

 ベンチでは信助が心配そうに戦況を見つめる。別の視点で戦況を見つめ分析するのは、皆帆だった。心を読む相手を出し抜くには、思っていることと逆の行動を取ることが効果的であることに思いが至る。


 その仮説を確かめるため、皆帆はボールを持って向かってくる8番チュルカ・ポッタ(CV:佐々木日菜子)に対峙し、正面から来ると宣言しつつ左に身を寄せる。

 これが普通の相手ならフェイントが効果を発揮したかもしれない。だがチュルカは正面からと見せかけて左に寄るということさえも心の動きから見透かしていた。



「ざーんねんでした!!」


 チュルカちゃんが可愛くかつ憎ったらしく皆帆を抜き去るが、そこに駆け込んでくるのは唯一アズルが見通せない存在の瞬木だった。瞬木の背後の強大で邪悪なアズルを見てチュルカは怯(ひる)んでしまう。瞬木は難なくチュルカからボールを奪い取る。態度でかくてムカツクが、アースイレブンにとってやはりこの試合は瞬木が頼りなのかもしれない。


 ボールを奪った瞬木はその群を抜くスピードで一気に駆け上がる。天馬はその瞬木のフォローに駆け寄るが、それを阻むのはカピスだった。そう、瞬木の心こそ読めないが他のメンバーの心は筒抜けという状態に変わりはないのだ。

 仲間のフォローが期待できないことを知る瞬木は、その強気の性格も相まって自分でシュートまで持ち込むことを期する。そうはさせじとネスが必殺技「ウォーターフォール」で瞬木からボールを取り返す。



 心が読めない相手には全力の必殺技でマークする。この作戦で対応されればさしもの瞬木もシュートまで行くのは難しい。彼の切り札のソウルパワーは仲間とのパス交換の末、ゴール前で使うべきだからだ。

 ネスはまたもチュルカを「チュルカさん」と呼んでパスを送る。きっとネスはチュルカより年下なんだろうな。一気に瞬木がボールを奪った位置までボールを戻され、一転してアースイレブンにピンチが訪れる。



 虚空にアインシュタイン相対性理論を描き、必殺技「ディフェンス方程式」でボールを奪い返そうとする真名部だったが、何とチュルカはその心を読んで必殺技自体を回避してしまう!! アズル恐るべし。


 神童の指示により、一気に天馬、鉄角、好葉、そして神童自身が4人がかりでチュルカに向かう。さすがに4人全員の心を一気に読むのは聖徳太子クラスの能力でないと無理なのだろう。チュルカは不満げに後方にヒールでボールを送る。


 そこにはヒラリがいた。しかしヒラリに対してもゾーンでディフェンスするアースイレブン。ヴァルハが持ち込んでくる場面にもゾーンディフェンスで対抗する。

 この作戦は功を奏する。一人の心を読む分には万能性を発揮するサザナーラ人の能力だが、同時に2人以上にかかられるとその両方を見極めることは困難であるからだ。


 試合は膠着(こうちゃく)するかに思われたが、九坂を抜いた10番セバン・バシャ(CV:鈴木達央)が一瞬の隙を突き、必殺シュート「バブルボイル」を撃つ。

 先制点を挙げたそのシュート。同じ声の井吹宗正(CV:鈴木達央)は今度こそ止めると失点時には使えなかった必殺キーパー技で迎え撃つ。



 必殺キーパー技「ライジングスラッシュ」がセバンのシュートを阻止する。広範に渡ってゴールをカバーするこの技なら、心を読まれようと関係なく技の力対決に持ち込むことが出来る。この試合中だけは井吹は出し惜しみせず、相手のシュートには常にこの技を使っても良いぐらい。



 守りは固いが、このまま守っているだけでは勝利は見込めない。腕組みし右手をアゴに添えるという彼独特の思考ポーズを取りながら、皆帆はこの膠着状態の打開策を練り続ける。



 相手の心を読むということは相手の気持ちを考えることと同義であることに考えが至った皆帆は、かつて井吹と特訓をしていた時の神童の言葉を思い出す。


神童「行き当たりばったりではダメだ。相手の気持ちになってどう来るかを予測するんだ!」

 その言葉は皆帆に天啓(てんけい)を与える。



 その間も試合は続いている。攻勢を強めるサザナーラはヴァルハがゴール前に持ち込む。好葉がそれを阻止しようと回り込むが、ヴァルハは落ち着いて好葉のアズルを見る。

 好葉のアズルは『怖い』と告げていた。試合中のその場違いな思考にヴァルハは一瞬戸惑う。だが好葉は怖がりつつも戦うことが出来るということをサザナーラ人は知らない。

 好葉は高く飛び上がり、必殺技「このはロール」でヴァルハを巻き込み、ボールを奪取し、皆帆にパスする。皆帆の前方はクリアで、敵陣に駆け込むフリーの瞬木から声がかかる。絶好の反撃の機会だと誰もが思うそのシーンで、皆帆はとんでもないプレーをしてみせる!


皆帆「いっけぇ〜っ!!」


 振り向いた皆帆は、何と自陣ゴールめがけてシュートを放った。そのシュートはまったくの無警戒だった井吹の脇を通過してゴールネットを揺らす!!




 均衡は破られた。しかもそれは誰もが想像もしない、皆帆のオウンゴールという形で……!!

 この裏切りにも思えるプレーに、アースイレブンは呆然とした表情。それは敵であるチーム・サザナーラも同様だった。

 そんな周囲の気持ちをよそに、皆帆は自信満々の笑顔で振り向き、確信に満ちた口調でこう語るのだった。


皆帆「見つけたよ、サザナーラの攻略法を……」



 誰もが訝(いぶか)る皆帆のプレーの裏に隠された真相をただ一人理解するであろう、監督の黒岩流星(CV:佐々木誠二)はニヤリと笑う。だがやはり凶悪なその横顔は悪役にしか見えず、皆帆と共に黒岩裏切り説がベンチ内に流れるほど(ウソ)。




皆帆「みんな、点取っていくよ!!」


 やったことと裏腹に明るく元気に宣言する皆帆に、葵や信助はその真意が見通せないままだ。この思いは皆帆と黒岩以外の全地球人が抱いたと思うけど。



 失点した(味方のシュートで)アースイレブンのキックオフで試合再開。座名九郎の持つボールに挑み、奪い取ってしまうのは皆帆、だった。

 そしてあろうことかそのボールを敵に渡してしまう。意図不明のプレーを繰り返す皆帆。オウンゴールを反省する風でもなく、むしろ裏切り行為を邁進(まいしん)するかのような皆帆の態度は九坂の勘気(かんき)に触れる。


九坂「何してんだ!?」
皆帆「何って、相手の気持ちになって予測してるんだよ」


 怒鳴られても悪びれずにそう答える皆帆の言葉は、神童に既視感ともにその意図をも理解させるものであった。神童は皆帆に構わずに行動するよう仲間に指示する。

 天馬はその言葉の意味が分からなかったものの、神童の言葉を信じる。


 皆帆からパスを受けた体(てい)のカピスが攻め上がる。それを阻止しようとするのはさくらだったが、皆帆は何とそのさくらの邪魔をしてカピスをアシストする。



 その後も鉄角の動きを阻害し、好葉の心配をよそに自陣に向けてドリブルしたり、せっかく訪れたチャンスをふいにするカットをしてしまう。頭を抱えて苦悩する九坂の背後からは、何かを察した風な瞬木が皆帆のエキセントリックなプレーを見つめていた。


 皆帆の行動は、アズルが見えるはずのサザナーラ人たちにとっても理解不能のものであった。皆帆の傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な行動にネスだけは対応しようとするが、皆帆は保持していたボールをいきなり放棄してしまう。

 その動作にはさしものネスも驚いて動きが止まってしまう。その隙を突いたのはこの場でもう一人、サザナーラ人に心を読まれない瞬木だった。

 その動きを満足そうに見る皆帆とアイコンタクトで会話する瞬木。皆帆の作戦の意図を瞬木は読めていたということだろう。

 瞬木にとってキーパー以外の最終防衛ラインで有り続けたネスを出し抜き、前方視界クリアの状況が生まれる。こうなればあとは瞬木のソウルの力の独壇場(どくだんじょう)だ。

 
 疾駆するハヤブサがサザナーラゴールを襲う! キーパーのヴァンは必殺キーパー技「アクアブレス」で立ち向かうが、やはり1点目の再現にしかならない。サザナーラゴールが激しく揺さぶられ、アースイレブンが同点に追いつく!

 皆帆のオウンゴールで開いた差をたちどころに埋めてしまう瞬木の活躍により試合は2−2のイーブンとなる。だが皆帆の理解不能のプレーから一気の同点という展開に、アースイレブンメンバー自体の思考がついて行けていなかった。

 皆帆は自身の役割をいち早く理解した瞬木を褒め称える。その言葉の意味を座名九郎と九坂に求められた皆帆は、その解を「行き当たりばったり」と解説する。

 勝とう勝とうという意識が高じれば相手にその心を読まれてしまうが、行き当たりばったりなら相手にもその意図が理解できない。心を読んでも対処のしようがないからだ。

 神童、瞬木には理解できたこの皆帆の「行き当たりばったり」作戦を、みんなも踏襲(とうしゅう)するよう皆帆は求める。勝つための細かい戦術は一切考えず、サッカーボールで遊べば良いと皆帆は語る。

 心を読む相手特有のその対処法に他のアースイレブンも乗り気になる。



 皆帆の作戦以来、ペースを乱されっぱなしのポワイはフラストレーションが溜まったような表情で怒りを表す。ヒラリは比較的冷静に、自分が決めると意気込む。アズルと関係ない存在のヒラリの方がこういった場合に対処しやすいのだろう。


 試合はサザナーラボールのキックオフで再開。だが勢いに乗る瞬木は開始早々にボールを奪い取る。そして瞬木は皆帆の作戦を第一に遂行するため、そのまま攻めずに後方の鉄角にヒールパスを送る。

 攻め時だというのにバックパスをした瞬木の行動を理解できるのは、アースイレブンのメンバーだけだ。鉄角はなら自分も、とばかりに意味のない位置での横パスを出す。対象は真名部だ。

 理論派ゆえにこの作戦に馴染みきっていない真名部はたじろぎながらも九坂に下駄を預ける。九坂が頭ではじいたボールは好葉のもとへ。潜在的に意識しあう近しい存在同士だからだろうか、2人はここで仲良くキャッチボール的にボールをやり取りし始める。


 その試合中とは思えない一連のプレーを、サザナーラサイドはヒラリを含めて唖然として見つめていた。


 九坂と好葉は一転して敵味方に分かれたようにボールを激しく奪い合う。その行動はアズルが見えていようがいまいが理解不能のものだった。サザナーラ9番が怒りの形相でボールを奪いにかかる。九坂のアズルを見極め、その行動を探ろうとするのだが、九坂はまったく動じず9番はボールを奪うことなく抜き去ってしまう。

 それは九坂がサッカーで遊ぶことを最優先させ、敵の突進に対して何か対応しようとはしなかったからだった。考えることをしなければ、その心を読むことも不可能だ。



 サザナーラに邪魔されることなく繋がり出すアースイレブンのパス。自由奔放(じゆうほんぽう)に遊ぶ彼らのプレーの次の動作を読むことは不可能だし、読めたとしても対応するのは困難だろう。


 そしてその状態こそ皆帆が意図した展開なのだ。




 心が読めなくなって混乱するサザナーラの4番ウルミ・チャププ(CV:不明)。相変わらず敵にしておくには惜しいぐらい可愛い。


 ゴールを見越した座名九郎が敵の隙を突いてシュートする。だがそれはシュートする瞬間に見せたアズルによってヴァンに読まれてしまう。必殺キーパー技「アクアブレス」の網がノーマルシュートを阻止してしまう。




 この行き当たりばったり作戦、確かに心を読まれないことでボールのキープは可能となるのだが、いざ点を取ろうとした瞬間だけはどうしても「シュートする」という思考が入り、それを敵に読まれてしまう。

 アズルを見るとは何とも厄介な能力なのだが、皆帆は本来のオプティミスト(楽観主義)の表情を出し、だったら点を取ろうとせずに点を取れば良いと、まるで謎かけのようなことを言い出す。真名部は驚いてその意味を問うのだが、皆帆には何か策があるらしい。



 試合はサザナーラの反撃。ヒラリがボールを持って前進する。心を読まれる心配のない相手だけに、九坂がその意思を隠そうともせずに阻止しようとする。だが先ほどと同様というか使い回し的にヒラリの必殺技「ジャックナイフ」が炸裂する。



 髪の毛で精気を奪ったりしてドS属性であろうと想像されるヒラリちゃん。相手を痛めつける時ものすごい嬉しそうに笑ろてるし。


 九坂が予定調和的に返り討ちに遭うが、次にヒラリに向かうのは皆帆だ。蹴散らすつもりのヒラリに対し、皆帆はその真の力に目覚める!




 フクロウのソウルを発現させた皆帆は、暗闇で目が利く猛禽(もうきん)、フクロウの特性を発揮するかのような挙動であのドSのヒラリからボールを奪ってしまう! 皆帆の出で立ちやその熟考するスタイルからして、フクロウという彼のソウルはよく似合っている気がする。


 敵の能力を破るために考慮に考慮を重ねた皆帆の努力がこういう形で開眼したのだろう。ソウル発動に天馬は喜び、黒岩はまたあの例の悪役顔でグラサンを光らせ、我が意を得たりとほくそ笑む。


 ソウルを発動させ絶好調の皆帆はここで、3秒間目を瞑(つぶ)れと指示を出す。サッカーをする上で視覚を無くすという行為がいかに無茶なプレーなのかは言うまでもないだろう。全員がその指示に理解不能の態度を示す。


ポワイ「えっえっ、なんで目を閉じちゃうの!?」

 敵方のポワイも皆帆の言っている意味が分からず混乱する。それは良いのだけど、なんでこうもいちいちやることが可愛いのか? サザナーラはやっぱり可愛いキャラが多すぎる。敵にするには惜しい。


 わけが分からないものの、今何をするにおいても絶好調の皆帆の意見だ。その上り調子の状態に乗っかるのは分の悪い賭けではない。天馬をはじめとするメンバーは素直に目を瞑る。3秒に達した瞬間、皆帆からの「今だ!!」という叫びで全員が一斉に目を開ける。

 その瞬間、神童のすぐ前に飛んでくるサッカーボール。あわててトラップしながら、神童はその作戦の意図にも最初に気がつく。


皆帆『目を開けた瞬間、ボールに反射的に対応することで、相手に心を読む隙を与えない……点を取ろうとせずに点を取れる。名づけて……』



「ハッとして……」

「グー作戦!!」



 これが往年のアイドル、田原俊彦のヒット曲「ハッとして!Good」のもじりだということが分からない人は、お父さんお母さんに聞いてみよう。ちゅーか、日野社長の悪ふざけ感が半端ない。




【参考資料】1980年の曲だということは今から33年前だ。ほとんどの視聴者は知らない昭和のネタだよね。



 座名九郎も律儀に3秒目を閉じて開く。そこに絶好のパスが飛んでくる。ハッとしながらそれを受け、一気に獅子のソウルを身にまとう座名九郎。豪快な咆哮(ほうこう)で放たれたグーなシュートがサザナーラゴールを襲う。



 アズルを見極められないヴァンに前回のように対応する術(すべ)はない。超絶に強烈なシュートが赤い尾を引きながらゴールに吸い込まれていく。ただこれってハッとしてグー作戦とか関係なく、座名九郎のソウルパワーで押し込んだって印象だよね。キーパー技使っても止められそうにないし。


天馬「やったな座名九郎!!」
座名九郎「そう言うと思いましたよ!」


 この決めゼリフを聞いたところで、試合終了のホイッスルが鳴り響く。試合は終了間際の座名九郎の逆転シュートで3−2とアースイレブンの逆転勝利に終わった!



 負けて落ち込むチーム・サザナーラ。ポワイたちは悲しむ姿もいちいち可愛いんだけど、この前のチーム・サンドリアスの負けても潔(いさぎよ)かったチームとはあらゆる面で対極でちょっと笑える。


 そしてファラム・オービアス紫天王のヒラリも、怒りを押し包みながらスタジアムを後にする。彼女も任務を失敗してしまい、立場がなくなるのだろうか?


 怒りに震えて去って行くヒラリの後ろ姿を見送りながら鉄角は苦しみながらも勝利した余韻に浸(ひた)る。真名部もそれに同意するが、その勝利の美酒に余計な味付けをする暴言を吐く人物がいた。



瞬木「勝てたのは俺の活躍のおかげだからな!」


 確かに瞬木の活躍は大きかったが、彼一人の力で勝ち取った勝利ではないのだが……。皆帆の分析力も大きかったし、決勝ゴールは座名九郎だったしねぇ……。

 果たして本性を現した瞬木の変化が望ましかったのかどうか、鉄角たちは複雑な表情を浮かべる。



 天馬も勝利を喜んでいたが、彼の場合カトラ・ペイジ(CV:上田麗奈)との間に交わした勝利し続けることで輝く石のかけらをカトラの元に持っていくという、宇宙全体を救うという壮大な使命が背景にある。天馬は勝利し続けることによって地球だけでなく、前回のサンドリアスも、今回のサザナーラも、そして今後出会うすべての星の人たちも救うつもりでいるのだ。



 勝利して宿舎にする【ギャラクシーノーツ】号に戻っていた天馬、信助、葵の3人は車掌の蒲田静音(CV:くじら)から地球と交信できるという事実を聞く。蒲田さんの言うには、一週間に一度、10分間の頻度(ひんど)で、地球と通信が繋がるという。

 他のメンバーはすでに通信器の方に向かったらしい。たった10分しか通じないとなればみんなが先を争って向かったのも分かる気がする。

 天馬は葵から親戚の木野秋(CV:折笠富美子)と話すのかと問われ、困ったような笑顔を浮かべる。天馬は誰とも連絡するつもりは無いことをそこで打ち明ける。

 天馬はグランドセレスタ・ギャラクシーが終わって地球に帰る日まで誰とも連絡を取らないと決めていると語る。その言葉にこの戦いにかける天馬の気持ちを汲(く)んだ葵は笑顔でその意志を応援する。



葵「最後まで頑張ろうね、私も一生懸命応援するから!」


 幼なじみからのエールを受け、天馬はこの戦いが一人ではないことを感じ、笑顔でそれに応じる。



 その頃、通信器の前には瞬木がいた。地球側の映像には、彼の血縁の弟、雄太(CV:小林ゆう)と瞬(CV:戸松遥)が映る。

 勇太は瞬木の髪の色が変わっていることを目ざとく見つけ「何か(印象が)変わった?」と質問する。きっと勇太は誰に対しても本音を出すようになった兄の性格的な変化も見抜いていたのではないだろうか?

 瞬木はやや苦笑してその質問を流す。瞬は持参したおもちゃを見せつけるようにモニターに示す。友人から「宇宙超人バロンダー」のプラモを盗んだと笑顔で報告する瞬。泥棒行為を自慢する弟に対し、これまでの他人を一切信用しない瞬木だったら手放しで褒めていたであろう。

 だが瞬木は弟が信奉(しんぽう)しているであろう、バロンダーがショックを受けているだろうという言い方で弟を諭(さと)す。正義の味方のヒーローが泥棒のモノになってしまうという状況を嘆くように語る兄の言葉を聞いて、瞬は自分の犯した犯罪行為がにわかに恥ずかしいことに思えてくる。



 皮肉な物言いでバロンダーを手に入れたことを祝福され、瞬は意気消沈してそのおもちゃを手放すことを宣言する。瞬木は弟の心変わりに嬉しそうに笑い、おもちゃを間抜けな持ち主に返してやるように指示する。



 部屋に戻った天馬を迎えたのは、ピクシー(CV:北原沙弥香)だった。そしてその出現に合わせるかのように、カトラのビジョンが姿を現す。もしかしてだけど、ピクシーはカトラが天馬に連絡を取るために存在しなければならないアンテナのような存在なのかもしれない。

 カトラはまたも天馬に着いてくるよう要請する。彼女の意思に従い、宇宙を救うことが使命だと感じている天馬は二つ返事でそれに同意する。



 海中都市の中を経て、カトラは天馬をサンゴが輝く洞穴(どうけつ)に案内する。洞穴内の水中に輝く物体があることを示し、それが2つ目の希望のかけらであることをカトラは告げる。




 2つ目の希望のかけらを持ち帰り、仲間に示す天馬。2度までもカトラのビジョンが教えてくれたことをもって、天馬はやはりカトラがまだ存命であることを確信する。


 その言葉を聞いた水川みのり(CV:高垣彩陽)は、やはりそれはありえないと一蹴する。彼女の心にはカトラと同じ惑星キエル出身の人物、ポトムリ(CV:三木眞一郎)の意識が内在している。つまり今はポトムリの記憶で天馬の説がありえないと否定しているわけだ。以後のみのりは(ポトムリ)が語っていると考えてくれて差し支(つか)えない。


 天馬は実際にカトラの声も聞いたのだと言って反論する。カトラがいないと言い切る理由を問われ、みのりは少し逡巡(しゅんじゅん)する。言いにくそうに、みのりは自身が最後までカトラ姫の側に仕えていたことを明かす。


 みのりはカトラ姫の最期の瞬間を語り出すにあたり、その姿の方が落ち着くのだろうか、ピエロ人形の中に所在を変えて話を紡(つむ)ぐ。


鉄角「いちいちピエロにならなきゃ説明できないのかよ?」


 だがその姿になったのは確かな理由があった。みのりの体内にいた場合ではポトムリの意識はみのり本人の意識と融合してしまう。人形の中ならポトムリはモニター越しにその本来の姿で皆の前に現れることが出来る。



ポトムリ「これが私の本当の姿です」


 なんというイケメン! ピエロ人形とは似ても似つかぬカッコマンが現れた。驚くアースイレブンたち。視聴者も今回一番驚いたシーンだと思われる。私も驚いた。

 その本来の姿で語るポトムリの言葉はなぜか説得力がある。彼の祖国、惑星キエルがブラックホールによって消滅した話は以前語られた。

 科学者だったポトムリはブラックホールから祖国を守るため、コズミックプラズマ高主砲(字は違う可能性あり)の開発に尽力していた。それはブラックホールをも消滅させるほどの威力を誇る化学兵器だとポトムリは簡単に解説する。

 完成まで後一歩というところで、研究は行き詰まってしまったとポトムリは往時を思い返す。



 構造的には完成を見ていたのだが、コズミックプラズマの高出力に耐えうる金属、ミスリルの開発が間に合わなかったのだ。

 キエル上層部は故郷再建の可能性を未来に残すため、カトラ姫だけでも避難させようと考える。そのためポトムリたち科学者はブラックホールの引力にも負けない救命艇を建造する。

 だがロイヤルデューティーの意識が強いカトラは自身だけが逃げるという行為を潔しとはしなかった。彼女はこの星の王女としてこの星と運命を共にするという強い信念を持ち、それを曲げようとすることは誰にも出来ないことであった。

 そしてカトラは生き延びるべきなのは自分ではなくポトムリだと告げる。ポトムリには多くの人を救うことが出来る能力が備わっている。それをいつか同じような境遇の星を救うために役立てなければならない。そのためにも今生き延びるべきはポトムリなのだと、カトラは諭すように言う。


 屈託のない笑顔でまだ見ぬ他の星の人の運命を託すカトラの、その笑顔の裏にある強固な信念には、カトラの生存をこそ第一にと考えていたポトムリといえども逆らうことは敵(かな)わなかった。



 カトラへの感謝の心を持って脱出したポトムリだったが、ブラックホールの力は想像以上のものがあり、ポトムリも肉体を失って魂だけが逃げ延びた。その辺の話も以前に語られた。

 ポトムリはそのような過去があったことを踏まえ、だからこそカトラが生きていることなどあり得ないと言い切る。


 ポトムリの気持ちを慮(おもんぱか)りながらも、それでも天馬はカトラが確たる意思を持って自分たちを導いてくれていると話す。

 だがそれを聞いたポトムリが見せた態度は意外なものであった。



ポトムリ「ならばなぜ君なのだ!?」


 カトラが自分たちを導いてくれるつもりなら、生前誰よりも自分を信頼してくれたカトラが自分の前に現れないのはおかしいとポトムリは怒りを込めて語る。それは今カトラの薫陶(くんとう)を一手に受ける天馬に、まるで嫉妬しているかのような態度だった。

 そう言われて天馬は返答に詰まる。なぜカトラが自分を選んだのか? それは天馬自身にも分からないことだからだ。ポトムリは繰り返し、カトラが生きているとは思えないとつぶやく。それは自分の前に現れず、天馬を選んだということを信じたくないと言いたげな表情に見えた。

 ポトムリの意外な態度は、天馬を混乱させる。



 次回に続く。



  エンディング



 ブログ更新が遅れに遅れて本当に申し訳ない。仕事がものすごく忙しいのが主因だけど、実は他にもいろいろあるのです。まぁ言い訳にしかならないので詳細は秘すけど、今後も見に来て下さると嬉しい。

 あと今回はゲーム版『イナズマイレブンGOギャラクシー』発売後の初めての更新となる。ゲームを進めている方はもうストーリーの真相まで知っている人もいるかもしれませんが、出来ればアニメでのネタバレ以上の言及は避けていただけるとありがたいです。



 本題。サザナーラ編が終了した。かなりの強敵だったけど、皆帆のものすごいいい加減な作戦で見事に勝利した。ハッとしてグー作戦には失笑だけど、詳しくはお父さんお母さんに。


 前回は瞬木、今回は皆帆とソウルの力も順調に増えている。味方も強化されているものの、敵もその分強くなることが予想される。サザナーラの能力は驚異だったけどサッカーの能力自体はその分低かったのかもしれない。ヒラリの活躍の場面もあまり無くってその辺は残念だったかも。九坂だけは彼女の顔は二度と見たくないだろうけど、再登場して欲しい敵キャラではある。



 あと最後のポトムリの正体。あんなイケメンだったとか、後からそんな設定を見せるのはズルいよね(笑)。ピエロみたいなキャラというのが定着してたから。三木眞一郎さんの声は海外ドラマとかの吹き替えで好きだったけど、二枚目も三枚目も出来る人だから良い役どころ。

 彼が科学者だったという設定は私の予想通りだったので嬉しい。彼がカトラの死を疑わないのは「あれだけ認めてくれた自分を差し置いて何で天馬のところに出てくるんだよ!?」というヤキモチなんじゃないかなぁと。



 次回は灼熱の惑星ガードンが舞台。砂、水と来て今度は火か。新たな紫天王の姿もあったし、アースイレブンにはまたも厳しい戦いが待っていそう。




 ベストイレブン国民投票、MF部門はやはり主人公の天馬が安定の1位獲得だ。現役の神童が4位というのは意外だったけど、鬼道やアフロディの人気の高さも分かる。追加招集の募集もあったけど、もうとっくに応募も終わってるので省略。ブログ更新が遅くてリアルタイムな情報じゃなくてごめんなさいね。




 このピクシーたちの対比がすごく可愛くてほのぼのして和む(^▽^)



  次回「灼熱の惑星ガードン!」に続く。



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