2005-01-29
■[本]「先生はえらい」内田樹
自分なりにずっと持っている「学校」のイメージというものがあって、それは二人の人が道の上で遭って、年かさの一人が何かを道の上に指で描いて、それをもう一人がじっと見ているというようなものなのだ。わたしにとってそれ以外の要素は「学校」に重要なものではない。そのイメージをこの本はきもちよく語ってくれる。内田氏の「他者と死者」のおさらい本にもなる。
レヴィナス先生のことは書かなかったんですね。
個人的に愉快で大笑いをする箇所多数。
それにしても内田さんは「担保」という言葉が好きだなぁ。それと豚肉200グラム600円は、ちょっと贅沢ですね。
■[本]みたび「僕の叔父さん 網野善彦」中沢新一
終盤、中沢氏の曾祖父「紺屋徳兵衛」から西と東の差別の様相の違いに発展していくあたりがまたおもしろい。南方熊楠→柳田国男「毛坊主考」→紺屋が藍染めに人骨を使う→紺屋と非人の関わり。網野さんの話から精神的DNAが励起し、折口信夫の「葛の花」の歌が口からこぼれる中沢さんがイイ。学者というよりアーティストよね。その歌を「人に踏まれて臓物を出した葛の花」「婆娑羅な光景」と受けとめるところが刺激的。ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」のラストを思い出した。「終章 別れの言葉」では「精霊の王」が出来上がって送ったとき、病を押して電話口に出た網野さんのエピソードが紹介され、ふたたび涙。涙でした。
■[芝居]千年王國「SL」
http://www1.odn.ne.jp/so-info/
劇団千年王國「SL」をポルトホールで観る。2003年に教育文化会館で観たものの再演であるが、箱、装置がかわるとともに、(前回の装置はすごく好きだった。)脚本も大幅に改められていた。細かいことをいえばいろいろあるが、やはりぜんたいに橋口さんの本の堅固さや、役者さんが、キャラが立つというようなタイプの人たちではないのに「見せる」ところがいい。前回弱かった全体のエピソードが、今回は凝縮され濃厚になっていた。その分ベタな感じもあったが…。今回も柴田智之さんはよかった。息苦しいような動きがいい。まだ相当若いらしい。年齢をきいてとても驚いた。村上水緒さんは顔も好きだが声がよい。梅津学さんは甘ーい声。これからよけいなものが削られいてくといい感じになるのだろう。北海道で2000円以上払っても腹が立たないのはここくらいかも。東京公演の評価や如何。
観たあと、某劇団員でダンサーでもあるMちゃんと、もと某劇団のNMちゃんと「まねき猫」でごはんとお酒。チーズの刺身が美味。→ここ。
過去にMちゃんの出たお芝居でとりふねは歌を入れました。→こんな。MちゃんとNMちゃんは「すべての犬は天国に行く」で共演した。ふたりとも思いっきり強いキャラクターのステキな役者さんです。短い時間だったが、楽しかった。NMちゃんとは俳優の好みが同じ傾向にあるということがわかった。ふたりとも今気に入っているのはオダギリジョー。
uchida
2005/01/29 22:19
はじめまして内田です。「担保が好き」と指摘されて、「はっ」と胸を衝かれました。この半年ほどうちの大学(業界)ではやってる言葉なんですよね、これが。季節的に「ゆ担保」という語感に親近感があるせいかも・・・いずれにせよ、ご指摘いただきましたので、これ以降はあまり使わないようにしますたんぽ。(最後の悪あがきたんぽ)
amenotorifune
2005/01/29 22:46
あっ内田先生、さっそくのコメント恐縮です。「担保」については、ただ多いなと思った程度ですので、そう気になさらないでください。これからも愉快爽快な本を楽しみにしています。「他者と死者」はさらに何回か読みたいと思っています。
