おはようからおやすみまで くらしに競馬を広げる

2012/05/11 (金) ろーえんめいでん

[][]今週の出走馬

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ブライダルコーラス(木曜大井・東京プリンセス賞5着)

前走浦和の特別戦で強い勝ち方をしたことを受けての、強行軍の出走。桜花賞でも上位とそこまで力差は感じさせないレースだったし、単勝万馬券という低評価だったけど距離延長+不良馬場で実は結構楽しみにしていた。

レースでは、さすがにこのメンバーで外からハナを切るだけの力差はないので、中団後ろから。3〜4角で前との差がぐんぐん開いていき、上位争いは諦めているとそのタイミングで映像からも完全見切れてしまった。もうどこにいるかわからないのでアスカリーブルとエンジェルツイートの闘いを見ていたら、なんとそこからグイグイと追い込んできて最後はコテキタイを追い詰めたところで5着入線。臨戦過程も厳しく馬体も思うように増えず、強い調教も課せない中よく頑張ってくれた。

プロデューサーさん! S1競走で掲示板ですよ! S1で掲示板! 南関東牝馬クラシックも今のところ皆勤*1

この後は一旦在厩のまま秋を目指して休養に入り、目標は恐らくロジータ記念戸塚記念あたりかな。折り合いがつくので距離延長も心配ないみたいだし、ぜひとも大きいところで今度こそ上位を逆転できるように頑張って!

ヴィルトゥオーサ(日曜東京・未勝利/ダート1600)

待ちに待ったデビュー戦。脚元が悪く思うように調教が進まなかったり、疝痛を起こして開腹手術をしたり、本当にハラハラやきもき続きだった。

ようやく入厩にこぎつけてからは、厩舎で大事にしてもらえたこともありゲート試験〜デビューまですんなりとステップアップ。ただしやっぱり体質の弱さは折り紙つき、まともに仕上げることもできないままのデビューとなってしまってはいる。

それでも調教タイムは悪いものではないし、気性もレースに向いている感じはするので、このレースでとは言わないがなんとか勝ち上がって先につなげてほしいところ。

トルバドゥール(日曜東京三条特別/500万下/ダート1800)

実質降級前ラストチャンス、なんとか勝ってもらいたいところ。相手もこれはどうにもならないという馬もいないし、得意の左回り&直線の長いコース。というか、競馬チェックの金子さん曰く

中山競馬8R 単勝1番人気の2番トルバドゥール(1.9倍)は以前も右前の蹄に不安あったが、今回また鉄橋蹄鉄装着してる。飛節の折が深く腰の位置も低い。トモの押し出しが弱いので、内で包まれると今日は抜け出せないかも。。見送り。

競馬チェック!ブログ - 2012/04/08【パドック直前情報】中山8R 1番人気診断


とのことなので、左回りは実は関係ないそうな。どっちにしろ、もう少ししっかりと走れるようになってからが本格化、ということには変わらないみたいだけれど。ブライダルコーラスがお休み中に屋台骨になってもらわないといけないんだから、ここらあたり一発ぶっこぬいていただきたいものだ。

*1:尚、関東オークスは回避予定

2012/05/05 (土) 拘束馬場

[]もう一度、芝コースの高速化と競走馬の怪我について

ジャガーメイルが骨折、全治3カ月以上

ナムラクレセント屈腱炎、現役続行か協議へ

フェイトフルウォー、脚部不安を発症*1

春の天皇賞を使った馬に続々と故障馬が現れ、同日の牝馬限定芝1800の1000万条件で1.44.7という驚愕のタイムが出るなど、近年でも屈指の好タイムが出る馬場となっていたため、その原因が高速馬場にある、という意見を耳にすることがこの一週間とても多かった。

スピードの出る芝コースを走って脚に負担がかかったために故障した、という因果関係を推測している人が多いみたいだけれど、私は長年「高速馬場が原因で馬が怪我をした」というのはかなり怪しいと思い続けている。スピードが出る馬場で目一杯走らせると脚元に負担がかかりすぎるというのであれば、能力のある馬であれば軽く11秒台をマークし、10秒台が出ることもあるポリトラックコースの調教は非常に危険なのではないか。もちろん、美浦栗東のポリトラックコースを走らせた馬に故障馬が続出、というニュースは聞いたことがない。競馬場の芝コースは路盤が硬い、だから脚元に負担がかかるというのも、データが明示されている例はなく個人の印象論以外で聞いたことがない。実際に騎手調教師、または競馬場の職員が芝コースの路盤が硬くなっているために競走馬の危険を訴えた例を知っている方がいれば、ぜひとも教えていただきたい。

もちろん直接的に何が原因で上記の3ケースの故障が起きたかは立証されていないし、もしかしたら下り坂のコーナーで急加速するなど脚元に負担のかかりやすいレース展開が起因したのかもしれない。そして、走破タイムと故障率の相関関係がないことは、データで示されているそうだ。*2

では、どうして日本の芝コースのタイムはこうもスピードが出るように改良され、そしてファンが「高速馬場が馬を故障させる」と声を上げながらも維持され続けているのだろうか。

「高速馬場で早いタイムで決着するレースで勝てる馬を育てる日本のレース体系では、タイムの出ないヨーロッパの大レースで通用する馬は作れない。レコードタイムを連発して日本の馬の強さをアピールしたい馬場造園課は狂っている、故障馬も続出しているし早くスピードの出ない馬場に作り変えろ」というような意見を目にすることは、こういうことがある度の恒例行事みたいなものだ。なぜ日本の芝コースはヨーロッパのようなタフなコースに作り変えることができないのか――それは端的に説明すると、気候が違うからだ。日本の夏はとても暑く、丈が長くタフな洋芝を育てるのには向かないのである。中央4場がある本州や九州の夏場は連日30度を超えるのが常で、そんな暑さに晒すと洋芝は軽く全滅してしまう。そのため日本の競馬場の芝コースは、だいたいが洋芝ではなく暑さに強い野芝で敷き詰められ、これが超高速馬場の原因となってしまっている。本州より夏の暑さが和らいでいる北海道函館競馬場札幌競馬場では、野芝ではなく洋芝中心の芝コースで、これがタイムが出ないコースであることは有名なことだろう。競馬開催中芝コースはG1レース以外にも何度もレースが行われ、その間をボコボコではない良好な状態に保つために野芝を張り巡らせた結果が、天皇賞当週の京都競馬場、ということになる。

というわけで、スピードが出る馬場は決して悪いものではない、スピードが出ようが出まいが安全な馬場状態を日夜目指して努力している馬場造園課を、私は応援しています。

オマケ

水上学氏のブログなどに何度も登場する「緑の砂」、アレって実在するんですね。ボコボコになった芝コースにオジちゃんオバちゃんが土をまいているのは知っていたんですが、肥料+コースの均質化のために普通の茶色い砂をまいていると思っていたんですよ。馬場開放で芝コース歩いた時も緑の砂なんて見たことなかったし。ところが。

これが芝コースにまかれるウワサの緑の砂だ!

緑の砂……実在するらしいですよ。普通の土ではなく緑の土をまくと見た目がよくなるから、らしい。本件について、たびたび「有りもしない緑の砂の存在を喧伝する水上学氏」という書き方を何度かしてしまっていると思うので、これに関しては大いに反省せねばならんことですねぇ……。

*1:この後、屈腱炎ではなくて腱鞘炎だったと判明

*2:孫引きになるので引用文は載せないが、栗山求氏のblogに「コースの鬼!」からの引用が記載されている。 http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/06/post-bef1.html

2012/04/30 (月) おるへい

[]オルフェーヴル「謎の敗戦」についてと、その他第145回天皇賞雑感

まんまと逃げ切りを決めたビートブラックは獲らえられなかったかもしれないが、11着に大敗するのは体調が悪かったり馬場が悪かったり、馬本来の能力を発揮できていなかったから、調教師騎手も「今日はいつも通りじゃなかった」というコメント出してるし。そういった「末脚不発」「謎の敗戦」という言説がまかり通っているわけですが、個人的にはそのあたりのコメントや記事は鵜呑みにできないなーという感想を持っている。

まず、オルフェーヴルがどうして11着という大きな負け方をしたのか。戦前にリスクとして考えられていた阪神大賞典のような逸走をしたわけでもないし、引っかかってスタミナを消耗したわけでもないし、不利があって脚を余してしまったわけでもないし。じゃあ、どうしていつものような豪快な末脚が鳴りを潜めてしまったのか。

以下、いつも個々の馬のラップタイムを映像から解析して作成しているMahmoudさんのデータが正しいという前提に基づいて考察・意見をします。そのデータはJRAが発表する公式記録とは異なるものであるので、あらかじめそのことをご理解ください。

まずは、キーとなる各馬のラップが解析されているので、それをグラフにしてみる。

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縦軸が1Fごとのラップタイム、横軸が全12Fの時間の経過を表している。

ビートブラックが平均的なラップを刻んでいるのに対し、オルフェーヴルやウインバリアシオンは後半に行くにつれて急激に加速していっていることがわかる。

確かに、毎度下してるウインバリアシオンを差し切れないなんて何か不可解な気もする。とはいえ、オルフェーヴルがスパートする13F〜14F、800〜400の地点ではウインバリアシオンより早いラップタイムで差を詰めており、ここでは差し切れる勢いだったのかもしれない。だが、すぐにオルフェーヴルのラップタイムはウインバリアシオンより遅いものとなり、脚が上がってそこからは他馬と同じ勢いとなり雪崩れ込むように入線、という事態となってしまった。どうしてこうなってしまったのか。菊花賞では常に前を射程圏に入れながらの競馬で、無理なく自分のペースで折り合いもピッタリ、最後は自ら前を潰しに行って完勝。ところが、天皇賞では幾分力んで走っていたようにも見えるし、騎手手綱をややガッシリで引き気味に持ち、道中ではコースを邪魔されない外へ出す気配もなし。やはり外に出しての逸走のリスク騎手の頭の中にあり、それを排除するために菊花賞阪神大賞典と違うややインに構えての後方待機策を選んだんだろうか。恐らくは、大きく開きすぎた前との差に危機感を持った騎手がそれを何とかするために先の2レースとは違う急激な加速をし、コース取りもクレスコグランドにぶつけて無理矢理外に出すわ、直線入口では誰も通っていないような大外に出すわでてんやわんやの結果、直線ではバタバタになって、報じられてるようなコメントになってしまったのではないか。*1

2周目向正面の坂の上りで動かして行ったのですが、いつもの反応がなくて、坂の下りを利用して加速させようと思ったのですが、いつもの伸びはありませんでした。直線で4、5回、脚を取られていました。馬場が硬くて、芝丈の長い、今の京都馬場も合わないようです。

【天皇賞・春(GI)】(京都)〜オルフェ惨敗、14番人気ビートブラックが制し大波乱 - ラジオNIKKEI

坂の下りは13F目の10.8、ここはウインバリアシオンが10.9、トーセンジョーダンも10.8。確かに新潟直千級の加速をしてるオルフェーヴルだが、他の馬も同様に動いては伸びるわけがない。ましてや外を回ってのもの。プラス、次の1Fも一頭離れた大外を通って11.3。分かりやすく例えると、だいたいスプリンターズSをぶっこ抜いた時のデュランダルみたいな競馬。それまで糞ペースとはいえ長距離を走って、なおあと1Fあってしかもダントツの一番人気でそれに応えなきゃいけない三冠馬様という立場。バタバタでも必死に食らいついて、脚取られてでも負けないという闘志、オルフェーヴルはよく頑張った。

んまあG1でありがちな「池添ヘタクソ」で済めば問題ない話ではあるんだけれど、なんというか後味が悪いのは、やっぱり騎手を含めた陣営はオルフェーヴルを全然信頼していないし、天皇賞がどんなレースになるか楽しみにしていたのに三冠馬がそれに全然参加する気がなかった、ということだろうか。菊花賞だって有馬記念だって阪神大賞典だって、外を回して常に前を射程圏に入れながら競馬をしていたのに、逸走をやらかしたこのレースでは前を行く馬を野放しにして「自分の競馬をすれば勝てる」とばかりに折り合いに専念し続け、結果的に逸走しないというオルフェーヴルとの勝負に陣営は勝つことはできたが、天皇賞というレースでは大惨敗を喫してしまっている。競馬はオルフェーヴル一頭だけの物語ではないし、オルフェーヴルだけの物語を見たかったわけではない。

ところで、オルフェーヴルの追い切りが調教再審査のコース追い以降も坂路に入れて、しかも騎手乗せて追い切ってるのはどうしてなのかご存知な方いらっしゃいませんかね? 阪神大賞典でも引っかかってハナに立っちゃった感じだったし、それなのに追いオリーブのごとく熱い坂路調教ファサーな仕上げはどういうことなのと思っているんだけど。

さて、オルフェーヴルの敗因に関しての話はこんなところで、その他天皇賞に関しての雑感をいくつか。

まず、ユニバーサルバンク田辺裕信騎手。馬群を引っ張って4番手だった田辺氏が3割くらいは戦犯な気もする。前とは異質な競馬をしていた後方集団の基準となった馬で、超スローでもこの馬が前を追いかけていかなかったあたり、空気を演出したくらいの仕事はしていた。ユニバーサルバンクを指標に競馬を見てみると、ビートブラックを除いた上位がトーセンジョーダン、ウインバリアシオン、ジャガーメイルギュスターヴクライとまともに勝負圏内の馬が占めているし、その順番で5着にユニバーサルバンクで掲示板を作ってみると「オルフェーヴルが競馬にならなかった結果」っぽくも見える。「前は飛ばしているし、自分がこのペースで前を獲らえきれる」と踏んでいたであろう田辺氏は、失速したゴールデンハインドをキッチリかわせているので騎乗のセンスとしてはギリギリ及第点と言えなくもないのではないだろうか。また、ビートブラックに追いかけられなければ勝てるつもりだった荻野琢真騎手の敢闘精神も讃えたい。終始オルフェーヴルに付き合いきりだったヒルノダムールも、相手はコイツと見定めてたわけで、ファイティングスピリッツは悪くないと思うが、付き合った相手が悪かった。結果その馬と同着なんだから、仲良くロンシャンにでも行けば良いのではなかろうか。オルフェーヴルより後ろの位置取りでしかも後の入線のローズキングダム後藤浩輝騎手、コスモロビン柴田大知騎手はちょっと何がしたいのかよくわかりませんでしたね。もうちょっと頭を使って競馬に臨んではいかがでしょうか。クレスコグランドは、3〜4角でオルフェーヴルが加速する時にぶつけられて、その後失速したんで走る気を途中でなくしてしまったんだろうか。春のG1では立て直し含め狙えないかもしれないが、また秋には期待できる。せめて行儀よく走ろう、三冠馬

何はともあれ、勝ったビートブラック石橋脩騎手の手腕はお見事の一言だし、ビッシリ仕上げた中村均調教師も素晴らしいと思うし、とにかく勝った馬・陣営には本当におめでとうございます。今度は儲けさせてください。いやいや、散々「ビートブラックドバイゴールドカップ行きましょう」と言っていたものの、出なくて良かったなーと心から思った。秋はメルボルン凱旋門賞らしいので、また熱いレースを期待したいですね。

*1:これはMahmoudさんも指摘されている