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2011/10/24 (月) 三冠シオン

[]ベルシャザール菊花賞大敗理由がノドの病気だった件

菊花賞で6番人気で5.3秒差の17着に敗れたベルシャザール、敗因は後藤騎手によるとDDSP、軟口蓋背方変位という喉の病気の一種で、息をする時に喉が鳴るわけではないので喉鳴りとは違うもの、だったそうだ。

【菊花賞】戦い終えて(スポニチ)

▼17着ベルシャザール(後藤)DDSP(ノド鳴りの一種)の馬で、きょうは舌を巻き込んじゃって…。向正面でガス欠でした。

DDSP(こちら栗東編集局)

今週、取材時にDDSPという言葉が出てきた。「前走はレース中にDDSPを発症してしまい、レースにならなかった」ということ。一応、競馬記者の端くれである自分はDDSPという言葉くらいは知っている。ノド鳴り喘鳴症)の「ヒューヒュー」という音とは違って、「ゴロゴロ」という音がして、息がしづらく、または息ができなくなる病気で、ノド鳴りとは違って、常に発症しているわけではないということまでは把握していた。

状況としては、社台の会員ページにもベルシャザールのDDSPの話は菊花賞翌日昼現在出てないそうで、水上学あたりも知らなかったと騒いでいることからも、恐らく近い関係者のみで共有していた弱点で、乗り役の後藤騎手には知らされていただけ、だと思う。

さて、レースが終わるまでノド鳴りDDSPの事実を公表していなかった松田国英厩舎陣営に、みなさんどのような印象をお持ちだろうか。色々な反応を見ている限りは、馬券を売ってるのに疾患を隠すなんて信じられないとか、公正競馬としてこれはどうなのとか、まあ失望しただの汚いだのそういう感想が散見されるわけです。

もちろん、レース前に知っていれば息遣いが悪くなって失速してしまった馬券なんて買うわけない、買ってしまった人がかわいそうという意見は一応理解はできる。が、今までダービーだってセントライト記念だってちゃんと走りきれていたわけだし、病気持ちで多少のリスクはあっても陣営だって十分勝てる、オルフェーヴルを止めるのはウチの馬だと思って菊花賞の舞台に送り出したんだろうと思うと、陣営を責める気にはなれない。跨った後藤騎手も、DDSPで息が切れなければまた違った結果になると思っていたからこそベルシャザール手綱を取ろうと思ったんだろうし。

実際、菊花賞の前の週にデビューしたアリエスプランサーという2歳牝馬も、デビューの5日前に「DDSPの気があるようです」とキャロットクラブの公式サイトに記載されていて、それでも「本番では舌を縛って対処する」「競走能力にそれほど影響するレベルのものでもないから心配は要らない」とレースでは問題ないという見解を示し、最後はしっかり「初戦からいい走りをしてくれるのではないかと楽しみにしています」とレースに期待を寄せる旨を武藤調教師も表明している。つまり、おそらくベルシャザールの陣営もレースに挑むにあたっては十分な状態であったと判断したのだろうと推測できる。

そのDDSPという病気のことを公表しなかったのはなぜか。これは、陣営が把握した時期にもよるけれど、JRAの発表に載るわけでもなければこれまでのレースで敗因となったこともないわけだし、リスクとして公表しなかったのは英断だと思う。むしろ、JCのハーツクライのようにレース前に新聞紙上などで公表してしまうほうがレース後の不公平さを助長するし、むしろ「競走能力に大きな支障があると認識している状態でなぜレースに使うのか?」という疑念を抱き、負けても勝ってもスッキリしないのではないか。もちろん、今回の件について松田国英調教師リスクであることを認識し、実際こういうことになってしまったことに対する事後の説明責任はあると思うが、こと博打の公平性に関しては問題なかったと思う。

じゃあ、主催者がちゃんとそういう競走能力に関わるリスクを管理し、公示すべきだという意見もわかる。しかし、競走能力に大きく関わる内容であれば、鼻出血のように有無を言わさず競走除外とし、それ以外は出馬表に載る以上は万全で勝てる状態で出走させます、ゲートをくぐらせますという建前は博打の胴元として正解であるかな、とも思うわけで。一応、ベルシャザールはちゃんと完走しサンビームに先着しダノンミルにも2馬身半差なのだから、競走除外にする程致命的なものでもないし、あとは競走中のアクシデントだから「競馬は何があるかわからない」という魅力、と言えないこともない。*1

「知ってたら買わなかった」という言葉は、つまり「負けそうだと言ってたのに何で勝つんだよ」という言葉と表裏一体である。

いずれにせよ、今回のベルシャザール菊花賞挑戦の経緯に関して、陣営に拍手を送りたいと思う。そして、三冠挑戦お疲れ様でした、忙しい時間が過ぎ去ってゆっくりDDSPを治し、また次のレースで完璧な状態の、あの屈強なベルシャザールが見られることを楽しみにしています。

*1馬券を信頼して買えないってのは、ちょっと乱暴かな。そもそも信頼して買うモンでもねーし

うんちうんち 2011/10/25 07:01 > さて、レースが終わるまでノド鳴りの事実を公表していなかった松田国英厩舎陣営に、みなさんどのような印象をお持ちだろうか。

ノド鳴りとは違うと直前のソースに書いてあるが・・・

americanbossamericanboss 2011/10/25 10:26 失礼しました、DDSPに訂正しました。

まよまよ 2011/10/28 23:24 厳密には、「ノド鳴り」は症状、「DDSP」はその原因となる疾患(の1つ)というのが、正しい把握かと思います。
もっとも、「ヒューヒュー」と音がする方のノド鳴り(喘鳴症)を狭義の「ノド鳴り(喘鳴症)」ということもあるようで、それがまた話をややこしくするのですが。
今回の件、DDSPってのがよく分からない病気&ノドの疾患が実は罹患者(馬)が多くて、競走能力に影響する症状が発症している馬が少ないというだけということが知られていないのが根本的な誤解につながっているんじゃないかと思います。

americanbossamericanboss 2011/10/30 23:47 なるほど、DDSPもヒューヒューとは鳴らないけれどもゴロゴロと音が鳴っているので、ノド鳴りの一種ということですね。
そういった専門的な内容を必ずしも全員が知ってるわけではない、という前提はあるわけですからね。ただ、素人が「よくわからないけど病気なのに出走させて金返せ」と言うのと、水上学みたいな専門家が似たようなこと言うのはまた違いますからね……。

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