種子島・鹿児島・宮崎旅行記:4日目

3時間ほどの睡眠の後、観測ポイントへ移動。雨はすでに止んでいた。
車を降りて空を見上げると、一部に雲が残ってたけど、晴れの領域は眩いばかりの星の洪水。そして何かの流星群だったのか、流れ星が何個も尾を引いて落ちていった。たぶん死ぬまで忘れることのないような空。それは隣に君がいたからです…(C)ふたつのスピカ。とは違うけど、星降る夜ってのは本当にあるんだね。この空を見ただけではるばる種子島まで来た甲斐が十二分にあったと思えた。
車中でさらに仮眠をとった後、観測ポイント付近を移動。夜空が段々と朝焼けにとってかわられていく様の何と見事だったことか。

夜が明けるとすることもなくなり、Jaxa Mobileや2chを眺めて打ち上げ情報を確認しつつ、その時をじっと待つ。ジリジリと焦れるような時間が過ぎていく。
打ち上げの30分ほど前、何となく一人で見たくなり、カメラをセッティングしている友人とは別の場所へ向かい、首尾よく見つけた場所で待つ。
そして1分前。携帯が震える。こんな時に誰だと一瞬思った後で、目覚ましをかけていたことを思い出した。それから先の1分は人生で最も長く感じられた1分だった。まだロケットに火がともらない。何の反応もない。ここまできてまさか…不安が最高潮に達したその時、

2007年9月14日10時30分01秒


点火。
ロケットの下に火が灯り、一瞬遅れて体を震わせるほどの轟音が聞こえてくる。

発射。
50m・300トン超の巨大な物体が浮かび勢いに乗って空に飛んでいく。
音は更に大きくなり、そのエネルギーの一端を感じさせる。
目の前で見てるのに現実感を失う光景。

空へ。
宇宙へ。
かぐやを乗せ上昇を続けるH-IIA。雲は薄く、ただひたすら空へ昇っていくロケットを見ていた。
体中を形容できない感情が駆け巡り、気づいたら叫んでいた。目頭も熱くなっていた。
そしてロケットの本体が見えなくなったところで再び友人と合流。打ち上げ成功を喜びあった後、車に戻る。
しばらく渋滞していそうだったので車中で待っていると、IHIの人やらもいたみたい。ロケット自体は三菱重工のはずだけど何かかかわってるんだろうかね。

打ち上げ後

どうするか全く決めてなかったけど、日本近海の低気圧が台風になって北上していて、それに捕まると帰れなくなるかもしれなかったので、友人と別れ一足早く鹿児島に戻ることに。トッピーは無事に出航。途中で屋久島によってしばらく滞在時間があったので下船しようと思ったらそれは無理ですと止められた。土産物を見る時間ぐらいくれてもいいのにね。なんて思いつつも大人しく船内に戻り、鹿児島に到着。

宮崎へ

港から何となく徒歩で鹿児島中央駅へ。霧島温泉か九州最南端の駅で悩んでたんだけど、たまたま乗った電車が宮崎行き。そして運賃も普通列車なら2000円だったので、せっかくだから行ってみるかと思い宮崎へ。霧島神宮駅を超えたあたりでは青森でみたそれを超えるような森の深さ暗さに驚いた。

宮崎にて

駅から歩いて15分くらいだったか。目抜き通りにあったホテルにチェックイン。この旅でネットカフェは卒業かもしれないな。そして、宮崎へ来たはいいものの、何をするかまったく目星を付けてなかったので、情報を仕入れるために駅の本屋へ。そして本屋を後にすると、いい加減何も食べずにいて腹が減っていたので飯屋を探しにホテルの付近へ戻る。何となく路地裏にあった雰囲気のいい店で夕飯。入ると客は自分だけだった。まだ若く、自分とは正反対のポジティブな店主さんと談笑しつつ夕飯。何とか成功してほしい類の人だったね。そして夕飯後はホテルに戻り、ガイド本を眺めるうちに就寝。