ほーこれが所謂二日酔いという奴ね。
 と思うのが今年に入って軽く三回目くらいになるだろうか。立派な駄目人間になれそうだ。人間の体重の約70%が水分と聞いた覚えがあるが、今朝は本当に自分の体が水を一杯汲んだバケツになっているのを実感した。少し動くと、中の水が少し遅れてちゃぽーん、とついてきて、行き過ぎてちゃぽーん、と戻って、エネルギーが収まるまでいちいちちゃぽーんちゃぽーんやっているのだからたまらない。起き上がってちゃぽーん(×6回くらい)、立ち上がってちゃぽーん(×6)、珈琲を淹れるなどという高度な動作になると、ちゃぽーん同士がぶつかり合うことによって新たなちゃぽーんが発生し、複雑怪奇なるちゃぽーんの渦が議論で弱った脳を苛む。古の酒仙達が二日酔いの朝に、遠心力でちゃぽーんを固定せんと、イスラム神秘主義スーフィーのごとくその場でくるくると回ったという故事もあながち嘘ではあるまい。
 まあ、故事っつっても今朝考え付いたのですけど。

 見つけて、読みたい本。

玻璃の天

玻璃の天

同じシリーズの『街の灯』街の灯 (文春文庫)はかなり良かった。舞台設定は武田泰淳の『貴族の階段』貴族の階段 (岩波現代文庫)と似ていて、戦前、というか大正なのかな、の特別恵まれた家庭である程度進歩的に育てられているお嬢さんが語り手になっている。中で言及される『虚栄の市』虚栄の市〈一〉 (岩波文庫)も読んでみたが、これは少女漫画のよう。ちょっとどんくさいけど裕福な家庭で幸せに育てられたアメーリアと、家柄は良くないけど機知と才覚とセンスでのし上がっていくレベッカ、二人の女性の波乱万丈な半生を描く。少女漫画みたいなので、途中でかなりどうでも良くなること請け合い。