NC旋盤導入

最近更新も滞り気味ですいません。年末の忙しい時期に加え、職場では新しい機械の導入がありまして相当ばたついてる感じなのです。
今回導入した機械はオークマ製NC旋盤「LB4000EX」という機械で、コンピュータ制御でシャフトや円盤を削り出したり・穴くり加工やネジ切りなどをする機械です。金属加工の世界では今や新規に販売される機械の90%以上はコンピュータ制御式という状況らしいです。しかしうちの工場では今まで職人の手作業で行う人的制御の機械しかなく、今回初めてコンピュータものが入ったという形。ぶっちゃけ、私以外の人は全員「コンピュータなんて触りたくもない」な人たちなので、しばらくは私の専用機になりそうです。
こんな厳しい不況の時代に新規導入か?と思われるかも知れないですが、導入が確定したのが今夏でちょうどアメリカのバブルが弾ける直前くらいの時期でした。古い機械の更新自体は決まっていたのですが、入れるタイミングとしては若干悪かったのかもしれないです。オークマの人が言うには、11月に入ってから注文がパタリと止まったという話ですし。まぁ、景気とか先の話を考えてたら機械なんて買えねぇよとうちの専務は話してましたけど。。。
とりあえず12/5(金)に納入、8(月)に据え付け、9〜12(金)までオークマの設置・説明担当の方と操作説明を受けてました。4日ではとても全ては説明しきれないので、最低限の説明を受けてあとは段ボール一箱分もある操作説明書群を読みながら現在格闘中なのです。何しろ工場内に他に聞ける人がいないので自分だけが頼りという状況で、正直とてもキツイ。でも、なんとなく非常に充実した感じがするのです。
初めは機械がくると聞いたときに、まぁ楽しそうだけどまた新しいことを覚えなきゃならないから非常に面倒臭いと思ってたのですが…実際に機械を動かしてみると思った以上にわくわくしてる自分がいた。何より、実際にプログラムを組んで動かしてみてモノができあがってくるという達成感やエラーで動かないときのもどかしさみたいなもの全てが楽しくて懐かしく、一度は離れてしまったプログラマの世界に戻ってきて「ああやっぱり自分はプログラマなんだな」と実感したのでした。プログラムを書く道は辛いことは既に知っているけれど、この充実感は否定できない。
今習得中のNC機械制御用言語というのがGコードという、プログラミング言語というよりはアセンブラ言語に近いもの。G0X100Z200と書くと(100,200)と言う座標まで早送り、G1なら切削送りというようにモロ機械語に近く、コードと処理自体の対応を覚えておかないとプログラムが理解できないところが難点。処理とコードが1対1なのでGコード精製用エクセルマクロでも組んでしまおうかなと思案中。もっとも、ある程度は形状を指定してプログラムを自動生成する対話型アプリが搭載されているのでそれで組んでしまうのがいいらしいのだけれど。
難しいこと自体は努力でどうにかしたいと思うけど…一つだけ不満があるとすれば。夜の工場は、空調の止まったオフィスよりもずっと寒い。知的労働には向きません、はい。

全景はこんな感じ。


刃物台とチャック(品物を回転させるところ)。どちらもまだビニールがかぶったところ。今は取ったけど。

操作パネルのデモ画面。これから作る品物を加工手順通りにリアルタイム3Dで表示、シミュレーションしてくれる。