選挙雑感

 おそらく自民党に投票するでしょうね。現在の自分の「熱意の配分レイヤー」( http://d.hatena.ne.jp/amourix/20100526/1274890806 )としては、1.経済政策が70%くらい、2.外交政策10%、あとはその他諸々といった感じ。基本的な見立てとしては、finalventさんのhttp://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2012/12/post-2895.htmlに非常に近い印象を持っていて、

三党合意の(1)消費税増税だが、私は、基本的には反対。
 だが、政権が安定しない状態となった今、単に反対というわけにもいかないし、長期的には消費税増税は避けられない。
 するとそこでの一番の問題は名目成長率を上げることで、最低でも2パーセントのインフレターゲットが欠かせない。
 その点で安倍自民党は、この間の話を聞いていても信頼に足るように思えた。ただし、自民党の他の政策はというと、相も変わらぬ状態。それでもその部分は次期参院選で、以前の安倍政権のように是正されるだろうし、実質三党合意以上の政治に手を出す余裕など日本にはないだろう。

という感じ。

 でも根源的に、私には経済政策がわからない。付け焼き刃の金融や経済学に関する知識からは、【何が本当に円滑な経済運営に取って正しい政策なのか】が見えてこない。というのは、学問的に厳密な意味で、最適解が自分には把握不可能だし、それらを専門としている研究者には適わないという意味で、根源的な無力感に襲われている。この無力感は、超絶的に根源的である。リフレで経済が良くなるの?そんなの知らんがな。経済学を専門にしている人間より精度の高い判断が下せるはずがない。原理的に。

 そもそも、【何が(どの政策が)事実問題として(合理的に)正しいのか】という「factsの確定」問題においては、プロの研究者に適うわけがないのだ。事実の認定は科学的に行われるべきだ。経済問題に関して、私の出る幕ではない。「市民感覚」なんてくそ食らえだ。その意味で、極論すれば、あらゆる人間はこの領域において無力である。私がなし得るとすれば、「どの問題領域が重要なのか」を決める「熱意の配分レイヤー」における意思決定、ないしは「(事実の問題ではなく、価値観や倫理やイデオロギーや規範の問題として)何を為すべきなのか」という規範的な意思決定である。これは、事実や科学の問題を超えて、己の意志によって、時に非合理的に道調べを選び取るべきだということ。この領域においてしか、市井の市民はポジションを確立しえないのではないか。

 「〜である」という事実の認定においては、自分の専門領域以外は口をつぐめ。科学を基本的に信頼する私は、本当にそう思うのだ。おまえが真剣に頭を使ってなし得る貢献がありうるとすれば、「何が重要な問題かに関する優先順位の振り分けという意思決定(熱意の配分)」、ないし己の価値に基づいてどうしても選び取るべき価値観を擁護するための「〜べきである」という規範的な意思決定以外にあり得ないのではないか。何が大事かを考えろ。どうすれば解決できるかは考えるな。そんな、悪魔の囁きが重くのしかかる。