RXRアゴニストのアルツハイマー病(AD)モデルマウスへの劇的な効果

ApoE-Directed Therapeutics Rapidly Clear β-Amyloid and Reverse Deficits in AD Mouse Models.
Cramer PE, Cirrito JR, Wesson DW, Lee CY, Karlo JC, Zinn AE, Casali BT, Restivo JL, Goebel WD, James MJ, Brunden KR, Wilson DA, Landreth GE.  Science. 2012 Feb 9.

ADにはAPOEを介するAβのクリアランスに異常が起こることが関係している。APOEはPPARγとLXRの活性化を介して誘導される。LXRはRXRと相互作用しており、本論文では、アゴニストであるベキサロテンのADモデルマウスへの効果をみている。
・ベキサロテン投与により不溶性Aβ量が72時間の段階で50%近く減少(fig1,fig4S)
・ADマウスでみられる文脈的恐怖記憶、MWMの成績低下がベキサロテン投与により改善。他にもNest constructionをみると社会性も改善している(fig3)
もし人間にも同様の効果が得られ、副作用が大きな問題にならなければ効果的なAD治療薬となるかもしれない。ベキサロテンは再発性皮膚浸潤性T細胞リンパ腫に臨床適応されており、エーザイが製品買収の権利を持っている。アリセプトの後継者になりうるのか、臨床での効果に期待。
2nd