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2013-04-22

BNSTの亜領域及び異なる投射経路が持つそれぞれの役割

23:00

Diverging neural pathways assemble a behavioural state from separable features in anxiety.

Sung-Yon Kim, et al. Nature 496,219–223 (11 April 2013)


様々な不安状態は、多様な神経系の出力によって調節されています。本論文では筆者らは最近はやりのBNSTに注目して、不安の調節を担うこの単一の脳領域からの投射が多様な不安状態をどのように調節しているのかについて調べました。

BNST全体を抑制すると不安様行動が減少し、活性化させると増加することを薬理学的に、また光遺伝学的に確認してから実験を行っていました。

大事な結果は以下の二つ。

○BNST内の亜領域について調べた実験。(Fig.1,2)

楕円型の領域(ovBNST)に特異的にNpHRを発現させて光照射すると、EPM test(高架式十字迷路試験)とOFT(オープンフィールド試験)で不安様行動が減少し、呼吸数も減少する。これはBNST全体を抑制した時と同じ結果である

・BLAの錐体細胞にNpHRを導入し、BLAからovBNSTを囲むように存在する亜領域(adBNST)へ投射する経路を抑制すると、各テストでovBNST抑制時と真逆の結果になる。

→二つの亜領域が正反対の役割を担う。

○adBNSTの異なる出力が制御する行動について調べた実験。(Fig.2)

(全てadBNSTにChR2導入してから各下流の領域で光照射)

・(BLA→)adBNST→LH経路を活性化するとEPM test とOFTで危険回避行動が減少するが、呼吸数は変化しない。また、光照射する場所としない場所で場所嗜好性試験を行ったとき、嗜好性は見られなかった。

・adBNST → PB経路を活性化すると呼吸数が減少する。(PBは呼吸を調節する部位。) 危険回避行動と場所嗜好性に変化なし。

・adBNST → VTA経路を活性化すると光照射する場所への嗜好性が高まる。呼吸数と危険回避行動に変化なし。

→adBNSTの各経路がそれぞれ異なる抗不安作用を持つ。


シンプルな実験でBNSTに関するいくつかの経路の役割をあっさり紐解いた印象ですが、不安とはもっと複雑なものだと思うので、さらなる研究が期待されますね。異なる投射先を持つadBNSTニューロンに違いはないか、普段はovBNSTからの抑制性入力を受けているadBNSTがいつどのような条件下で働くのか、漠然とした疑問が絶えません。




てっしー。

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