[Domaine Thomas MOREY]

ドメーヌ・トマ・モレ

2014年10月25日(土) 8:30
気温は5度程度で、建物を抜けていく風はとても冷たい。土曜の朝早くの訪問にもかかわらず、優しく迎え入れてくれたのは当主トマ・モレ氏。彼の祖父アルベール・モレから引き継いだドメーヌ建物の裏手にある彼が造ったモダンなテイスティングルームで2013年産をテイスティングする事となった。



ブルゴーニュ・ブラン、サントネ等は2014年産の収穫前に瓶詰を終えていたが、その他のキュヴェはバレルサンプルでのテイスティングとなった。

これらは2015年2月頃に瓶詰の予定との事なので、例年なら秋頃に日本での販売となるが、リリースが大幅にずれて日本入荷は2015年5月頃になる。2013年の収穫は9/29〜10/5にかけて行われた。


1.Bourgogne Chardonnay 2013
2013年産の生産量は28樽(約8,400本)。2012年産は39樽(約11,700本)だったので、少ない収量からさらに減ったことになる。この区画は年によっては樹々が凍ってしまうこともあるので、元々収量は多くないが、例年以上に厳しい収量となった。ただ、品質の高さは相変わらず。白桃、パイナップル、ハーブなどの熟度と清涼感のある香り、伸びのある洗練された酸度もしっかりとあり、ミネラル感も豊富。これらがしっとりと液体に溶け込んでいてACブルゴーニュとは思えない複雑性の高い見事な味わいを与えている。

2.Saint Aubin 2013
0.32ha所有。Champ Tirantという区画のほぼ中央の一部を所有。2013年は7樽(約21,000本)生産された。程よいミネラル感と酸、そしてフルーティさが感じられる。前出のブルゴーニュ・ブランよりも酸とミネラル感がすっきりとしたような印象。


3.Saint Aubin 1er Cru Le Puits 2013
サントーバン最小の1級畑で僅か0.6037ha。この畑をふたつの生産者が分け合っている。2013年は5樽(約3,500本)生産された。淡く輝きのあるゴールデンイエローからーでエッヂにやや緑がかった色合い。白い花、ハーブ、胡椒、桃、パイナップル塩漬けハーブ、レモン、ライムなどの柑橘系、鉱物、ハチミツ、麝香などの香りが印象的。



4.Chassagne Montrachet 2013
植樹は1989年や若木の区画などを巧みに使い、双方の良さを最大限に引き出したモダンでスタイリッシュな新しいシャサーニュのお手本のようなワイン。2013年は108樽(約32,400本)生産された。シャサーニュ独特の厚みと粘性がしっかりとありながら、エレガントでフィネス溢れる造りは2013年も健在。上質で品のあるナッティさに、とても熟した白桃、塩漬けハニー、パイナップル、白い花、ハーブなど

の要素がいくつもあり、ふくらみがある。余韻も長く、溌剌として爽やかな印象がとても長く続く。村名シャサーニュはピノノワールも植えていてそれらはChassagne Montrachet V.V Rougeとしてリリースされているが、通常のChassagne Blancの需要が余りに高いのでピノを抜いてシャルドネに植え替えたりしているので、将来的には今よりも増えるだろうとの事。



ちなみに通常であれば、2013年のリリースのタイミングでChassagne Montrachet V.V Rouge 2012がリリースされるはずだが、2012年は4度も、雹の被害を受けた為、残念ながら、このキュヴェは醸造に至らなかったそうだ。2013年産から再び生産されるとの事。


5.Chassagne Montrachet 1er Cru
Les Macherelles 2013
2011年からリリースされているこの畑は現在、借りている畑であり、契約面積は0.32haほどあり、Macherellesの畑のほぼ中央に位置する。樹齢は35~40年。2013年は8樽(約2,400本)生産された。
塩気を含んだハーブに梨、白桃や青リンゴ、パイナップルの熟したジューシーな果実味や炒ったアーモンド、ヴァニラなどの要素がバランスよく溶け込んでいる。ミネラリーで厚みがあり、質感もきめ細かい。輪郭もシャープでくっきりとして焦点も定まった秀作。




6.Chassagne Montrachet 1er Cru Les Chenevottes 2013
これもMachelles同様に2011年からリリースされている新しいキュヴェ。MacherellesとBaudinesにそれぞれ隣接した2つの区画から生まれる。これも借りている畑で3か所あり、合計で0.5haある。その内、2か所はLes Bonduesという区画にも跨っている。平均的な樹齢は55年以上。2013年は9樽生産(約2,700本分)されたので、2012年の7樽より少しだけ増えたようだ。Chenevottesは彼の父であるベルナール・モレの時代にも生産していたが、ベルナールはメタヤージュではなく、ブドウを買って造っていたそうだ。すっきりと爽やかでとても清涼感のあるクリーンな造り。塩漬けのハーブ、白い花、ハニー、柑橘系果実、ヴァニラ、ミネラル感がバランスよく、しっかりと感じられる。決して筋肉質な感じではなく、エレガントでスタイリッシュな印象。マシェレル、シュヌヴォット等は2014年の収穫前に瓶詰された。



Chenevottes地層
テイスティングルームデは全ての畑の地層を見ることが出来る

7.Chassagne Montrachet 1er Cru
Les Baudines 2013

ビオロジックで栽培されている区画。2カ所に分かれていて合計で0.43ha。このキュヴェもマシェレル、シュヌヴォットと同様に2011年が、トマ・モレとしてはファーストリリースとなるキュヴェ。土壌は白色粘土で、標高の高さを考えると、表土層は異常に厚く、畑は白ブドウの栽培に適している。フィロキセラ以降、畑は荒廃し、1960年代になって、ようやく植え替えられた。父ベルナールの時代からレ・ボーディーヌを名乗っていて、トマはこの区画に密植にすることで樹にテンションをかけた栽培を試みており、功を奏している。
Embrazeesに隣接した2区画から生まれる。2013年は10樽生産(約3,000本分)され、2015年2月に瓶詰された。今回は樽からのサンプルを試飲。9月に最初の澱引きを終えたばかりだったので、少し濁りが残っている。11カ月樽熟、ステンレスタンクでも5カ月ほど熟成される。新樽比率は30%。これは他のプルミエ・クリュのワインも同様の比率。輝きと明るさがあり、エッヂにやや緑がかった黄金色。ハーブ、黄桃、梨、白胡椒、白い花、ヴァニラなどが感じられる。厚みも程よく、酸とのバランスがとても良い。隣接する畑である(所有区画毎は隣接していない)レ・ザンブラゼとほぼ同時期に収穫される。


Les Baudines地層


8.Chassagne Montrachet 1er Cru
Les Embrazées 2013

 この畑もビオロジックで栽培されている。ただ兄であるヴァンサン・エ・ソフィ・モレの区画は、考え方の違いからなのか、リュットレゾネなのだという。DRCで栽培責任者として働いたトマは有機栽培の持つ本当の意味を理解して、父や兄とは異なる道を歩むことになったようだ。

レ・ザンブラゼの畑は、フィロキセラ危機後、放置されていたが、彼の祖父アルベール・モレによって50年代後半に改めて栽培が行われ、現存するブドウの樹は1961年植樹されたものとなる。レ・ザンブラゼのほとんどは、モレ家が所有しているので、ほぼモノポールのようなものだ。5.1930haのうち、兄のドメーヌであるヴァンサン・エ・ソフィ・モレが4.25ha所有し、トマ・モレは0.75ha所有している。

なだらかな丘の中腹にあり、化石や岩や石が多く、赤土土壌の区画。表面の石によって昼間の太陽熱が保たれ、ブドウが熟しやすい畑でもある。レ・ボーディ―ヌの直下位置し、両者を比べるとボディが大きく肉付きの良いワインが出来るとされる。

トマのスタイルでも、そのような印象が感じられる。白い花や白い果実の新鮮で、さわやかなアロマはエレガントな香水のようにグラスから沸き立つ。他のキュヴェよりも若干の熟度の高さと柔らかさが感じられるのがこのキュヴェの特徴。

この畑の2013年の収量は厳しい選別をした上でも、この辺りは被害がなかったおかげで、45hl/haと状態が良かったようだ。天候による悪影響や雹害などの災害のなかった2014年産は約50hl/haとかなり状態は良かったようだ。

試飲した段階ではまだステンレスタンクで熟成させている段階で、香りはまだ十分に開いてこない判断の難しい段階だったが、ハニーの要素が適度に感じられ、白い花、ハーブ、柑橘系のフレッシュさ、黄桃などのニュアンスが感じられ、酸とのバランスがよかった。ミネラリーでエレガントさに少しグラマラスな印象のあるワインに感じられた。


Les Embrasees地層


9.Chassagne Montrachet 1er Cru
Morgeot 2013

 モルジョは全体で60ha以上もあるシャサーニュ最大の1級畑。一般的に広い区画ほど立地条件に優れると言われるが、ここのその例に漏れない好立地だが、元々はピノノワールが多く植えられていた。現在ではどの生産者もその多くをシャルドネに植え替えている。

トマ・モレではMorgeotのリュー・ディ(小区画)の中でも特に優れ、白に向いているとされるLes Petit Closを始め、Les Brussonnes, Les Fairendes, Guerchèreというリュー・ディを所有しているが、Guerchèreは、ネゴスに販売している為、Les Brussonnes, Les Petit Clos, Les Fairendesのブドウがこのキュヴェとなる。0.58ha。

モルジョは、他の1級キュヴェに比べ、さらにヴォリューム感のあるワインが出来る。
2013年は12樽(約3,600本)生産で、2012年は9樽生産(約2,700本分)だったので、少し生産量が増えたようだ。

樹の状態などによって定期的に植え替えられる為、若樹と古木が幅広く混在しているが、トマは勿論のこと、共に汗を流す彼の妻もトマが驚くほど全てを熟知しているそうだ。子供の個性を全て熟知するかのように、トマがそこにいなくても、収穫時等は細かな指示が的確に出来るそうだ。一年中、畑に出て仕事をしているが、忙しくなる6月ぐらいからはチームを組んで細かくケアをしているそうだ。有機栽培の為、畑での仕事量はそうでない畑の何倍もの労力を要するが、その努力は必ず上質なワインとなって帰ってくると信じているのだ。実際、彼らのワインは生き生きとした生命力に溢れている。


Morgeot地層


10.Chassagne Montrachet 1er Cru
Clos Saint Jean 2013
 トマの父ベルナールが幼少期には既にあった区画で0.25haあり、樹齢は50年を超える。2013年は5樽(約1,500本)造られた。ちなみに2012年は4樽生産(約1,200本分)なのでこれも少し増えたようだ。今回は樽からのサンプルを試飲。
気品あるオークのトースティさがミネラリーで滑らかな液体に溶け込んでいる。レモンやグレープフルーツの溌剌としたフレッシュな刺激的なニュアンスに、白桃、黄桃のとても良く熟した果汁、塩漬けのハーブ、花の蜜などの要素が感じられる。酸と果実、厚みなどのバランスが良く、実に奥深い。


トマがDRCモンラッシェの栽培責任者をしている頃、DRCの共同経営者のひとり、オベール・ド・ヴィレーヌ氏から様々な事を教わったそうだ。発する言葉の一つ一つが金言とも言えるようなもので、その言葉を胸に日々の仕事にあたっているそうだ。DRCでの3年間は、トマにとって今後のドメーヌ運営を左右する、とても重要でかけがえのない貴重な時間だったようだ。


11.Chassagne Montrachet 1er Cru
Vide Bourse 2013
 全体で1.3243ha程しかない小さな区画。0.20ha所有。バタール・モンラッシェから斜面を下った続きにある。畑全体は矢尻の形をしており、矢の先は下に広がる村名畑と隣接している。トマ・モレの他にマルク・コラン、フェルナン・ピヨ、ガブリエル・ジョアールが所有している。トマの区画はバタールからつながる形でこの矢尻の外側を所有している。

トマ・モレはこの畑を父であるベルナール・モレから引き継いだ。小さい区画である為、兄弟間で分割されず、兄ヴァンサン・モレはこの区画を引き継いでいない。植樹された正確な記録が残っていないが、1940年初め頃までは遡ることができるそうだ。通常であれば5樽(約1,500本分)生産可能だが、2013年は少し少ない、4.5樽(約1,350本)生産された。ちなみに2012年は3樽(約900本分)なので、生産は少し上向いた。

ジャスパー・モリスMW著 ブルゴーニュワイン大全によると、土質は比較的重いが、小石が非常にある為、水はけに優れ、ワインに繊細なニュアンスが出る。シャサーニュの1級の中では、ボディが極めて大きい。色々な面で、「プティ・バタール」であり、飲み頃もバタールよりも早いと記述されている。

トマ・モレでは最初に収穫されるバタールとモルジョの次の収穫順のグループにある。ダン・ド・シアン、ピュリニー・モンラッシェ トルフィエール、そしてこのヴィド・ブルスは同時期に熟すので収穫時期が同じだそうだ。
エッヂに緑がかった色合いのあるゴールデンイエロー。白桃、黄桃、レモンピールやシトラス系果実、塩漬けハーブ、鉱石、胡椒、柔らかで肉厚さが感じられるが、芯がしっかりとあり、輪郭もくっきりとしている。リッチさよりもトマのスタイルであるフィネスやエレガントさの方が際立っている。


Vide Bourse地層


12.Chassagne Montrachet 1er Cru
Dent de Chien 2013
ル・モンラッシェに隣接する僅か0.637haの区画。0.07ha所有。ダン・ド・シアンとは『犬の歯』を意味する言葉で、とても小さい区画の為、そう名付けられたそうだ。

ジャスパー・モリスMW著「ブルゴーニュワイン大全」には次のように記載がある。

「大部分の小区画は岩がむき出しで、ブドウを植えることは不可能であり、低木地帯を開墾して植樹している。ブドウを植えているのは隅の2ヵ所で、R6号線に沿ったレ・ブランショ・ドゥスュの上部と、ル・モンラシェの上部。畑は東に延び、徐々にル・モンラシェへのみ込まれる。場所や立地条件が近いことから、シュヴァリエ・モンラシェと比べることもある。シャトー・ド・ラ・マルトロワ、コラン・ドレジェ、モレ・コフィネ、トマ・モレが所有している。

シャトー・ド・ラ・マルトロワのジャン・ピエール・コルニュによると、1936年の格付け以前は、ル・モンラシェの区画だったらしい。確かに、同シャトーのダン・ド・シアンは、若いうちはモンラシェに比べ、かなり控えめだが、熟成により幅と奥行きが急激に広がる。

この記述にあるように、以前はル・モンラッシェだった区画の稀少な畑からは、モンラッシェ以上に稀少なワインが生まれる。飲めばここも特別な畑なのだと素直に感じる事だろう。

普段は2.5樽分(570リットル、760本)生産可能だが、2013年は2樽(約600本)となった。2012年は少し大きめの樽(350リットル)で1樽のみの生産(約470本分)だったので僅かだが増えたことになる。
2013年のこの稀少なワインは柔らかさとエレガントさが際立つ特別なキュヴェとなっている。とても繊細でありながら、しっかりとした核があり、気品とエネルギーに満ち溢れている。酸もしっかりあるので輪郭もくっきりしていて、複雑性は十分でポテンシャルはかなり高い。日本への入荷数はバタールの半分ほどでしかない。


Dent de Chien地層


13.Puligny Montrachet 1er Cru Les Truffières 2013
南のトリュフィエールはシャンガンに隣接した区画と、そこから少し離れた、Hameau de Blagnyに隣接した北の区画があるが、トマ・モレは南側の区画に2ヵ所、合計0.25ha所有している。1952、1982年に植樹。通常なら7樽(約2,100本)の生産が見込まれるが、2013年は6樽(約1,800本)生産された。ちなみに雹害のあった2012年は4樽(約1,200本)だった。
このキュヴェに関わらず、プルミエ・クリュの新樽比率は約30%。今回はステンレスタンクからのサンプルを試飲。香りはやや閉じ気味だが、白桃、黄桃、アプリコット、白い花の香りに気品ある優雅さにセクシーさが感じられる。熟度、粘性が高く、ツヤのある透明感がとてもいい。繊細さと力強さがあり、余韻はとても長く、いつまでも留まってくれる印象。


14.Bâtard Montrachet 2013
0.10ha所有。通常4.5樽(約1,350本)生産の所、2013年は3.5樽(約1,050本)生産された。ちなみに2012年は僅か2樽(約600本)だけだった。
畑はChassagne側の区画に3ヵ所あり、そのひとつはル・モンラッシェに隣接している。2/3が1950年、残りは1964年植樹された。通常のバタールに感じられるリッチさにエレガントな質感が絶妙に加わった素晴らしいスタイル。入荷は本当に僅かだが、入手できるチャンスがあるのなら、迷わず購入をお勧めしたいアイテムのひとつ。

2013年は、今は閉じてはいるものの、奥に潜むとてつもない要素が見え隠れしている。液体は粘性、熟度が高く、酸度も高い。厚みがあり、とてもミネラリーで全体的な要素がとても高いレベルで絶妙なバランスを見せつつある。余韻は既にとても長く感じられる。


Batard Montrachete地層

Thomas Morey 収穫順
?BATARD MONTRACHET, C-M MORGEOT

?C-M DENTS DE CHIEN, C-M VIDE BOURSE,P-M TRUFIERRES

?C-M LES EMBRAZEES,C-M BAUDINES

?C-M CLOS ST.JEAN, C-M MACHERELLES, C-M CHENEVOTTES

?SAINT-AUBIN, SAINT–AUBIN 1ER CRU

2014年の収穫中、トマの父であるベルナール・モレがトマのドメーヌを7年ぶりに訪れたそうだ。収穫や醸造をひと通り、手伝ってくれたそうだ。ベルナールは、いつもは彼のセラーを引き継いだ兄のヴァンサンのドメーヌにいるので、来られなかったそうだが、タイミングが合い、来てくれたそうだ。

兄弟でもワインのスタイルは全く異なる。それぞれが独立した当初は、同じ造り方をしているから、ラベルは違っても味は同じはずだとベルナールは言っていたが、比べると全く異なる性質を持ったワインになっている。
ベルナールの肉付きと円熟味のあるたっぷりとしたワインのスタイルは、兄ヴァンサンに受け継がれている。

ベルナールの太めの見た目もそのままヴァンサンが受け継いでいる。やせ形でスタイリッシュな印象のトマとは見た目も全く異なる。ワインの印象がそのまま見た目にも出ているようでとても面白い。

造りの違いとしてはバトナージュの回数が挙げられる。トマは、ほとんどしないが、ヴァンサンは2週間に1回行っているようだ。バトナージュによって独特の厚みが生まれる。

骨格がしっかりとして、厚みよりもエレガントさとフィネスのある美しいワインがトマ・モレの特徴でもある。目指すワインこそ違うが、互いに切磋琢磨して兄弟共に歴史に名を刻んで欲しい。


ベルナール・モレ(左)とヴァンサン・モレ/2007年10月

ドメーヌの今後は、ポマール1er Cruを2014年産からリリース予定。この畑はトマ・モレで働いている人の所有する畑だそうで、2014年からはトマ・モレで収穫して、ブドウを購入して、トマのドメーヌで醸造するそうだ。この畑も他の畑のようにビオロジックで栽培されているそうだ。
また2015年にブドウを購入してピュリニー・モンラッシェ ラ・ガレンヌを生産する予定。手狭になってきたのでセラーも拡張していくそうだ。現在、トマのワインは世界的にも高い評価とそれに伴う高い需要がある。現状では各国からの要望に全て応える事ができていないが、徐々にそれに応えられるよう体制を少しずつだが整えているようだ。

確固たる信念を持ってひたすら自分の道を歩み続けるトマ・モレの未来はひたすら明るい。今後も我々が驚くようなワインを世に放ち続ける事だろう。