ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬の膿皮症と外耳炎

犬の皮膚病の80%は細菌感染による皮膚炎といわれています。掻きこわして、悪化させてしまいます。

皮膚病は掻いたら負けっていいますよねー

犬も同じです。

犬の皮膚には常在菌としてブドウ球菌がいます。このブドウ球菌が増殖して皮膚に炎症を起こす皮膚病を膿皮症といいます。
犬の皮膚は弱アルカリ性のため、ブドウ球菌などが増殖しやすいのです。だからといって、人間用の弱酸性のシャンプーで洗うと菌交代がおきて、よけいひどくなります。


好発部位は
 耳、
 顔。口のまわり
 前足の先
 脇の下
 後ろ足の付け根
 おなか


原因は、
アレルギーなどで掻きすぎて、二次的な細菌感染

ホルモンバランスの乱れで皮膚バリア機能が弱い

などです。

痒いのは人も犬もつらいです。
この暑い時期は、皮膚病が悪化しやすいので、

気を付けてあげましょう。

治療は

抗生剤の内服

あるいは

抗生剤配合の外用薬の塗布



そして、外耳炎も、掻いたら負けですよね
慢性外耳炎の原因は

 耳ダニ
 脂漏症
 異物(腫瘍、ポリープなど)
 全身疾患(免疫が落ちている、など)
 過剰な耳掃除
 アトピー
 食物アレルギー
 接触アレルギー
 過度の耳垢の蓄積
 
細菌感染の原因は
 たいていは、
  ブドウ球菌
  大腸菌
  緑膿菌
  マラセチア
  などです。

急性外耳炎のある犬の16%、慢性外耳炎のあるイヌの
 52%に中耳炎がみられるといわれています。
中耳炎の犬の71%が鼓膜が無傷であったと報告があります。
そして、膿のような黄色い膿性浸出液(黄色い耳ダレ)がでてくる外耳炎では、中耳炎を合併している可能性は50%を超えるといわれています。

外耳炎の治療を中途半端にやめてしまいますと、炎症が再び再発します。すると、
外耳道内での表皮細胞の移動に変化が生じて、耳の自浄作用が障害されます。そのため、耳垢がたくさんたまって、耳の中の炎症が再発して、耳の中が腫れて狭くなって、さらに、こじれていきます。


つまり、

急性外耳炎になったら、
ほっとかないで、早めの治療と、
完治するまで、きっちり治療を続ける

そして、

日ごろから、耳垢が過剰に蓄積しないよう、耳の洗浄液を用いて、予防的にお手入れをする(毎日ではありません、過剰な麺棒の耳掃除は、逆に外耳炎の原因となります)ことが大切です。
ベビーオイルを耳の中にいれることは禁忌です。


どこか知りませんが、涼やかな写真です