あれぇ!ハングルで琉球語が書いてあるぞぉ!

〜突然に態度豹変ホトトギス!人知れず理論武装ホトトギス!〜沖縄に行った勢いで13世紀あたりに朝鮮で書かれた海東諸国紀を読みたくなりました。この本は基本的に退屈な本ですが、ご存知のようにケツの部分にはハングル書きの琉球語に関する記録があって面白いんです。13世紀当時は出来たてたったハングルは表記できる母音や子音の数が今より少し多いので、まずスケベ心がムクムクです。さて琉球語の記述ですが、今は母音がA、i、uの3つなのに対して対応するハングルには、明らかに9つの母音が出てきます。中期朝鮮語でいう上のA、下のA、上のO、下のO、U、I、そして二重母音A+i、EU+I、EO+I。服部素人いや服部四郎氏その他は、日本語のエが琉球語ではイに、オが同じくウに収束する現象がすでに13世紀琉球語に現れていることを、酒(さけ→さくぃ)や手(て→てぃ)など、本書記載の例から確かめています。しかしあえて9母音を用意している点は好奇心をそそります。この9母音を目の前にして、ああ現代沖縄語に近づいてるね!推理終わり!で喜んでいたらタコツボ学者と同じで馬鹿馬鹿しい!本書の琉球語の記述はハン
グルが読めるというくらいで、しかも少し現代沖縄語をカジった程度で全てを説明できちゃうようなイージーなもんでもないと感じるのです。だいたい学者のなかには推理の嫌いなヤカラがウヨウヨ隠れていて、結論を出すまでは少し考えるフリはしても一度結論を出したらもう何も考えなかったりします。ましてや、出来上がった他人のネタを振り回して素人相手にデカいこと言ってるヤツはホントは能無しの給料泥棒です。学問はデカいこと言うための道具じゃないぞ、出来れば真理の探求のために使うんだぞ!定説に停滞しているエセ玄人でいるより、むしろ推理を自由に楽しく深める方が実質上の真理探求になる気がします。というワケで本題、本書でのハングルの記述には明らかな揺れがあるので簡単な結論は出せませんが、日本語のウが琉球語でもウとなる場合と日本語のオが琉球語でウになる場合でハングル表記の傾向に違いがあること(ウ→ウは下のA)は今夜あたりネチネチ調べたくなるネタです。子音についても色々探索したい話があります。ら行とNとのアヤフヤな対応やら、今の段階でクサイと思っているのは清音と濁音の書き分けの問題です。日本語・
琉球語の語中の清音にはハングルの激音や平音が共に現れる一方で濁音がハングルの場合には先行する音節の末尾にN、M、NGの鼻子音が置かれる傾向があること、なんかが面白かったです。また特に面白いのはハングルの語頭のダブルパッチムの出現です。唯一の具体的例は、清辰=早朝を表すStomuitaiですが、これはノンキに二重子音の存在なんたかを予感したらアカンのでして、現代沖縄語でも見られるような母音の無声化の成れの果てと見るのがスマートです。例えば“下”が“しちゃ”に発音されるのなんかがいい例です。まだまだ推理したい項目が山のようにあります。今夜はガッツリ、一文字一文字、ナメるように調べていきます。来週あたりが楽しみです。