初夢は地獄めぐり?

なんとか正月の三日間は暖かい晴天にも恵まれたし無事に安らかに送れそうだ。表に出れば差し掛かる信号という信号が青。こいつぁあ念頭から縁起が良い。孔もしや雀明王真言の威力か。確かに年末から勢いがある。さて今年の初夢には富士山だけは出てきたから開運の兆しも感じる。夢の詳しい内容が思い出せないが途中だけは覚えている。なにやら巨大な医療機関に就職が決まり何の説明も受けないまま入って行った病院はロビーと事務室だけは先進的デザインの明るい空間だったが肝心の現場といえば病棟の廊下は暗く乱雑で職員は衛生状態に気を回す余裕もないほど忙しく動き回っている。配属先のや更衣室の場所さえ知らされずに病棟と事務室との間を何度も虚しく行き来していると院長室に呼ばれて長い説教を食らった。ひとまず病院の外に出ると門前を横切る長い土手があって遥か左側には雪を被った富士山も見えた。土手に座って気持ちを整理しようとすると医療関係の技師だという50歳代くらいの滅茶苦茶に話題の広い男と話していたが男の黒い上着のポケットが異様に多いのが妙に気になる。再び病院に入りロビー横の明るい階段の隅にある美しいパンフレットを見
ている。そこで謎の初夢にユング精神分析を試みると病院は本音と建前が交錯する場のように見えた。特に表面を飾る努力にだけ熱中する態度を表しているか。そんな態度に嫌悪感や戸惑いや引け目なんかを感じながら適応しきれない自分の無力さや不安定さを象徴しているのが今年の初夢のようだ。ただし夢の背景には病
院の空気に嫌気が差したと同時に別の道を歩もうとの検診が見えていた。これは異郷の入り口で迷う状況もしくは一種の地獄めぐりの体験では。今年も何だか解らない夢だった。