英語教育2.0 〜my home, anfieldroad〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

*英語教師による、英語教師のためのブログ。
*授業で使えるアクティビティの紹介、ハンドアウトのダウンロードも。
*ライフハックス、文具、デジタルガジェットなどについても徒然と。

2017-07-04

[][] 2017年7月例会のご案内

 気がつけば7月になってました。

 早めにご案内したほうが、多くの方に来ていただけるだろうと、部屋は早めに予約するのですが、内容を決められないまま、いつも月をまたいでしまいます。というわけで、7月の例会のご案内です。

 7月は、スピーキング・テストを考えましょう。

 期末テストも終わり、この時期にALTやJTEとの面接テストを実施している学校も多いかと思います。あるいは、音読テストだったり、暗唱テストだったり、教師の前で生徒が何かしらのパフォーマンスをするテストもあるでしょう。

 今月に例会では、そんなパフォーマンス・テストの実例を共有し合って、それぞれが2学期以降の参考にできればと思います。評価用紙や準備段階でのワークシートなどがあれば、それらもぜひお持ちください。

 ちなみに私はというと、来週「ALTにインタビューするテスト」を実施予定です。どんなテストなのかは、例会でご紹介しますね。お楽しみに。

 少人数でやっている、アットホームなサークルです。初めての方も、お気軽にご参加くださいね。

SETC&ASTEK 2017年7月例会

日時:2017年7月15日(土)

15:00〜18:00

会場:春日部市中央公民館

東武野田線「八木崎」駅下車1分

2F 多機能学習室

テーマ:「スピーキング・テストを共有しよう」

会費:100円

(最近の授業で使ったプリントを10部コピーしてお持ちいただいた先生は無料!)

※会の終了後、お時間のある方はよかったら近くでお食事にいきましょう! 会では話せなかった悩み相談、雑談もできて楽しいですよ。

出欠席のご連絡は下記登録フォームからお願いします。

登録フォーム http://bit.ly/ohUVez

2017-06-22

[][] Closest to the Pin

 6月もあっという間に後半ですね。大会あり、修学旅行あり、テストあり、祝日なし、で本当に忙しい6月です。ふう。

 そんな中、3年生は現在完了(継続)の疑問文を練習中。How long have you lived in Saitama?という疑問文をひたすら繰り返す口頭練習として、ちょっと一捻りしてみました。

 この質問に対する答えは、For 2 years.からFor 15 years.まで生徒によって様々。そこで、教室内でフリーに会話をさせて、相手が答えた年数をメモさせて、「合計で50になるように質問してみよう」とお題を出しました。

 最初は近くの人と会話をしていましたが、そのうち短い期間の人を探してピンポイントで質問して、ぴったり50になるように頑張っていました。3〜4分でストップさせると、クラスで1〜2人がぴったり賞。ここでニアピン賞なども確認すると盛り上がります。

 でもポイントはこの次の活動です。

じゃあ、50を超えちゃった人は次に質問したときに得た答えの分、引き算していいよ。49以下の人は足し算のままで。ただし、次はhave lived in Saitama以外の質問でもいいよ。

と指示します。

 授業のイントロでALTのバスケ歴や、クラスの生徒のピアノ歴などを全体の前で共有していましたので、そこから自由に発想して生徒は思い思いの質問を考えます。52であれば、誰かが2と答えてくれる疑問文を作ればいいわけです。結果、How long have you played the piano?だったり、How long have you been an Arashi fan?みたいな質問があちこちで生まれました。

 会話のやりとり自体には意味はない、あくまでたくさん口頭練習させるための味付けですけど、一応相手の答えには注目して意味にフォーカスできるので、私がよく言う「意味交渉のともなうパタプラ」の1つになるかな、と思います。「マイ・トーナメント」みたいな感じですね。

 生徒は面白がって取り組んでくれるので、こういう活動をいっぱい蓄積しておきたいですね。

2017-06-18

[][]「じゃ、いつ使うの?」を考える

 昨日は今年度最初のサークル例会でした。

 ご案内がギリギリになってしまいましたので、少人数での例会となりましたが、その分たくさんお話をして、いろいろ考えることができたと思います。

 今月のテーマは文法指導。特に導入から練習、解説までの流れに悩んでいる若手の先生方のために、何のためにその活動をやるのか、という意味を一緒に考えてみました。最終的に「その新出文型を用いて、自分の言いたいことを言えるようになって欲しい」ということが目標なのだとすると、どんなステップでどんな練習をさせる必要があるのかを整理しました。

 「内容」ベースの導入から、既習表現との「形式」のギャップに気づかせ、必要な解説をしてから練習、なんていうのがPPP的な流れでは一般的なんでしょうけど、意外と「内容」ベースでやっている段階で形式のことに話を振ってしまったり、全体の流れを考えていないと指導がブレてしまいがちです。また、その段階で何を「解説」で伝えるかも精選が必要ですね。語形変化などは音だったり文字だったりいろいろありますから、学習者が混乱しないようにしたいですよね。

 さて、休憩時間にそれぞれの部活指導の話に花が咲いてしまって、作業をしようと思っていた後半の時間があまりなくなってしまったのですが、この部活指導のプロセスが文法指導と重なるところがあって、そのまま「喩え話」に。

 ボレーの技術を教えて、何度も反復練習はさせるけど、それだけで試合でボレーを使えるようになる生徒ばかりではありません。試合形式の練習の中で「あ、今ここでそのボレーを使うんだ!」という指導を、繰り返し繰り返しやるはずです。もしくは、試合の一場面を切り取って、「こういうプレーのあとは、ボレーのチャンスだ」という「ディスコースのパターン」を身体に覚え込ませているはずです。部活では絶対やってるんだけど、文法指導ではそういう練習が足りない(というかほとんどやってない)よね、という話になりました。

 不定詞を教えたからって、すぐに不定詞が使えるようになるわけじゃないけど、せっかく導入したその日のうちに、「不定詞ってこんな場面で使えるんだ」というイメージは、explicitであれimplicitであれ提示しておく必要があると思います。そして、そのレッスンのまとめの段階でもいいし、後々のスピーキングやライティングの指導場面でもいいので、amazon風に言えば「この文法を使った後に使っているのは?」とか「この文法をチェックした人はこんな文法もチェックしています」的な、他の文法や語彙表現との組み合わせを学んでおくといいと思うんですよね。(その点、エイゴラボの作文問題は、新出文型だけでなく、関連する既習表現を書かせる問題を設定してたりします)

 例えば"I'm going to do my homework tonight."という文の前後には、どんな文が並ぶ可能性があるだろう、それはどんな場面なんだろう、と考えてみるような作業ですね。キーセンテンスを書かせる作文指導はよく見かけますけど、キーセンテンスを与えておいて、その前後を考えさせるような作文練習も必要だろうと思います。

 サークル後は、食事に行ってまだまだお話に花が咲きました。部活に、教科に、校務分掌に忙しい若手の先生方のご苦労も聞きながら、でも意欲やアイディアに溢れた勢いも感じながら、私も刺激を受ける例会になりました。

 サークルには毎月、その日のテーマに関連した書籍をうちの本棚から持っていくようにしています。ご希望の方にはお貸しすることもできますので、遠慮なくお声掛けくださいね。ちなみに昨日持っていったのは、こんな感じ。

「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育

「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育

大修館 英語授業ハンドブック 中学校編 DVD付

大修館 英語授業ハンドブック 中学校編 DVD付

英語教育 2017年 07 月号 [雑誌]

英語教育 2017年 07 月号 [雑誌]

 ↑

今月は「ワーク」の話を書かせてもらってます。そして表紙がMINIだ!

2017-06-12

[][] 2017年6月例会のご案内

 さて、4月、5月は都合により開催できてませんでしたが、今月からまた毎月のサークルを再開します。ご案内が遅くなり申し訳ありませんが、次の週末6/17(土)です。

 今月は文法指導を考えます。新文法を導入して練習、説明につなげる流れって、難しいなぁと今でも悩みます。説明ばっかりになってしまったり、導入に無駄に時間をかけすぎてしまったり、なかなかうまく行きません。

 今回は、2学期に扱いそうな文法を取り上げ、参加者で導入から練習、説明への流れを考えてみて、実際にやってみるようなワークショップ形式でやってみようと思っています。日頃の授業でなかなかうまくいかないなぁと悩んでいるみなさま、ぜひ一緒に「練習」してみませんか。

SETC&ASTEK 2017年6月例会

日時:2017年6月17日(土)

16:00〜19:00

会場:春日部市中央公民館

東武野田線「八木崎」駅下車1分

3F 中会議室

テーマ:「文法指導を練習しよう」

会費:100円

(最近の授業で使ったプリントを10部コピーしてお持ちいただいた先生は無料!)

※会の終了後、お時間のある方はよかったら近くでお食事にいきましょう! 会では話せなかった悩み相談、雑談もできて楽しいですよ。

出欠席のご連絡は下記登録フォームからお願いします。

登録フォーム http://bit.ly/ohUVez

2017-06-03

[][] ALTに日本語でツッコむ

 昨日、ALTと話していたら、いろいろな発見がありました。

 面白かったのは、授業の最初にALTがsmall talkとして英語で話している時の私のリアクションについて。実は、最近ALTが英語で話している最中に、日本語で相槌を打ったり、ツッコミを入れたりしています。最初は無意識にやっちゃってたんですが、最近は結構意識的にやっています。そしたらALTも気づいてたみたいで、「あれ、いいよね」という話になりました。

 うちのALTは、中学生のその時点での既習文法などは把握しているけど、語彙の選択などの点では「よくわからない」そうで、スピードも含めて、割りとナチュラルに話してしまいます。私はそれでいいと思っているので、そのままにしてもらってますけど、難しい語彙が登場してきた時は、私も"What is ◯◯?"なんて聞き返して、言い換えをしてもらっています。

 中学生でもキャッチできそうな英文であれば、そういう英語そのものに対するツッコミはせずに、内容に対して日本語でツッコミを入れます。英語と日本語で会話をしているようになるので、ちょっと変なんですけど、これによってslow learnersもALTの話の内容を推測しやすくなるという利点があります。日本人教師が必要に応じて翻訳してあげることもできるんでしょうけど、ALT曰く「それだと、情報が伝わるまでに時差が生まれてしまって、リアルタイムに対話を共有できている満足感が味わえないだろう」とのこと。なるほど。

 fast learnersは、ALTの話を概ね理解しているはずですが、「今なんて言ってた?」なんて内容確認しようとしても、あまり自信がないのか手を挙げてくれません。でも、私が日本語でツッコんであげることで、「ああ、自分の理解で合っているんだな」と確認することができて、安心するとともに、自信を深めることができると思います。

 ALTの話が簡単なときは、私も無理に日本語にしないで、英語でリアクションするようにしています。そのへんはうまく調節しているつもりです。

 日本語にしても英語にしても、リアクションするときには、あえてALTの言葉を繰り返すようにしています。

 ALT: I went to Tokyo last night.

 JTE: Oh, you went to Tokyo!

みたいな感じですね。これによって、1回目に情報をキャッチできなかった生徒にも、追いつくチャンスが生まれます。

 このへんは、英語教師として基本的なテクニックと言えるでしょうけど、私はこの効用を、最近ハマっている落語で再確認しました。落語って、噺家が1人二役やりながら、結構意識的に同じセリフを(別の人の口を借りながら)繰り返しています。あるいは、相手が何か言ったふうに演じて、リアクションからセリフを想像させたりします。(下の動画の「先生」のリアクションがそんな感じ) うまいなぁ、と実感します。「もう1回聞こう」とCDを再生するのではなく、自然に何回も聞かせてしまう「聞かせる」ための工夫ですね。こういう知恵を、もっといろいろ吸収したいなぁと思います。

 そして、何よりもそういうさりげないことに気づいてくれて、うまく活用してくれるALTに感謝ですね。そんなことを感じた、昨日の懇談でした。

D

2017-05-14

[] ALT始めました

 前回の記事の時はまだ春休みで、担当学年とか書けなかったのですけど、今年度は持ち上がりで3年生をメインで担当しつつ、2年生にTT(T2)で入る形になっています。

 今年はこのT2が面白いです。

 これまでは、英語科のTTって難しいよなぁと思ってましたが、今年T2として入るにあたり、一切日本語を話さないALTキャラでやってみたところ、これが面白い! ALTも結構授業に入るので、まるでALTが2人いるような感じ! メインで授業をされている先生はどう感じているかわかりませんが、私としては役割がはっきりしてとてもやりやすいです。

 日本人英語教師がALT的役回りを果たすメリットは、日本人教師の意図を正確に汲み取ってのフォローがしやすくなる点だと思います。(うちのALTはもう3年目なので、限りなくそんな感じでやってくれていますけど)

 授業中T1に補足する形で何かを言うにしても、T2の私は英語で説明するので、場合によってはそのあとでT1が日本語でフォローします。これにより「角が立たない」というか、こっちがフォローしているとしても、生徒にはフォローしてもらってるように見えて、なんかいいんです。一般的に日本人同士のTTで同僚関係がギクシャクしちゃう(あるいはイライラしちゃう)こともあるような気がしますが、そういう心配が要らない感じがします。

 まだまだその立場をフルには活かせていないとは思うので、T1の先生と相談しながら、いろいろ工夫してみたいです。

 ちなみに今年いらっしゃったT1の若い先生は、このブログを読んでくださっていて、私の実践をいろいろ試してくださっています。これがまた面白いんです。私、自分のアイディアを、目の前で別に人がやっている、というのをあまり見たことがなくて、とっても勉強になります。

 私のブログでの説明が不十分だったかも!と思うこともあれば、そういうアレンジもできるか!と驚くこともあり、また生徒や教師が違えばいろいろな可能性があるな、という当たり前のことにも気付かされます。

 ということで、私にとって学ぶことの多い一年になりそうです。

 今年はかなり忙しそうでどのくらいこちらを更新できるかわかりませんが、ぼちぼち頑張りますので、時々覗いてみてくださいね。

2017-04-03

[][] 教えて先輩!&知って得する!

 新年度、明けましておめでとうございます。

 春「休み」と言っても、一息つけるのは3月までで、4月は怒涛の日々ですね。今年は1・2日が土日だったから、なおさらそんな感じです。明日から各種会議も始まりますので、いよいよスタートです。今年の担当学年や分掌などはまだ書けないんですけど、自分にとって(今年も)やりがいのある1年になりそうです。新たな気持ちで頑張ります。

 さて、おかげさまで学校外でも相変わらずいろいろやらせてもらってますが、今回は今年の活字のお仕事の方をご案内しておきます。

 大修館『英語教育』誌でのリレー連載「先輩教えて ここが知りたい 指導のコツ」というコーナーが今年もリニューアルして継続されています。

f:id:anfieldroad:20170403215750j:image

 昨年度に引き続き、7人の中から2人が同じお題について自由にコメントする企画です。ときには相反する意見が載ることもあるのが面白いところかな、と思います。若手の先生向けの企画ではありますが、そういう「違い」や「共通点」をメタに分析するとなると、ベテランの先生方にも楽しんで読んでいただけるのではないかなと思います。

 さっそく4月号の「ノート指導のコツとは?」に登場させてもらいました。この「ノート指導」もそうなんですけど、「指導法」と呼ぶにはあまりにも普通過ぎる(でも生徒の学習スタイルに大きく影響を与えていそうな)指導の実際を、ざくざく斬っていければいいなと思っています。どうぞお楽しみに。

英語教育 2017年 04 月号 [雑誌]

英語教育 2017年 04 月号 [雑誌]

 そして、もうひとつはNHK出版の『エイエイGO!』です。こちらは2017年度については、2015年度の再放送になっています。(志尊くんファンのみなさま、ぜひ!) ということで、テキストも2015年度に連載させてもらった「知って得する英語マスターコツのコツ」を再掲していただいています。

f:id:anfieldroad:20170316193112j:image

 単語練習の仕方や一人でできる音読練習の方法など、英語の練習方法をいろいろご紹介していますので、中学生にご紹介いただけたらうれしいです。また、先生方が授業の中でやる活動のアイディア集としても、参考にしていただけるのではないかなと思います。

 この年はイラストも私が描かせていただいてますので、そちらもお楽しみください。(iPadに指で描いてましたので、線はガタガタですけどw)

 継続的に登場させていただけるのはこの2つです。この他に、学習者向け、教師向けのものにそれぞれ挑戦させていただいていますので、正式なリリースが決まりましたら改めてお知らせさせていただきます。

 ああ、もうひとつ活字の「宿題」があるんだった。そちらもなんとか春休み中に終わるように、コツコツがんばろうと思います。(どこかで何かを見かけたら、ご笑覧くださいな)

2017-03-15

[] 中学校学習指導要領案(外国語)に対するパブリック・コメントを提出しました

 〆切ギリギリになってしまいましたが、2月14日に公示された中学校学習指導要領案について、3件のパブリック・コメントを提出しました。今日3月15日が〆切です。何時まで受付けてくれるかわかりませんが、まだ間に合うようでしたら、これからでもみなさんの思うところをお送りいただいた方がいいかと思います。詳細はこちらです。

 以下に、送った3件のコメントをご紹介しておきます。普通の公立中学校教員の「思うところ」なので、たいした内容ではありませんが、ご笑覧いただければと思います。

中学校外国語科について、特に「目標」についてのコメントです。

改定のポイントとして挙げられているように、「何ができるようになるか」を明確化したことについては、一定の評価ができると思います。外国語科の目標においてもそれを意識したことが感じられます。

しかし、「はっきり話されれば」「簡単な語句や文で書かれた短い文章」といった条件が具体的でないため、到達段階がイメージできません。「WPM何語くらい」「Flesch Kincaid Grade Leveldでこれくらいの語彙」といった具体的なレベルを文部科学省が明確に示すべきだと思います。学習指導要領本文の中に入れるのは馴染まない、ということであれば、「解説」で構いませんので、文部科学省が責任を持って提示してください。具体的な英文の例などを示してもよいと思います。

その意味では、英語科の学習指導要領はにCan-Doリスト的なものを含めるべきだと思います。現場の教員がCan-Doを作っている現状は完全にあべこべです。そして、その目標を達成するための手段を考えるのが英語科教員の仕事ですので、「授業は英語で行うことを基本とする」といった「手段」に、学習指導要領が踏み込むべきではないと思います。

中学校外国語科について、特に「音読」についてのコメントです。

中学校現場での指導において、教科書の本文を正しく、適切に音読できるようにすることは、大きな目標の1つになっています。授業の中での活動としても多くの時間が割かれている現状があると思います。

音読という活動自体はコミュニケーションとは言えないでしょうから、それが「目標」になることは馴染まないのだと思いますが、せめて「言語活動に関する事項」の中では、例として触れておくことが自然かと思います。これだけ授業の中で扱われている活動が、学習指導要領の中でまったく触れられていないことに違和感を感じます。

関連して、文字と音の指導についても、もう少し丁寧な記述を求めます。音声について、「現代の標準的な発音」「基本的なイントネーション」とだけ書いていますが、特にどの子音を定着させることを目標にするか、どういったリンキングは中学生のうちに練習させておきたいか、といった点について、日本全国の英語教師の間で共通認識がありません。そのことが、教室における音声指導を躊躇させている原因になっていると思います。

「話すこと」に関しては適切さばかりが求められ、正確さが軽視される風潮を感じます。初学者に全てを求める必要はないかと思いますが、授業でただやみくもに話させるのではなく、中学校時代に確実に身につけさせたい項目を意識して指導していくべきだと思います。

そのためにも、文部科学省に音声指導に関してより具体的な指導項目や目標を提示していただきたいです。そして、その目標を達成するための手段を考えるのが英語科教員の仕事ですので、「授業は英語で行うことを基本とする」といった「手段」に、学習指導要領が踏み込むべきではないと思います。

中学校外国語科について、特に「書くこと」についてのコメントです。

目標には「関心のある事柄について、簡単な語句や文を用いて正確に書くことができる」とありますが、学習指導要領案を読んでも、ここで求められている「正確さ」のレベルがわかりません。三単現のsが抜けていたら不正確なのでしょうか。つづりが間違っていたら不正確なのでしょうか。おそらく「書くこと」における正確さについて、そこまで細かいことを求めてはいないと思いますが、反対に関連する単語がでたらめな語順で並んでいても意味が通じそうなら、それでよしとするのでしょうか。

文部科学省では、中学生段階で求められる「正確さ」の基準を示していただきたいです。これは「話すこと」の目標についても同じことがいえますが、例えば「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」といった、どの英文にも共通する基本的な語順を定着させることがまず第一だと思います。

「内容」の「知識及び技能」には、中学校で扱うべき文法項目が羅列されていますが、どの文法も並列に扱うのではなく、コミュニケーションに役立つ文法や、どの文法事項にも共通する基本的な英語の仕組みこそ、指導していくべきだと思います。文部科学省には、書くことについてより具体的な「目標」を示していただきたいです。

そして、その目標を達成するための手段を考えるのが英語科教員の仕事ですので、「授業は英語で行うことを基本とする」といった「手段」に、学習指導要領が踏み込むべきではないと思います。

2017-03-05

[][] 2016年3月例会のご案内

 さぁ、年度末です。1年の締めくくりを最後まで頑張ると同時に、新年度のことに思いを巡らす季節です。サークルでも、新しい一年間の授業をイメージしていただこうと、副教材見本市を開催しています。今年で3回目になります。

 忙しい4月の第一週では、積まれた副教材見本を紐解いてゆっくり眺める時間もありません。3月のうちに、せめて副教材について少しでも情報を集めておけば、同僚との打ち合わせ時にも「これなんかどうですか?」と新しい提案ができると思います。

 取次の代理店さんのご協力で、一足先にワークやドリルなどの副教材見本をお借りします。じっくり眺める時間も取りますので、どうぞお気軽にご参加ください。もし可能なら同僚の先生と一緒にご参加いただけると、プチ教科会が実現しちゃいますね。今年は広めの部屋をお借りしましたので、ぜひ多くの方にご参加いただきたいです。

f:id:anfieldroad:20170305095653j:image

(昨年度の副教材見本市の様子)

SETC&ASTEK 2017年3月例会

日時:2017年3月19日(日)

15:00〜19:00

 15:10〜16:00 フリー閲覧タイム(出入り自由)

 16:00〜19:00 例会「副教材活用法を考えよう!」

15:10からの50分間は出入り自由で、好きな時間に来て見本だけ見て、お帰りいただいても結構です。アンケートのみご協力をいただくかも知れませんが、参加費は無料です。

16:00からは通常のサークルです。リスニング、ワーク、ノートなどジャンルごとにどんな副教材が欲しいか、どんな使い方ができるかをみんなで話し合います。16:00に来ていただいても、見本を眺める時間はお取りします。会費は100円ですが、授業のプリントなどをコピーして15部お持ちいただいた方は無料になります。

 

会場:春日部市中央公民館

東武野田線「八木崎」駅下車1分

3F 大会議室

テーマ:「副教材見本市」

※会の終了後、お時間のある方はよかったら近くでお食事にいきましょう! 会では話せなかった悩み相談、雑談もできて楽しいですよ。

出欠席のご連絡は下記登録フォームからお願いします。

登録フォーム http://bit.ly/ohUVez

2017-03-01

[] まわるまわるよ時代はまわる

 昨日は一日出張でした。しかも午前中は公開授業を3時間参観し、午後は地域の役員会議に駆けつける、と完全に「英語教育」漬けな珍しい一日でした。でも充実してました。

 さて、午前中に参観したのは、話題の「ラウンド制」を取り入れている県北の先進校。先日北部サークルに伺ったご縁でわざわざご案内をいただいたので、喜んでお伺いしました。出張で出してくれた所属校の管理職にも感謝です。

 「ラウンド制」は、横浜で始まった1年間で教科書を4〜5周する指導法で、リスニングで、音と文字をつなげて、音読で、とステップアップしながら、最後はリテリング+αまで高めていきます。次から次へと「新しいこと」を理解することに追われ習熟しないまま進む今のやり方から、「わかるようになったこと」を読んだり、言ったり、書いたりする、使用のためのお稽古に重点を置いたやり方にシフトさせようと、学芸大学の金谷先生を中心に各地で取り組まれています。

 この日伺った学校は、以前からラウンド制に取り組んでいて、昨日はもうリテリング(もしくはその復習)などの最終段階を公開してくれました。実は少し前にもこの学校は研究発表をやってくださってたんですけど、ちょうどそちらには伺えなかった身としては、今回公開してくださって本当にラッキーでした。

 さて、初めて生で参観した「ラウンド制」は、率直に面白かったです。

 そもそも「ラウンド制」の理念は興味深いし個人的には関心があったのですが、みんな同じシステムで授業をすることにはちょっと抵抗がありました。教師の個性が発揮できないように思ったからです。しかし、この日午前中の3つの授業を拝見して、印象が大きく変わりました。基本的なやり方を揃えたからこそ、授業者の個性や力量が顕になっているように思います。特に、生徒とのインタラクションやオーラルイントロ的な部分で、生徒の発話をどう引き出すかについては、本当に教師次第だと思います。

 技能的な面では、読むなら読む、聞くなら聞くに一定期間集中できるのが魅力的です。特に苦手な生徒にとっては、音読にそれだけじっくり取り組めるのは、学んだことがしっかり定着するための時間が確保されているように思うので、安心して取り組むことができます。とはいえ、飽きが来ないように工夫も必要でしょうね。その辺のお話も伺ってみたかったです。

 ポイントは「繰り返し」と「行ったり来たり」でしょうか。

 習った新出文型を使えるチャンスが何度もやってくるのは魅力的です。また、他の文法項目を知ったからこそ、使い方が見えたり、比べられたりすることも多いので、「とりあえず一通り触れてみる」ことができるのはいろいろ勝手が良いです。聞けたものを読む、読めたものを書く、という技能間のつながりも作りやすいし、会話文として読んだ英文を、物語文に再構築したりすることで、例えば代名詞を替えたりと、内容から形式に意識が動いていく感じもよいと思います。

 そして市教委の先生とも話したのですが、こういった取り組みは一個人では難しいです。せっかくの良い取り組みでも「あの先生に授業だけ…」とか「テスト範囲どうするの?」などと同僚問題に発展したり、保護者や生徒の不安も生み出してしまう恐れがあるからです。そういう意味で、導入に際してのご苦労もあるでしょうが、こうやって地域でみんなでやろうとしたことに素直に敬意を表したいです。(1学期の中間テストはリスニングのみで範囲は一冊、だったりしますから、地域の学習塾がどんな授業をしているのかすごく興味がありますw)

 一方でもちろん疑問点もあります。

 1つめは文字や文法の扱いです。

 特に1年生ではどのような段階で文字指導を入れているのか? 生徒が持っていた準拠ノートや教科書準拠ワーク類は、どんな風に使わせているのか? でもこの辺は、1〜4ラウンドについて紹介されているものを読めば解決しそうですね。

 2つめは教科書との距離感です。

 教科書のリテリングは私もよくやらせる活動ですし、中学生段階でできるようになって欲しいことの1つです。でも、あくまで内容を知っている人同士でのやりとりになるので、「言えた!」という喜びは体験できるけど、「伝わった!」という喜びは感じにくいのではないか、と思うのです。

 だからこそ、5ラウンド後は教科書から離れてもよいのではないか、と思います。実際にはそういうタスクにもチャレンジさせているんじゃないかな、と思いますが、参観者のためとは言え、ほぼ3月のこの時期でも教科書の内容に縛られてしまっているのはもったいないな、と思いました。

 生徒の発話を聞きながらずっと考えていたことは、生徒は何を支えにアウトプットしているんだろうか、という疑問です。教科書の内容を再生する際に使っているのは、これまでに何周もしながら自然に体内に取り込まれた教科書の英文なのだと思います。すると、どのくらいそれを逸脱できるのか、とても興味があります。

 そういう意味で、例えば「桃太郎」などの「おはなし」のような「すでに知っていること」などをリテリングさせてみて欲しいです。話者の頭のなかにある「これから話そうと思っていること」は、この「すでに知っていること」に似てるから、そういうのが表現できるのであれば、たくさんの練習を通して文法知識が内在化されて、自律的に英文を組み立てられている、と言えるかも知れません。

 さて、「ラウンド制」そのものの成果と課題は今後さらにシェアされていくでしょうが、私が個人的にいいなと思ったのは、このシステムが「すべての文法をただ順番に均一に教えていく」という現状から抜け出すきっかけになるのではないか、ということです。先日の北部サークルでもお話しましたが、私が「意味順」推しなのは、そこに理由があります。「使う」が前提になると、文法項目の扱いには自然に軽重がついてくるんじゃないかな、と思います。

 そういう意味で「ラウンド制」ありきの話ではありません。ただ多くの人たちに、今までの指導の常識と向き合って、時に破っていく機会を持って欲しいです。ボトムアップだとなかなか広がらないし、トップダウンだとやる気を削がれちゃう人もいるし、といろいろ大変なんですけど、新しい取り組みをおこなっている地域にはエネルギーがあります。そんなエネルギーをおすそ分けしてもらってきたような、一日でした。

 なにより生徒のみなさんが頑張って活動してくれました。そんな授業を、私もやらなきゃなぁ。私自身にとって、貴重なインプットの機会になりました。