英語教育2.0 〜my home, anfieldroad〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

*英語教師による、英語教師のためのブログ。
*授業で使えるアクティビティの紹介、ハンドアウトのダウンロードも。
*ライフハックス、文具、デジタルガジェットなどについても徒然と。

2017-10-24

[][]「ピクショナリー」のゲーム性を一瞬で無力化する生徒のすごい裏技

 とっても衝撃的なことがあったので、割りと間隔を開けずに更新。

 中間テストも終わり、絶賛採点中ですが、授業の方は復習ということで恒例の「ピクショナリー」に取り組んでます。ピクショナリーというのはグループワークで、代表で英文を聞いてきた生徒が、内容を絵で表現して、他のメンバーが内容を当てて、英文を復元する活動です。私のよく言う「内容先渡し(content-given)」的な表現活動になるので、結構よく活用していますので、生徒も白いA3用紙を持っていくだけで、「あ、今日アレですね?」とニヤリとします。

 さて、そのピクショナリーですが、今日は最近の復習という位置づけで、3年生で習った文法を中心に問題文を用意したので、生徒も復元に苦労するだろうなぁと予想していました。そんな中、やたら正解を連発するグループが出現。

 第1問は”The small car was broken by Mr.◯◯.”という英文の復元に挑戦したんですけど、そのグループが描いた絵を見ると、

 車、割れている物体、人の顔

の3つが並んで描いてあります。車が壊されている場面そのものを描かずに、パーツごとに描くのも面白いですね。車も「小さい車」というのを表現するために隣に「大きい車」も描かれていて、なるほどこのグループは絵に工夫が見られるな、と思いました。

 ところがそのグループは、”The man drinking coffee is Mr.◯◯.”みたいな文もしっかり再現できてて、こんなの”Mr. ◯◯ is drinking coffee.’とどうやって絵で区別してるんだよ、とそんな出題したくせに心の中でツッコミしてました。

 ピクショナリーでは、答えを知っている絵を描く代表生徒は話すことができません。文字や数字も書くことができず、ジェスチャーも、まわりの生徒が「それ犬?」とか「走ってた?」とか内容を確認する時に頷いたり首を振ったりすることができるのみ。

 活動を観察していたALTによると、そのグループは班員が「だれが?」と聞くと「小さな車」の絵を、「する(です)」と聞くと「割れている物体」、そして「だれ・なに」と言うと「人の顔」という順番に、意味順に絵を書かせていたというのです。

 なんだそれ?((((;゚Д゚))))

 それ、すごくないか? というかそれやられちゃったら、このピクショナリーという活動の「難しさ」の半分以上を、あっさり乗り越えてしまうことにならないか?

 いや、個人的にはそれを聞いて感動すら覚えました。それをやるためには、代表生徒の英文理解(構造の理解)が求められるからです。それが成立しているという事実に、本当にびっくりしました。

 「意味順」の指導って、時間がかかります。教えたからといって、すぐに何かができるようになるとは限りません。でも、こうやって地道に取り組んでいくと、漢方のようにじわじわと生徒たちの頭の中に浸透していくんだなぁ、と実感しました。

 これ本当にすごいんだけど、次にピクショナリーやる時に、このワザを教えちゃってよいものか、悩みます。やって欲しいような、やってほしくないような。みんなが気づいて勝手にやるようになったら、「お前らすごいから、ゲームが成り立たん!」って言えるので、一番すごいかな。

 そんなご報告でした。

2016-09-28

[][] 生徒の「話す力・書く力』を支える新しい英語指導研究会

 講演会の情報です。

 「意味順®」のご本家・京都大学の田地野彰先生が、来月に東京・市ヶ谷でご講演されます。関東で田地野先生のお話を直接伺える貴重な機会ですので、ご案内しておきます。

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 10月15日(土)14:30-17:00で、市ヶ谷です。ベネッセグループの(株)ラーンズさんの主催ですね。詳細・お申込みは、こちらに。

 「意味順」は、これまでの先生のご著書から、学習者向けの意味順「学習法」としての広がりが先行していたように思いますが、今回は教師向けの意味順「指導法」としてのお話です。というか、この指導法としての「意味順」こそ、もっと広まって欲しいなぁ。中学校で定着を目指す「文法」なんて、「意味順」くらいでいいじゃん、と思っている私ですので。そういう意味で、多くの先生方に、聞いてもらいたい講演会です。

 「気になる!」「予習したい!」という方は、田地野先生の意味順関連本としては、

〈意味順〉英作文のすすめ (岩波ジュニア新書)

〈意味順〉英作文のすすめ (岩波ジュニア新書)

意味順英語学習法

意味順英語学習法

あたりを読んでおくといいですかね。教材関係では、

「意味順」ですっきりわかる高校基礎英語 (シグマベスト)

「意味順」ですっきりわかる高校基礎英語 (シグマベスト)

あたりでしょうか。

 私もたぶん顔を出せると思います。久しぶりの田地野節が今から楽しみです。

2016-08-13

[][] 英文の組み立てを対戦型カードゲームで学ぶ

 最近様々な御縁で、学校以外で教えている方々とお話させていただく機会が何回かありました。数字だけでなく、生徒がどんなことを、どんなふうに学んでいって欲しいか、真剣に考えている人が学校以外にもたくさんいるんだなぁということに改めて気づかされました。

 私自身は、学生時代に4年以上塾講師をしていましたから、学校以外の視点も持っているつもりでしたが、学校で働く時間が長くなってしまい、すっかり想像力が欠けていたように思います。生徒を取り合ったりするのではなく、それぞれが本来の役割を全うして、お互いに補完し合える関係になっていけばいいなぁ、と思いました。

 さて、そんなお話の中で面白そうなゲームを見せていただいたのでご紹介。English Card Collection(イーコレ!)というカードゲームです。

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 いや、前々から英単語でカードゲームできないかなぁと思ってたんです。だって、不規則変化動詞の活用はなかなか覚えない生徒たちが「ポッポがやっとピジョンに進化したよ〜」って100を超えるモンスターの進化はすらすら諳んじるわけですから、魅力的なイラストとバトル的な要素のある英単語カードゲームがあれば英単語も身近になるかなぁ、と。

 今回のイーコレ!は、ただ単語を集めるのではなく、それを並べて英文を作る、というさらにチャレンジングなものでした。詳しい遊び方はこちらの動画をどうぞ。

 少しでも長い英文を組み立てて、相手の作りかけの英文に「攻撃」を仕掛ける、というものなんですが、実際にやってみたら結構面白い。カードという特性が活かされていて、「並べ替え」が体感的に学べます。またマジックカードの存在により、運も左右するのでゲームとしても面白いです。

 でも、そもそも「自力で英文を作る」のが前提なので、プレイヤーをそれなりに選ぶ感じもします。英語教師としては、このゲームが自分たちで遊べるくらいまで早めに引き上げることが使命だな、と感じます。

 また、できれば英文は左から右に流れていってほしいなぁ、とか、「意味順」ガイドがあれば、また違った遊び方(学び方)ができるかなぁ、なんてことも感じたので、そのへんは率直にお伝えしてきました。

 でも、例えば相手の作りかけの英文からいくつかカードを除去して邪魔する場面なんかもあるんだけど、どの単語を除去したら致命的かって考えるのは、それこそ「お肉とお皿」を理解しているかにも関わってくるので、そういうことも潜在的に学べる深いゲームだと思います。

 実物も入手したので、2学期になったら生徒たちと昼休みに遊んでみようと思います。好奇心旺盛で遊び心満載なうちの生徒たちなら、さらにおもしろい遊び方を考えだしちゃうかもしれませんね。

 このゲームにご興味を持たれた方は、開発元のH&Ksさんにお問い合わせいただければと思います。