英語教育2.0 〜my home, anfieldroad〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

*英語教師による、英語教師のためのブログ。
*授業で使えるアクティビティの紹介、ハンドアウトのダウンロードも。
*ライフハックス、文具、デジタルガジェットなどについても徒然と。

2017-03-01

[] まわるまわるよ時代はまわる

 昨日は一日出張でした。しかも午前中は公開授業を3時間参観し、午後は地域の役員会議に駆けつける、と完全に「英語教育」漬けな珍しい一日でした。でも充実してました。

 さて、午前中に参観したのは、話題の「ラウンド制」を取り入れている県北の先進校。先日北部サークルに伺ったご縁でわざわざご案内をいただいたので、喜んでお伺いしました。出張で出してくれた所属校の管理職にも感謝です。

 「ラウンド制」は、横浜で始まった1年間で教科書を4〜5周する指導法で、リスニングで、音と文字をつなげて、音読で、とステップアップしながら、最後はリテリング+αまで高めていきます。次から次へと「新しいこと」を理解することに追われ習熟しないまま進む今のやり方から、「わかるようになったこと」を読んだり、言ったり、書いたりする、使用のためのお稽古に重点を置いたやり方にシフトさせようと、学芸大学の金谷先生を中心に各地で取り組まれています。

 この日伺った学校は、以前からラウンド制に取り組んでいて、昨日はもうリテリング(もしくはその復習)などの最終段階を公開してくれました。実は少し前にもこの学校は研究発表をやってくださってたんですけど、ちょうどそちらには伺えなかった身としては、今回公開してくださって本当にラッキーでした。

 さて、初めて生で参観した「ラウンド制」は、率直に面白かったです。

 そもそも「ラウンド制」の理念は興味深いし個人的には関心があったのですが、みんな同じシステムで授業をすることにはちょっと抵抗がありました。教師の個性が発揮できないように思ったからです。しかし、この日午前中の3つの授業を拝見して、印象が大きく変わりました。基本的なやり方を揃えたからこそ、授業者の個性や力量が顕になっているように思います。特に、生徒とのインタラクションやオーラルイントロ的な部分で、生徒の発話をどう引き出すかについては、本当に教師次第だと思います。

 技能的な面では、読むなら読む、聞くなら聞くに一定期間集中できるのが魅力的です。特に苦手な生徒にとっては、音読にそれだけじっくり取り組めるのは、学んだことがしっかり定着するための時間が確保されているように思うので、安心して取り組むことができます。とはいえ、飽きが来ないように工夫も必要でしょうね。その辺のお話も伺ってみたかったです。

 ポイントは「繰り返し」と「行ったり来たり」でしょうか。

 習った新出文型を使えるチャンスが何度もやってくるのは魅力的です。また、他の文法項目を知ったからこそ、使い方が見えたり、比べられたりすることも多いので、「とりあえず一通り触れてみる」ことができるのはいろいろ勝手が良いです。聞けたものを読む、読めたものを書く、という技能間のつながりも作りやすいし、会話文として読んだ英文を、物語文に再構築したりすることで、例えば代名詞を替えたりと、内容から形式に意識が動いていく感じもよいと思います。

 そして市教委の先生とも話したのですが、こういった取り組みは一個人では難しいです。せっかくの良い取り組みでも「あの先生に授業だけ…」とか「テスト範囲どうするの?」などと同僚問題に発展したり、保護者や生徒の不安も生み出してしまう恐れがあるからです。そういう意味で、導入に際してのご苦労もあるでしょうが、こうやって地域でみんなでやろうとしたことに素直に敬意を表したいです。(1学期の中間テストはリスニングのみで範囲は一冊、だったりしますから、地域の学習塾がどんな授業をしているのかすごく興味がありますw)

 一方でもちろん疑問点もあります。

 1つめは文字や文法の扱いです。

 特に1年生ではどのような段階で文字指導を入れているのか? 生徒が持っていた準拠ノートや教科書準拠ワーク類は、どんな風に使わせているのか? でもこの辺は、1〜4ラウンドについて紹介されているものを読めば解決しそうですね。

 2つめは教科書との距離感です。

 教科書のリテリングは私もよくやらせる活動ですし、中学生段階でできるようになって欲しいことの1つです。でも、あくまで内容を知っている人同士でのやりとりになるので、「言えた!」という喜びは体験できるけど、「伝わった!」という喜びは感じにくいのではないか、と思うのです。

 だからこそ、5ラウンド後は教科書から離れてもよいのではないか、と思います。実際にはそういうタスクにもチャレンジさせているんじゃないかな、と思いますが、参観者のためとは言え、ほぼ3月のこの時期でも教科書の内容に縛られてしまっているのはもったいないな、と思いました。

 生徒の発話を聞きながらずっと考えていたことは、生徒は何を支えにアウトプットしているんだろうか、という疑問です。教科書の内容を再生する際に使っているのは、これまでに何周もしながら自然に体内に取り込まれた教科書の英文なのだと思います。すると、どのくらいそれを逸脱できるのか、とても興味があります。

 そういう意味で、例えば「桃太郎」などの「おはなし」のような「すでに知っていること」などをリテリングさせてみて欲しいです。話者の頭のなかにある「これから話そうと思っていること」は、この「すでに知っていること」に似てるから、そういうのが表現できるのであれば、たくさんの練習を通して文法知識が内在化されて、自律的に英文を組み立てられている、と言えるかも知れません。

 さて、「ラウンド制」そのものの成果と課題は今後さらにシェアされていくでしょうが、私が個人的にいいなと思ったのは、このシステムが「すべての文法をただ順番に均一に教えていく」という現状から抜け出すきっかけになるのではないか、ということです。先日の北部サークルでもお話しましたが、私が「意味順」推しなのは、そこに理由があります。「使う」が前提になると、文法項目の扱いには自然に軽重がついてくるんじゃないかな、と思います。

 そういう意味で「ラウンド制」ありきの話ではありません。ただ多くの人たちに、今までの指導の常識と向き合って、時に破っていく機会を持って欲しいです。ボトムアップだとなかなか広がらないし、トップダウンだとやる気を削がれちゃう人もいるし、といろいろ大変なんですけど、新しい取り組みをおこなっている地域にはエネルギーがあります。そんなエネルギーをおすそ分けしてもらってきたような、一日でした。

 なにより生徒のみなさんが頑張って活動してくれました。そんな授業を、私もやらなきゃなぁ。私自身にとって、貴重なインプットの機会になりました。

2016-07-27

[] 「英文法の基礎」って何なんだろう?

 昨日は教育センターで、10年経験者研修のお手伝いをしてきました。昨年までは初任者研修を担当していたので、一気にハードルが上がったというか、個人的には緊張感が増したお座敷でした。それぞれ経験も豊富で、目が肥えてるでしょうから。

 10年次の方にはどんなお話をするのがいいんだろう、としばらく悩みました。自分が10年次の時にはどんなことを考えて、どんなことを求めていたんだろう、と当時のブログ記事を読み返したりもしました。

 結局、最新の自分の関心事をぶつけてみることにしました。ちょうど自分が10年目以降に学んできたことや、やってきたことをお伝えする内容にしました。メインはいつもの「お肉とお皿」のお話。あとは発音と意味順、dictoglossなどの2.0的な活動のご紹介です。

 結果として、すごく手応えのあるワークショップになりました。「お肉とお皿」の話は初任研でもしているんですけど、たぶん10年次の方々の方が、それぞれがこれまでにおこなってきた授業(の手応えや反省など)を振り返って、いろいろ考えてくださっている感じが伝わってきました。やってよかったです。

 後半は高校籍の10年次の方々との交流セッションで、ワールドカフェ方式を用いて、中高の接続を考えました。高校の先生方は「英文法の基礎くらい身につけてきてほしい」と願っています。でも、その「英文法の基礎」って何なんだろう?というすり合わせが、これまでされてないままだったと思います。

 勤務されている高校の現状は様々でしょうから、「じゃあ、中学校で5段階で3の成績をもらってくる生徒に期待するのはどんな英語力ですか?」とあるグループに話題を振ってみると、その認識のギャップが明らかになって面白かったです。

 「中学レベルの初見の文章を黙読したあと、意味や文構造を考えながら音読できる力」とおっしゃった高校の先生がいらっしゃいました。英検3級の2次試験という感じですね。それを聞いた中学校教員はみな「それって4か5だよね」と反応します。私も現状ではそう思うんですけど、世間も(たぶん文科省も)本来はそれくらいを期待しているはずで、「無理!」と言っている場合ではないのだとも思います。教科書くらい自由に読めるようにして送り出したいけど、それって今のひとつひとつの文法をただ追いかけていくだけの授業だと、なかなか辿りつけない境地なのではないかな、とも思います。

 英語教育ブログの同時更新企画でも、「中学校卒業までに身に付けて欲しい英語力」という特集を組んだことがありますが、もっと中高教員で話し合っていくべきテーマだと思いました。私自身は、まさに前半の研修で語った「お肉とお皿」とか「意味順と発音」とかが、それにあたると思っているので、そういう意味でもタイムリーな研修の構成だったと思います。

 さて、高校の先生方からは(進学校勤務の方が多かったせいもあって)「受験」「文法」「現実」「同僚問題」という言葉が出てくることが多かったです。私は中学校しか経験がないので推測するばかりですが、きっといろんな足枷があるんだろうなぁと思います。でもそんな現状でもできることもたくさんあるんじゃないかとも思い、今回のようなセッションが、そういうチャレンジにつながるいい刺激になればいいなぁと感じました。

教科書だけで大学入試は突破できる (英語教育21世紀叢書)

教科書だけで大学入試は突破できる (英語教育21世紀叢書)

 久しぶりに英語教育モードになって勢いでブログ更新しています。私自身にとって、とても刺激になる研修だったんだと思います。夏休み中にあと2回お邪魔できますので、さらにいろいろ学んできたいと思います。

 あ、教師としてのキャリアを積まれた10年次の方々には、ぜひこれらの本も手にとっていただきたいです。共感していただけるお話がたくさんあると思います。さすがに昨日の官製研修の場ではご案内できなかったので、こちらで宣伝(笑)

2015-10-29

[] たまには立ち止まって振り返ってみる

 今日は中学校初任者研修教科別研修のお手伝いに行ってきました。

 ここ数年、ICT活用の枠組みでお呼ばれしてましたが、今年度はもっと広い意味での教科指導の枠組みでお声かけいただき、個人的にはより伝えたいことをダイレクトにお話できたので、とてもありがたかったです。ここぞとばかりに、ここ数ヶ月個人的に推している「英語の骨組み」のお話をさせていただきました。

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 越谷市が中核都市になり初任研も独自開催しているためか、初任者の人数は例年より少なめ。といっても、私たちの世代とは比べ物にならないくらいいますので、毎年のことですが、うらやましく思います。あれだけの仲間と情報を交換していければ、すごい財産になっていきますね。つながりを大切にして欲しいです。

 ブログを宣伝してきたので、はじめてこのブログを読んでくださっている初任者の方もいらっしゃるかと思います。更新頻度は低いですが、少しはお役に立てる情報があるかと思います。ご活用いただければ幸いです。

 今日は、初任者の先生方の模擬授業を見る機会もありました。そこで感じたのは、やはり「アクティビティー」の捉え方。ずいぶん前に「アクティビティー考」という記事でも書きましたが、特定の文法項目を定着させるための活動を毎回考えるのは時間とエネルギーが要ります。そういう意味では、まだ校務分掌等もそれほど重くない初任者のみなさんにとっては、今こそそういうことをじっくり考えて、試行錯誤できる時期だと思います。そして、やがてもう少しコストパフォーマンスのいいアクティビティーが必要になる時期も、きっと来ると思います。そうやって、次の段階に進んでいけばいいんだと思います。

 初任研にお邪魔するたびに、自分の初任者の頃を思い出します。若かりし頃の危なっかしい自分を振り返るとちょっと恥ずかしくもなるのですが、そんな初任校で指導した生徒の一人が、今日の講座を初任者として受講してくれていたりするわけですから、時間の流れと素敵な縁を切実に感じてしまいます。

 よかったら今後も時々ブログを読んでくださったら励みになります。少しずつでも書かなくちゃなぁ。

 あ、今日のスライドはこちらです。初任者の先生方向けに公開しておきます。

初任研2015.pdf 直

 この「骨組み」のお話に興味を持ってくださった方は、ちょっと先ですが来年の1月10日に都内でお話する機会がいただけそうですので、よかったらその際に足をお運びいただけたら嬉しいです。詳細は、また改めてご案内いたします。

2014-12-06

[] 通常の授業での活動を、表現活動にどうつなげるか

 昨日は埼葛授業研究会でした。

 越谷市の中学校で授業を参観し、そのあとは研究協議。埼葛の研究協議はワークショップ形式でおこなっています。今回は進行担当だったのでネタ決めから、当日の運営までお仕事させていただきました。

 今回のテーマは「通常の授業での活動を、どう表現活動につなげるか」でした。これは授業者の課題意識から生まれたものです。教科書にはいくつかのレッスンごとに「プロジェクト」的な表現活動のページがあります。スピーチだったり、作文だったり、Show & Tellだったり、内容はいろいろですが、そこまでのまとめの活動として位置づけられています。

 この「プロジェクト」の単元に入ると、モデルを提示して、原稿を書いて、練習して、発表と段階を追って指導をするわけですが、「プロジェクト」以外のページを扱っている「通常の授業」での活動も、そこにつながっていっているはずです。今回はそれをどうやって計画的に設定し、また有機的につなげていくかを考える会にしました。

 事務局では、以下のシートを用意しました。

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 参観者のみなさまには事前に、通常の授業でやっている活動の資料を当日持ってきていただけるようにお願いしていましたので、それらの活動がプロジェクトに向かう「型を知る」「型をつくる」「型を覚える・破る」といった3つ段階のどの部分につながりそうかを付箋で貼ってもらいました。

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 すると、多くの方はインプット系の資料を持ってきていたので、シートの左側に付箋が集まりがちです。そういう場合には、その他の段階に役立つ活動にはどんなものがあるかをみんなで考えてもらいました。例えば、教科書をRead & Look upするのだって、キーワードと絵から本文を再生するのだって、人前で顔を上げてShow & Tellをやる時に必要なスキルを育てる活動だと思います。こういったものが、ここでいう「型を覚える・破る」あたりに当てはまります。

 最近は「○○インプット」とか「○○○○英会話」といった、会話文をペアで暗誦するタイプの活動が「インプット活動」として広がっていますが、これって、そのあとにちゃんとそれらの表現を使う場面を設定しておかないと、まったく意味がないですよね。あまりそういうことを考えたことがないままに活動をさせていたという方々には、自分がやっている「インプット活動」がどこにつながっていくのかを意識していただく、よい機会になったかと思います。

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 個人的にも、自分がやっている活動をメタに分析できて面白かったので、今度サークルでもやってみようかなと思いました。学校の教科会でやってみる〜と言ってこのワークシートを持ち帰った熱心な方もいましたので、使えそうだと思ったらどうぞご活用ください。

埼葛_授業研究会2014_ワークショップ.pdf 直

2014-11-27

[] 初任者研修ICT講座

 本日、総合教育センターにて、初任研のお手伝いをさせていただきました。(今年は入り口で初任者に間違えられなかった!)

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 講座の中でご紹介したアクティビティーのいくつかは、このブログ内でもご紹介してますので、よかったらどうぞ。

 ○答えを言えないWho am I?

 ○2人deシャウト

 ○カキトリン

 ○対面リピート

 お見せしたスライドもPDFで載せておきます。

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英語_初任者研修_ICT講座2014.pdf 直

 研修中に感じたことなどは、あとで追記してみます。

 追記

 ということで、改めて。

 初任研、楽しかったです。中学校英語科だけで72人と、私たちの頃を考えるとびっくりな人数ですが、それだけいると、近くの学校にも仲間がいてくれるので心強いですね。研修の最後にも伝えましたが、初任研後にもつながりが続いていくといいですね。

 さて、「ICT研修」というお題をいただくたびに悩むのですが、「ICTで何をどう作るかを学ぶ研修」なのか、「ICTで作ったもので生徒に何をさせるかを考える研修」なのか、ということです。今回は担当指導主事さまのご助言もあって、それぞれのスキルとニーズに合わせて、どちらもアリにしていただきましたが、多くの「ICT研修」だと前者ばかりなのが気になります。

 極端な話、10秒間の動画を10個くらい用意して、「これで活動を3つ考えなさい」みたいなタスクがあっても面白いかなぁと思います。今度そういう講座を担当させていただく機会があったら、ぜひやってみようと思います。(どうも来年の1/12あたりに、都内でそういう機会をいただけそうです。詳細がわかりましたら、またここでご案内いたしますね)

 その他に気になったのは、ICTを使うと教師が一人で話す時間が長くなっていくこと。インタラクションがあっても、教師ー全体という形態になりがちなことです。ICTのCは、CommunicationのCですから、機器やデジタル教材を介して、人と人のあいだに何かCommunicationが生まれるような仕掛けを作りたいですね。今日、盛り上がった発表には、共通してそういう仕掛けがあったように思います。

 デジカメで撮った写真を大型テレビに映すだけでもいろんなことができますし、それだけでも十分立派な「ICTの活用」だと思います。難しく考えずに、いろいろ試してみていただけたら嬉しいです。

2012-11-20

[] 「暗誦」と「再生」のあいだ

 本日、埼葛授業研が終わりました。

 11月の怒涛の研究授業2連戦もこれで一段落ですので、ちょっとホッとしたというか、帰宅したらすっかり気が抜けちゃいました。ふぅ。

 授業の方は生徒たちがすごくがんばってくれたので、なんとか乗り切ることができました。いつもどおり、グルグル&カキトリンと教科書再生をお見せしましたが、本日の参観者の方々からは「生徒の意欲づけ」に関するコメントや質問を多くいただきました。

 特にグルグル&カキトリンは、半分ずつ別の活動をしますし、グルグル指導中の私は残り半分のカキトリン組の様子をじっくりと見守る(見張る)ことはできませんから、教師もそばにいない&教室も騒がしいという環境の中で生徒が集中してカキトリンに取り組んでいる姿が印象的だったようです。個人的にはこれには「秘策」はないかと思っています。時間をかけて作ってきた人間関係に支えられている、としか言いようがない気もします。あえて言えば、それくらいカキトリンは集中して取り組める魅力的な活動だ、とは言えるかも知れませんが。

 その他にもお伝えしたかったことはたくさんあるのですが、一気に書けないので何回かにわけてひとつずつ綴ってみます。まずは教科書再生時のワークシートについて。

 実は以前使用していたワークシートでは、場面絵のまわりにキーワードをいくつか載せてただけでした。こんなイメージ。

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 この形式は生徒の自由度が高く、教科書本文の英語に限らない多様な英語を引き出していました。ただし、同時に、文法も発音もめちゃくちゃな英語もたくさん産出させていたと思います。教師が一対一でチェックできる環境でないとしたら(授業ではセルフチェックorペアチェックが前提になっています)この自由度の高さはちょっと危険なんじゃないかと思うようになりました。なので、現在のワークシートは穴埋めに近いイメージで、元の文章からキーワードが抜けてる感じになっています。

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 これだとペアでチェックもしやすくて便利なんですが、今度は「再生」というより「暗誦」といった雰囲気になってしまうのが苦しいところ。まぁこのへんは結局ある程度トレードオフなので、こちらが何をねらいにするか、によりますね。

 さて、今回の工夫は絵の両サイドにある2つのステップの違いです。STEP 5は「キーワードを思い出す!」ということで、途中に抜けている本文中のキーワードそのものを補いながら英文を完成させていくパターン。右側のSTEP 6は「キーワードで思い出す!」ということで、そのキーワードを使って文を自力で組み立てるパターン。そう、これは以前にこのブログでも書いた「容れ物と中身」の話に関わる問題で、具体的にはSTEP 5からSTEP 6への橋渡しをどうやっていくか。これが個人的な課題です。

 今のところ解決策としては、生徒から英語を引き出しながらオーラルイントロ的に(インタラクション気味に)自然とスイッチングしていくことくらいしか思いつきません。ちなみに今日の授業ではそのスイッチングがいまいちでしたので、最終的に自己選択で2つのSTEPから選ぶ形にしました。でも最終的には全員にSTEP 6の「キーワードで思い出す!」をクリアさせたいんだよなぁ。

 というわけで悩みながらの授業公開(後悔?)でした。参観してくださった方々からの意見も引き続きお待ちしております。まぁこうやって授業者自身が一番考える機会をいただき、学ばせていただけるのだからありがたい限りです。その他の振り返りはまた後日。

2012-10-07

[][] LessonNote Ver.1.0.5がリリース!

 先日こちらでご紹介したばかりのiPad用授業参観アプリLessonNoteがVer.1.0.5にバージョンアップしました。前回記事のコメント欄で開発者様がお知らせしてくれていたとおり、今回はマイナーチェンジです。具体的には、

・児童生徒の氏名を入力編集が可能になりました。

・ 座席表のコピーが可能になりました。

・ノートの背景にマス目が入りました。

・ 黒板のアイコンの色を変更しました。

・配置した座席表のアイコンの編集が可能になりました。

・フィードバックのメールアドレスを変更しました。

・バグの修正と入力画面のレイアウトを使いやすくしました。

といった痒いところに手が届く変更。

 さっそく試しに使ってみましたけど、座席表作成画面に方眼罫が入ったのが地味に便利です。生徒アイコンを列に並べるのが楽になりました。贅沢を言えば、これで適当に並べたアイコンを「グリッドに吸着」なんて機能があれば嬉しいですよね。

 生徒名も入力できるようになりましたので、参観後の振り返り時には便利ですね。特に、生徒の言動を中心に授業を振り返るという「学びの共同体」系の研修会では重宝されるのではないでしょうか。

 そして、もう一ついいなぁと思ったのは、授業の活動形態をワンタッチで記録できるようになったこと。(あれ、前からあったのかな? ぼくが見落としてただけだったらすみません)

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 「学級全体」「グループ活動」「個人活動」など、授業形態が変わった時に右上のプルダウンメニューから選んでおけば、授業タイムラインの中に「グループ活動へ移行」とリアルタイムに記録されます。これは便利だなぁ。

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 こちらもさらなる期待を述べると、「ペア活動」とか「グルグル」とか新しい形態を設定できたり、授業後に各形態ごとにどれくらい時間を費やしたかのスタッツが出たら言うことなしですね。いや、言うばっかりで申し訳ないんですけど。開発してくださっている方々のご努力にホントに頭が下がります。

 なお、年内を予定しているというメジャーアップデートとなるVer.2では、

・web上のデータベースへのアップロード

・PDFへの書き出し

・特定の児童生徒のノート等の検索機能

を予定しているそうで、とても楽しみです。

 さて、なんでぼくがこのアプリを絶賛してるかというと、実はこういった授業参観記録を紙ベースでやっていたある小学校の先生の取り組みを少し前に知って、そちらを近々ご紹介しようと思っていたところだったからです。自分の授業をできるだけ客観的な記録で振り返ることで、いろいろ見えてくることがあるんじゃないかと思っています。最近はこういう授業研究の在り方にとても興味があります。

 教育実習生を指導していて、(まぁ当たり前といえば当たり前だけど)授業参観の視点がわかっていないなぁと感じることが多いので、そういう視点をわかりやすく説明する上でも、こういうアプリが役に立つところがあるんじゃないかな、と思います。

2012-09-30

[][] LessonNote - 授業研究のためのiPad用授業観察アプリケーション

 ずいぶん前に某所でオススメされてて自分のiPadにはインストールしていたものの本格的に使用してはいなかったのですが、今月実習生の授業を参観する際に試しに使ってみたところ、とっても便利だったので今更ながらのご紹介です。

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(公式サイトはこちら→LessonNote

 こちらはもともと数学科教育系のプロジェクトと共同で開発されたアプリで、授業中の生徒の発言や気行動、教師の発問や参観者の気づきなどをリアルタイムにメモしていくことで、授業後に客観的に振り返ることができるようにする授業記録ツールです。無料というのも素晴らしい。

 座席表を予め作成し、授業の開始とともにアプリをスタート。あとは授業中に気になったことがあれば座席表から生徒のアイコンを選択し、指で手書きのメモをしておくだけです。「教師の指導」「生徒の動き」「参観者の気づき」と色分けして分類することも可能です。

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 記録した時間が自動的に残りますので、授業開始何分でこの活動に入ったのか、など授業の流れを記録するのも楽です。(あとでこの活動に半分くらいかかったのか、客観的に振り返ることができます)

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 iPad2以降であればその場で撮った写真なども取り込めますので、生徒のノートをメモしたり、板書を残しておくこともできます。

 おお、これは便利だ。これで授業参観の際は指導案とiPadだけ持ってればペンを握る必要もないし、とってもスマートです。あとは願わくばこの記録メモを何らかの形式で外部に書き出すことが出来ればパーフェクトですね。さらなるバージョンアップに期待。

 で、これを使ってて思ったのは、生徒の発言や素朴なつぶやきを記録したり、個別の生徒のがんばりや課題を簡単にメモできる、というこのアプリの特性を考えると、これをいわゆる「閻魔帳」として使えるんじゃないか!ということです。というか、そういう風に使いたい! 複数の授業にまたがって長期的に個別の生徒の記録が蓄積されるし、あとで統計的に分析できたりしたら最高じゃないですか。席替えにも対応してくれたら完璧です!

 ということで、どなたかがこのアプリを教師向けの生徒のがんばり蓄積ツールとして再開発していただくことを強く強く希望します。(常に他力本願)有料でも買っちゃうなぁ。

追記

 LessonNoteのFacebookページを見ていたところ、現在テスト中の新バージョンでは「LessonNoteで記録したノートをインターネット上のデータベースにアップロードし、印刷したり、他の人に見せたりできるようにする」とのことです。超期待!

さらに追記

 コメント欄にLessonNote開発者の方から貴重な情報をいただきました。深謝。

2012-08-01

[] 英語教育を熱く語る会2012

 今日は催し物のご案内。

 埼玉県で毎年夏の終わりに「英語教育を熱く語る会」という会を開いています。

 これは、埼玉県から長期研修で学んできた教員が幹事となって、自分たちの研修内容をみなさんの前で発表したり、著名な方をお招きして講演を聞いたりする機会をつくろう、という趣旨で始まったイベントです。今年は9月1日(土)に大宮ソニックシティーで開催するべく準備を進めております。今年の講演には、慶應大学教授の大津由紀雄先生をお迎えします。

 夏休み最後の週末となりますが、ぜひお誘い合わせの上、ご参加いただけたら幸いです。また、周囲の方にもご案内いただけたら嬉しいです。今年から原則としてインターネットでの申し込みとなっております。ご不明な点などありましたら、今年度は私が幹事ですのでご遠慮なくお問い合わせください。

『英語教育を熱く語る会2012』のご案内

1 日時 平成24年9月1日(土)

     13:30〜16:30 (13:20〜受付)

2 会場 大宮ソニックシティー 602会議室

    (JR大宮駅西口徒歩3分)

3 内容

 (1)研修報告 埼玉県外国語科長期研修生より

 (2)講演「母語獲得の認知科学」 

     講師 慶應義塾大学教授 大津由紀雄 先生

4 参加費 2,000円

5 その他

   本会後に講師の先生を囲んで懇親会を予定しております。多数のご参加をお待ちしております。

    大宮駅西口徒歩1分「畑の厨 膳丸 大宮店」

    17:30〜 会費 3,500円

6 参加申し込み受付URL

  http://bit.ly/Pv42wF

2012-07-09

[] 現職英語教員のためのポータルサイト「えいごネット」

 少し前の及川先生のブログでもご紹介されてましたが、うちの学校にも文科省から通達が届いてました。なんでも「主に全国の英語教員に向けて周知を行う英語教育ポータルサイト『えいごネット』が開設されました」とな。

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 「えいごネット」(http://www.eigo-net.jp/)

 ほほう。文科省の全面的バックアップでELEC(同友会ではなくて協議会の方)が実務を担当して作ったサイトみたいで、各都道府県の教育委員会で公開している教材や指導案、指導の役に立ちそうな素材なんかにリンクを張ったもののようです。

 実際に「事例・指導案を探す」を選び、「中学校」を選択すると、各教育センターに蓄積してある指導案なんかにアクセスできる仕組み。なるほど。埼玉県立総合教育センターのデータも載ってるのね。ふむふむ。

 といろいろ開いていると、どこかで見たことのある文字列が…。

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 お、この人「ぐるぐる」やってるじゃん!と一瞬思ったけど、よく見たらこれ、ぼくの書いた指導案じゃん!((((;゚Д゚))))

 そうか、10年次研修で公開した授業の指導案が、教育センターのデータベースに載ってたの忘れてました。そこにリンク張られてたんですね。びっくりです。

 ということで、このサイトは別に内容まで精選して載せてるわけではない、ということはわかりました。あくまで関連するリソースをつなげたポータルサイト、と割りきって使えば問題ないかと思います。個人的には、閲覧者がどんどん自分のアイディアを投稿できるような、本当の意味でのポータルサイトがあればいいのになぁ、とも思います。昔、そういうデータベース的サイトを作ってたんですよ、ぼく。今で言えば「CookPad」的な。

 全然軌道に乗らなくてすぐ閉鎖しちゃいましたが、今なら多少は需要があるかなぁ。でも今となっては自分でCGIとか改変したりするの面倒なので、誰かちゃんとしたの作って下さい(他力本願)