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なげなわぐも観察日記

2006-10-24

戦後自殺

終戦からしばらくの間(20年〜30年)は、現代と比較して、全世代を通じて自殺死亡率が高い。とくに青少年世代と高齢者自殺が非常に多い。

現代の若者高齢者自殺死亡率は、過去最低の水準にあるが、一方では、40代〜50代の中年世代の自殺死亡率は戦後最高水準にある。

自殺という視点から見れば、現代は、若者高齢者にとって悪い世の中ではない。

第二章 青少年の自殺の実態

中学生高校生につづき、大学生についても稲村さんは述べています。大学生になぜ自殺が多いかについては、古くから多くの考察があるようです。大学の持つ精神的圧力をあげる人もいれば、勉学、孤独失恋家族関係、就職また薬物の役割などを強調する人もいます。

大学生自殺頻発群というイメージがあるらしいが、実際は違うらしい。

現代青少年の社会学―対話形式で考える37章 (SEKAISHISO SEMINAR)』で、渡部真氏は、「大学生自殺者は、同世代の就職組と比較して低い」と指摘し、昭和20年30年代に突出して多い若者自殺が、昭和40年代以降、急速に減少するのは、高学歴化(あるいはモラトリアム化)の影響が大きいと分析する。

調査者にとっては、自身が大学生の経験者であり、また職場大学ということもあって大学生は身近な存在であるが、有職青少年はそれと比較して遠い存在である。そのへんのバイアスには注意が必要だと思う。

大学生が、様々な精神的圧力、勉学、孤独失恋家族関係、就職で悩んでいるように、有職青少年大学生と同じように悩んでいるし、大学生が有職青年よりも、より困難な問題を抱えているということはない。むしろ、大学生の方が困難の度合いは小さいだろう。

労働環境を考えれば、有職青少年には、大学生以上のフォローが必要なのだが、残念なことに今も昔も放置されているのに近い状態だ。

渡部真渡部真 2006/10/24 15:00 本を取りあげていただいている渡部と申しますが、ここの「戦後の自殺」という文章、大変に的確な分析をされていると思います。本の最後の章で今の若者に自殺が増えないのはなぜか、その中で高校生は90年代の2倍近くになっているのは何故かといって問題も扱っていますが、正直、よくわからないところがあります。このあたりについてもご意見いただけたら、うれしいです。

anhedoniaanhedonia 2006/10/24 20:05
渡部さんコメントありがとうございます。
まさか、本人からコメントいただけるなんて、“予想外”です。

私も、渡部さんの本を読むまでは、漠然と大学生の自殺率は高いと思っていたのですが、言われてみれば、大学生には大学という逃げ場があるわけで、大学進学を諦めて働いている青年たちのほうがリアルに外圧に曝されていて辛いはずですよね。有職の若者たちの方が自殺者が多いというのは、素直に肯けます。
若者の自殺が多かった時期は、自分以外の誰かを殺す殺人も多かったわけで、自殺も他殺も少ない現代は、若者にとってはなかなか良い世の中ではないかと思います(これからどうなるか解りませんが)。
『現代青少年の社会学』は、まだ半分くらいしか読んでいないのですが、要点が掴みやすく解りやすいです。私も最近の青少年バッシングには違和感を感じていたので、渡部さんの若者を肯定する気持ちには、とても共感できます。

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