トムをジェーンに。最終回

彼女の周りにくりひろげられる論争を尻目に、ニコルは相変わらず部屋中をバービー人形で一杯にし、お客さんには楽しげに歌を披露している。彼女は幸せそうで、健康的で、おそらくはちょっぴり甘やかされている女の子だ。


MTFTSのHeather Wrightは、ニコルが3歳のときに初めて会ったのだが、6週間前にひさしぶりにニコルに再会した。両親が、トランスジェンダーについてのとある会合でのHeather Wrightの講演を聞きにニコルをつれいったからだ。


Heather Wright は語る。「ずいぶんと変わっていました。性格もずいぶん変わっていて、最初は本人だとわかりませんでした。言われなければ、最後までわからなかったでしょう。今回は彼女は注目の的でした。とても社交的でした。間違いなく以前よりずっと元気でした。今では女の子としての人格に見えました。とても幸せそうでした。前に見たような内気な子どもではありませんでした。」


1ヶ月前、地元の学芸会で、ニコルは始めて舞台で演じた。閉幕のとき、ステージは暗くなり、子どもたちのコーラス隊が歌を歌った。舞台上を歌いながら行進し、一生懸命演じるさまは、他の子どもたちと同様で、一番小さくて、頭ひとつ身長が低いこと以外には目立ったことはなかった。


観客や出演者たちは、もし、ニコルがかつては男の子だったと知ったら、ニコルは人まえでも女児として幸せにやっていけることに、疑いを持たなかっただろうと、両親は語る。



ニコルの10歳の姉のアンジェラは、 当分の間、弟が妹に変わったことに慣れるのには大変だと語った。


「私がもう少し小さかったときは、これは一時的なことではと思っていた。」とアンジェラは語る。現在最もアンジェラを悩ませていることは、ニコルがアンジェラの服を勝手に着ることだ。「でも、妹がいるって言うことはそういうことよね。これまで妹はいなかったから。」


外の人々からの反応に関しては、アンジェラは質問に答えるのには慣れっこになった。


「少々おかしいんだけど。友達は皆、『男の子?』って聞くの。でも私は、『違う、女の子よ』と答えるけど、大変ねよ。皆が私のところに来て、弟?ってきくけど、妹よ、と答えるの。そしたら、みんな、えー、って」

声帯手術のマエストロが著書を出版

http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000000606250001
朝日新聞京都2006.6.2.5
声帯手術のマエストロが著書を出版
 声の病気で「一色の法」と呼ばれる甲状軟骨形成術を開発したことで世界的に知られる中京区の一色クリニック院長、一色信彦さん(76)=京都大名誉教授=が著書「声の不思議」(中山書店)を出版した。半世紀のキャリアがあり、1500人以上を診てきた。一色さんは「とにかく声は不思議で謎が多い。本が、声に興味を持つきっかけになれば」と話している。
 京大医学部を1954年に卒業。医学部付属病院にいた77年、局所麻酔による手術方法を発表した。従来の治療は声帯に直接施したが、一色さんが開発したのは声帯を支える甲状軟骨の位置を調節する方法だった。
 例えば、声帯がけいれんして声が詰まったり、震えたりする病気がある。けいれんを止める治療法はまだないが、声帯を支える甲状軟骨を広げれば、声が出るようになる。局所麻酔のため、声を出させながら手術することができ、声帯に触れないので安全性も高い。現在、世界各地で導入されつつある手術法だ。
 10年近くうまく発声ができないため、周囲から奇異のまなざしを向けられてきたと涙ながらに訴える人もいた。声帯の間を4ミリほど広げる手術で声がスムーズに出るようになると、笑顔に変わった。「声は自己表現の一つ。しゃべれないということは想像以上につらいものです」と一色さんは話す。
 最近では性同一性障害の患者も多く訪れる。女性への性別適合(性転換)手術をしても、低い声に違和感を覚える人がいる。声帯の間隔を狭くする手術で、女性のような声に変わる。
 今春、韓国人の世界的オペラ歌手べー・チェチョルさんが訪れた。べーさんは甲状腺がんで手術を受けて声帯をつかさどる神経を切り、空気が漏れるほどの声しか出なくなった。支援者の音楽プロデューサー輪嶋東太郎さんらがドイツや英国で医師を探した際、「マエストロ(巨匠)」として名が挙がったのが一色さんだった。
 手術では、声帯の位置を楽器の調律のように1ミリ単位で変えていった。「声を出してみて」「これじゃ、だめ」。何度も調整を繰り返し、4時間に及んだ手術の最後、べーさんが賛美歌を歌った。透き通る美しい声に、手術室は静まりかえった。輪嶋さんは「リハビリに時間がかかるかもしれないが、復活を信じている」と話す。
 著書「声の不思議」は、声の病気への質問、治療法の変遷などを紹介。付録のCDには、性同一性障害の患者の術前、術後の声などが録音されている。問い合わせは中山書店(03・3813・1100)へ。

声の不思議―診察室からのアプローチ

声の不思議―診察室からのアプローチ

「海猿」

DVDで「海猿」見る。

海猿 [DVD]

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ポリスアカデミー」と「愛と青春の旅だち」と「グラン・ブルー」を適当に混ぜた感じで面白かった。


しかし、ヒロインの加藤あいは全然さえなかった。
女優としての加藤あい自体が終わってることもあるけど、着てる服とかもみょうちくりんで、映画の中でも描かれ方もさえない。


まあ、でもそれもよく考えると当然で、基本的には、この映画、男同士の愛の物語。
ハイライトのシーンが、男どうして、抱き合いながら、レギュレーターをやり取りする場面。
要するに間接キス。
私も昔、ダイビングのライセンス取るときに、男同士でひとつのレギュレーターで相互に呼吸するというのをやったが、ヘテロセクシュアル的にはかなりフォビックな体験であった。
それを、この映画は伊藤英明とかのムキムキの美男子が、激しく見つめあいながら、延々とやっている。


そういえば、途中で、電車男君が死ぬんだけど、あれは、ナースをなんぱするという、おきて破りのヘテロセクシュアル的行動をとった、天罰なのであろう。


ということで、結論的には、この映画、やおい物だと思うのだが、そのまま、やっちゃうとカルピスの原液みたいに濃すぎて、一般受けしないので、とりあえず、加藤あいとか混ぜてみて、薄めてのみごこちをよくした、ということか。