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Anno Job Log

2018-04-12

[]疾患近縁概念としての「LGBT

医師会等の講演会や大学同窓会など、セクシュアリティ関係の専門ではない医者から、何度かこんな感じのことを言われたことがある。

「最近では、性同一性障害の代わりにLBGなんとか、というそうですね」(よく知ってるだろうとちょっと自慢気)。


また、取材を受ける時など、新聞記者はほぼ大丈夫だが、ネット記事なんかのライターさんだと、

「医療機関がLGBTをみる時、気を付けるべきこと」なんかのテーマだと、

性同一性障害の拡大概念として、LGBTをとらえていることがよくある。

つまり、「疾患じゃないかもしれないけど、疾患に近いLGBTを医療機関が見るときは、こういった症状を見落とさないようにしましょう」といった趣旨で記事を書きたいとの取材となる。

そうではなく「医療機関においては、人種や宗教等と同じく、性的指向性自認を尊重、配慮することが大事」ということを理解してもらうには一苦労する。


このあたりから推測するに、一般的には、

・LGBTを正確に理解しているのはごく一部

・ある程度知っている人は、性同一性障害の拡張、類似概念としてLGBTを理解している。

・残りの人は何も知らない

という感じなのかもしれない。


勉強不足だ!と罵倒するのは、簡単だが、まあ無理もないかとも思う。「LGBT(性同一性障害など)」という使われ方はよくされるし、専門家でもない限り、いちいち新しいアルファベットの略語を正確に理解するのは困難だ。


啓発活動される方は、大変だとは思うができるだけ平易な日本語でしていただけたらと思う。

でないといずれ「ソジ外来」(ただし、実際に見るのは性同一性障害)とか始まりかねない。

2018-03-06

[]雑感

まあいろいろ思うこともあるが、気楽に感想をのべる立場でもないと思うので、現実的な話を。


ホルモン開始前に保険適用のため乳房切除術をというケースは増えそう。

ただ、行列が伸びて数年待ちという場合に、毎月の生理に耐えながらホルモンを始めずに順番待ちをするというのはかなり厳しい。

胸だけいや、というFTX的な人が並ぶ、ということになるかも。


あとMTFでも、20歳くらいでノンホルでもパスしていて、SRS希望というケースもあるかも。

ただ、これも数年順番待ちしている間に、男性化が進み、パスが困難になる、ということも。


また、MTFでは、個人輸入でホルモン剤を服用していれば、自由診療には当たらない。

ただガイドライン上は、医師の管理下でホルモン療法をすることが望ましく、認定医はガイドライン順守を求められるだろうから、ややこしい状況になる。

2018-01-05

[]統計考察

MTFは中高年まだいるが。20台に集中、FTMにつづき、MTFも完全に若年化。

タイはかつてはもう少しいろいろな病院があったが、

FTMはヤンヒー、MTFはガモン、と集中化。アテンド会社の意向?

2017-10-31

[]性別と生きづらさ。

さらに考えたが。


性別と生きづらさには4パターンあるのでは。


1.今の性別だと生きやすく、反対の性別だと生きづらい人

2.今の性別だと生きづらく、反対の性別だと生きやすい人。

3.今の性別でも反対の性別でも生きていける人。

4.今の性別でも反対の性別でも生きづらい人。


で、一般的には「2」の人たちが、性同一性障害・性別違和の人と診断されると思われている。で、SRSや戸籍変更が望ましいと考えられる人たち。


だが、「4」の人たちにも、性同一性障害・性別違和の人はいる。しかし、SRSや戸籍変更しても生きづらいことは続く。

つまり、診断が正確だとしても、SRSの適応があるとの判断が不適切だと、戸籍変更後に後悔しうる。


逆に「3」のパターンの人は、性同一性障害・性別違和の診断が怪しくても、性別変更してもたくましく生きていく。活動的なバイジェンダー、トランスジェンダーにときどきいる感じがする。


すなわち戸籍変更の後悔は必ずしも診断だけの問題ではないのではないか。

2017-06-27

[][]「トランスジェンダーの心理学」での、ジェンダー・アイデンティティと性指向

一人で妄想的に考察しても仕方ないので、データを見ることにした。

「トランスジェンダーの心理学」にデータがある。

P122,表22によれば、

トランス女性の、性指向別、ジェンダー・アイデンティティ得点値は、

女性指向 57.80

両性指向 65.84

男性指向 76.92

で、やはり男性指向のもののほうは得点が高い。


いっぽう、トランス男性では

女性指向 77.46.

両性指向 78.17

男性指向 81.80

と関係はない。

男性指向のものは数が256名中5名なので、統計的にはそもそも無理があるが。

著者は考察しているが、あまりうまく説明できていない。


ただ、ほかのページも見ていて、ある事に気が付いた。

このトランス男性群は、別の時の研究より、点数がそもそも高い。

p96やp100の研究より高いのだ。

P100には、治療別の点数が載っている。

ここでは未治療群より、治療群のほうが点が高い。

p122のトランス男性の点数は、治療群並みである。


どうしてこういう点の違いが出ているかは考察されていないが。

おそらく対象の差だ。

p100の対象は、精神科での調査

p122は、精神科と産婦人科で調査。

p122はおそらく産婦人科が多いのであろう。

精神科には、性別違和を訴えても、その違和の強弱はさまざまである。そのため点数の低いものもいる。

一方婦人科に行くものは、ホルモン注射をしにいくか、ホルモン注射に備えて、身体検査に行くものである。いわば中核群である。


よって調査の医療機関の違いが点数の差に反映される。


だからp122の調査では、多様な対象とはなりえず、男性への性指向のトランス男性も強固なアイデンティティを持つのだろう。


ジェンダー・アイデンティが強固でなく、治療も行わない群のなかの、性指向のデータがほしいところだ。

2017-06-25

[]ジェンダーの構成要素に性指向が入る理由

続き。

引用された文献ではないが、同時期に書かれた中塚論文が手元にあった。

性同一性障害:総論」

http://www.kanehara-shuppan.co.jp/magazines/detail.html?code=047512016100


それを読むと確かに、

P1299

社会的性(ジェンダー)は、ジェンダー・アイデンティティ、性役割、性指向などからなる。性自認は「心の性」とも呼ばれ・・


といった内容だった。

引用文献は示されてないが、小此木・及川論文とは語句の使い方が違うし、産婦人科の先生が、精神科の専門論文を読むのか?という疑問も生じた。

そこで、基本的文献である「性同一性障害の基礎と臨床」の山内論文を見たら、やはりビンゴであった。

P4 >ジェンダーは少なくとも三つの構成要素からなると考えられている。すなわち、gender identity(性同一性あるいは性自己認知)、gender role(性役割)、およびsexual orientation(性指向性)である。


で引用文献としてはやはり、小此木、及川論文が示されていた。


すなわち小此木・及川→山内→中塚と、伝わったと考えられる。


正直、かなり愕然としたが、気を取り直し、小此木・及川論文、さらに明示はないがその元ネタと思われる、ストラーの「性と性別」を読み直してみた。


すると、自分の勘違いに気が付いた。

「ジェンダーの構成要素」とは「ジェンダーの下位分類にはこんな種類があります。」という意味ではなく、「人のジェンダー・アイデンティティが形成されていく要素」という意味だった。


すなわち、「人のgender identityを形成していく要素は、中核的gender identity、性役割、性指向だ」という意味だ。

分かりにくいだろうから、具体的に。

FTMの場合、

「もともと自分は男だと感じる」(中核的gender identity)

「男性として働いて、ますます男だと思った」(性役割)

「女性と付き合い、男だとさらに確信」(性指向)

「俺は男だあ」(gender identity)

という感じだ。

ゲイ男性だと

「自分は男だと感じる」(中核的gender identity)

「男性として働いて、違和感もない」(性役割)

「でも男性を好きになる、男なのに・・」(性指向)

「男なんだけど、自分の男性性にちょっと不安を感じる」(gender identity)

という感じか。

この元ネタのストラーの考察には特に異論はない。

小此木及川論文も、ちょっとわかりにくいが、そういう趣旨だ。

山内論文は、それだけ読むとわかりにくい。

中塚論文では、もはやわからない。



というわけでストラーのオリジナル学説は、今の時代でもそれなりに説得力があるが、伝言ゲームのように論文での引用が続く中、

Gender identity→ジェンダー→社会的性

と言葉も変わり、詳しい説明も省略されていき、誤解を招く表現になった、ということのようだ。

性同一性障害の基礎と臨床

性同一性障害の基礎と臨床

2017-05-30

[]“Nature loves diversity ; society hates it”は、一神教と多神教ではとらえ方が違う。

元ネタがあるかどうか不明だが、ダイアモンド先生の名言に「Nature loves diversity ; society hates it」(自然は多様性を愛で、社会はそれを嫌う)、というのがある。

いい言葉だとは思うが、いろいろ最近考えた。


検索するとNature loves なんとか、というのは、いろいろある。

中には、Nature loves symmetry(対称性)なんて言葉もあり、多様性の逆だな、と笑ってしまう。

まあ、自然界にはいろんな現象があるので、都合のいい現象を取り出せば、「Nature loves なんとか」というフレーズが作れる。

要するに、自己の主張をするロジックとして「Nature loves 」が使われるわけだ。


で、言いたいことは何かというと、一神教の世界における「自然」とは、「神が造ったもの」という含みがあるということだ。

すなわち「Nature loves」というフレーズは、「神の造った自然が愛するのだから、それは正しいことなのです」という意味になる。


自然の中に神の言葉を見るわけだ。

つまり、「Nature loves」とは、「聖書に書いてある」的、必殺技フレーズなのである。


いっぽう、日本のような多神教では、自然への感覚は異なる。

富士山も大木も奇岩も、それぞれが神である。

要するに、自然そのものが神なのである。

だから、多様なもの、そのものが一つ一つが神になりうる。


日本では、三橋さんが最近書いたように、両性具有的、巨体のマツコさん自体が神となる。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51743

菅原道真や徳川家康や乃木将軍などが神になるのと同じであろう。


まあ、あまりまとまらないが、そういう意味で、“Nature loves diversity ; society hates it”は、一神教と多神教ではとらえ方が違うのではないかと思うのである。

2017-04-04

[]TGEUの トランスジェンダー殺害データ 3

TGEUのデータ、しつこく眺めていたら、ニューカレドニアとフィジーがそれぞれ1あるのが気になり計算。

国、TG殺人(9年間)、殺人発生率(1年10万人あたり)、人口、年間殺人数推測、殺人1000名中のTG殺人、TG殺人発生率(1年1億人あたり)

日本:1,0.31,1.3億,400,0.28,0.09

ニューカレドニア:1,3.29,26.2万,8.6,12.9,42.4

フィジー:1,2.97,88万,26.1,4.3,13.9

となる。

年間、ほとんど殺人がないのに(ニューカレドニア8.6人、フィジー26.1人)、それぞれ1名とはいえ、トランス殺人があったのは、どうしてだろう。

南太平洋は、文化人類学的にトランスジェンダーに寛容と知られていただけに驚き。

たまたまなのかもしれないが。

リゾート観光客相手にセックスワーカーがいて、などの理由があるのかもしれないが。

要検討。