『ハッキング思考』(ブルース・シュナイアー著、日経BP、2023年10月16日発行)

2020年ロシアの対外情報庁(SVR)はソーラーウィンズ社(SolarWinds: ネットワークソフトウェアメーカー)の所有するアップデートサーバーをハック。オリオン(Orion)に対するアップデートデータにバックドアを仕掛けた。Orionの顧客17,000社以上がアップデ…

『暴君誕生』(マット・タイービ著、ダイヤモンド社、2017年12月20日発行)

「礼儀だの正義だのといった堅苦しいルールは無視して、自分の考えを率直に表現する勇気をもとう」というトランプのメッセージに、日頃アメリカの現状に不満を募らせてきた人々の多くが、魅力を感じた。(p.46) 「何でもかんでもファックだ。移民も、移民の…

『南海トラフ地震の真実』(小沢 慧一著、東京新聞、2023年8月31日)

南海トラフ地震の発生確率は、時間予測モデルで計算されている。その考え方は、隆起量に基づく。2013年に30年以内に発生する確率が60%~70%とされた。2018年70%~80%に改定される。 2013年当時の地震調査研究推進本部の海溝型分科会の委員は、科学的に疑義…

『オホーツク核要塞 歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略』(小泉 悠著、朝日新書、2024年2月28日発行)

オホーツク海は大陸とカムチャッカ半島とサハリン、千島列島に囲まれた領域。 ソ連時代:ソ連太平洋艦隊と潜水艦部隊(結局何の役にも立たなかった?)が極東に配置されていた。ベトナムのカムラン湾にも1979年頃から配置。空母ミンスク。インド洋にも展開。…

『日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか』(上阪 欣史著、日経BP、2024年1月22日発行)

日本製鉄はいま一番熱い、攻めてる会社じゃないだろうか。会社はリーダー次第だが、橋本英二社長こそその典型例だ。 キーワードが多い ・価格は売り手が決める ・論理と数字がすべて ・事上磨錬(王陽明) ・マーケティング営業 ・トラブル減少による経験不…

『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(清原 達郎著、KADOKAWA、2024年3月1日発行)

大型株の株価には何が織り込まれているかわからない。 小型割安株は隙だらけなのでチャンスがある。 1998年K1ファンド運用開始。小型株をロングする。小型株は基本割安に放置されている。 ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券×70%ー負債 ネットキャッ…

『入門自然言語処理』(Steven Bird他著、オライリー・ジャパン、2010年11月8日発行)

NLTKは元もとペンシルバニア大学で作成されたPythonによる自然言語処理ライブラリー。 バイグラムは単語のペアである。コロケーションは頻繁に共起するバイグラム:例 red wine。 テキストコーパス 語彙資源:語彙項目(見出し語+品詞+語彙定義などで構成…

『磯田道史と日本史を語ろう 達人たちと語る歴史の秘密』(磯田 道史著、文春新書、2024年1月20日)

日本の歴史の中で一番の革命児・稀有なリーダーは織田信長であるということは専門家の一致する見解のようだ。あと源頼朝の評価が高いのが割と予想外。 本書のリーダー論はなかなか面白い。しかし、幕末の新選組剣客や龍馬暗殺者の議論など、あまり面白いとも…

『暴力とポピュリズムのアメリカ史 ミリシアがもたらす分断』(中野 博文著、岩波新書、2024年1月19日発行)

アメリカという国は、建国前から暴動や戦争が多発している国という印象を受ける。市民による自治あるいは自衛のために基本になっているミリシアという仕組みができたが、ミリシアは連邦政府に対抗する手段としても認められていた。しかし、対外戦争(イギリ…

『検索と発見のためのデザイン』(Peter Morville他著、オライリー・ジャパン、2010年11月26日初版発行)

質問ー検索ーフィルタリングーブラウジング間のモード移行 SERP:検索エンジン結果一覧ページはユーザーインターフェイスの急所を突いている。 ファセット型ナビゲーションには構造化されたメタデータが必要 ファセット検索(ファセットナビゲーション)とは…

『Apache Solr入門』(打田 智子他著、技術評論社、2017年5月10日発行)

LuceneはJavaインターフェイスなのに対して、SolrはJSON over HTTP ドキュメントの重みづけはLucene/Solr V6からOkapi BM25 スキーマは、フィールドとフィールドタイプ(数値、文字列、日付)を指定する。フィールドは非テキスト系とテキスト系に分かれる。…

『在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔の80年史」』(川名 晋史著、中公新書、2024年1月25日発行)

在日米軍基地は第2次世界大戦後の連合国による日本占領から現在まで続いている。当初の目的は日本の軍事的無力化であった。1952年4月のサンフランシスコ平和条約で日本は主権を回復したが、その前の1950年6月25日勃発の朝鮮戦争で日本本土の基地を朝鮮戦争出…

『Elastic Stack 実践ガイド』(惣道 哲也著、インプレス、2020年8月11日発行)

Elastic Search は全文検索ソフトとして2010年に登場した。索引検索を行う。 用語 転置インデックスは、単語と単語が出現する文書の組み合わせで作成されるインデックスのこと。 検索ライブラリー:インデクサとサーチャの機能を提供する。Apache Lucene(JA…

『Pythonではじめる情報検索プログラミング』(佐藤 達也著、森北出版、2020年12月18日発行)

単語 文字Nグラムとは、長さNの部分文字列のこと。N=1はユニグラム、N=2はバイグラムという。文字Nグラムの頻度分布でテキスト中の良く使われている部分文字列を調べたり、隣り合う確率の高い文字を調べることができる。 Physonの形態素解析モジュールにはMe…

『上昇 アメリカは再び〈団結〉できるのか』(ロバート・D・パットナム著、創元社、2023年7月30日発行)

1900年から1960年頃までアメリカは個人主義から協調へむかっていたが、そこから現在まで個人主義に向かっている。つまり、現在は、120年前と瓜二つだという。 アメリカ経済の繁栄:一人当たりGDPの持続的成長、アメリカの住宅は拡大、車が急増、乳児死亡率の…

『謎の平安前期 —桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』(榎村 寛之著、中公新書、2023年12月23日発行)

784年長岡京遷都 794年平安京遷都(桓武天皇) 810年頃賀茂斎王始まる 887年仁和の大地震 905年勅撰和歌集『古今和歌集』の完成 1001年頃『枕草子』 1008年頃『源氏物語』

『ハイパーインフレの悪夢  ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する』(アダム・ファーガソン著、新潮社、2011年5月25日発行)

1913年第一次世界大戦前 マルク、シリング、ドル、フラン、リラの交換価値はほぼ同じ。1ポンド20マルク。 1914年~1918年マルクの価値は2分の1となる。ドイツでは1916年まで課税でなく、公債で戦費が調達された。 1918年8月までにその1/2となる。夏の終わり…

債券運用

デュレーションってなんだろう | シグマインベストメントスクール デュレーションとは | PIMCO 債券の金利=ベース金利+信用スプレッド ベース金利の変動:=金利リスク 債券投資の平均回収期間であり、残存期間を超えることはない。 ※ここでいうデュレーショ…

『21世紀の金融政策 大インフレからコロナ危機までの教訓』(ベン・S・パーナンキ著、日本経済新聞出版、2023年10月18日発行)

フィリップス曲線:1958年発表。イギリスの100年の平均賃金の伸び率と失業率から失業率が低いときは賃金の伸びのペースが速い。 現代版フィリップス曲線の3つの主張 ・需要の増加が景気拡大の原動力のとき、賃金と物価の両方のインフレになる。 ・供給ショ…

『疲労とは何か』(近藤 一博著、ブルーバックス、2023年12月20日発行)

疲労には生理的疲労と病的疲労がある。 生理的疲労は、1日休めば回復するような短期的なもの。病的疲労は長く続く。うつ病、慢性疲労症候群、が含まれる。 慢性疲労は病的疲労の代表であり、うつ病も病的疲労。いずれも脳内炎症を起こす。SHITH-1遺伝子が鍵…

『ドキュメント異次元緩和 10年間の全記録』(西野智彦著、岩波新書、2023年12月20日発行)

2012年末の総選挙で2%インフレ目標・無制限金融緩和で安倍の勝利で始まる。白川総裁、黒田総裁、リフレ派政策委員選任、植田総裁と政治の関係、バズーカ、マイナス金利、YCC…と複雑化した金融緩和の過程。 リフレ政策とは、日本のデフレ脱却が必要である、…

『グローバルインフレーションの深層』(河野 龍太郎著、慶応大学出版会、2023年12月15日発行)

2020年第1Q新型コロナウィルスのパンデミック発生。2021年5月ワクチン接種開始(日本)。 2021年から世界的な高インフレ(グローバルインフレーション)となる。当初はコロナ禍によるサプライチェーンの混乱、2022年2月24日開始のウクライナ戦争による資源・…

『奈良時代 律令国家の黄金期と熾烈な権力闘争』(木本 好信著、中公新書、2022年11月25日発行)

奈良時代は天皇の後継者争いの時代だったようだ。 女性天皇が大勢出ているし、皇位継承をめぐる内乱・政変が多かった。 長子の男子が継承するという制度がまだ固まっていなかったのか?

『謎の海洋王国ディルムン メソポタミア文明を支えた交易国家の勃興と崩壊』(安倍 雅史著、中公選書、2022年1月10日発行)

バハレーンの、紀元前5000年から前1700年にわたる古代史の研究成果をまとめた本。ディルムンと呼ばれた時代があった。南メソポタミアとインダスを結ぶ交易の中継点として栄えた。 歴史的には真珠の産地として知られるが、1920年代、30年代に日本の御木本幸吉…

『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著、ダイヤモンド社、2023年6月23日発行)

この本に書かれている投資手法に関する分析は日本市場ではまったく役に立たない、無価値である。この本で読む価値があるのは、なぜ投資するべきか(10章)のみだろう。 あと仮説の提示方法が下手すぎる。典型例は第12章個別株は買うな「たった2時間で1万2千…

金(ゴールド)が語る20世紀―金本位制が揺らいでも – (鯖田 豊之著、中公新書、1999年3月発行)

20世紀初頭から終期まで。金本位制の時代から、金本位制がなくなって変動為替制の時代に至る激動を中央銀行の金保有量、為替レートの変動などの視点でまとめている力作。 1937年3月9日に始まった第一次現送は円安と輸入増加による外貨準備不足のため、金を現…

『危機と決断 前FRB議長ベン・パーナンキ回顧録』(ベン・パーナンキ著、KADOKAWA、2015年12月25日発行)

1913年連邦準備法、1914年連邦準備制度誕生。12か所の半自治的な連邦準備銀行を置く。形式上は民間金融機関でそれぞれは独立。各準備銀行の総括、連邦準備制度の運営は連邦準備制度理事会(FRB)が行う。FRB理事は7名で上院の承認を経て大統領が任命、任期14…

『ケインズ 危機の時代の実践家』(伊藤 宣広著、岩波新書、2023年10月20日発行)

ケインズの経済学発展の経過をまとめた本。経済学は難しい。 あるものの価格が上がる、下がるは実感としては感知できるが、集合的現象になると説明しにくいためか? 特に国際為替が入ると複雑でわからない。 ケインズで一番印象に残っているのは、第一次大戦…

『穀物の世界史 小麦をめぐる大国の興亡』(スコット・レイノルズ・ネルソン著、日本経済新聞出版、2023年10月13日発行)

小麦を中心とする穀物の生産地、加工地と消費地を結ぶ輸送方法・輸送路の観点から帝国の興亡を語る。面白い視点で、歴史の新しい見方だ。 二つの中心的な生産地はウクライナとアメリカである。ウクライナは古代からだが、アメリカは1800年頃には小麦粉として…

『イラク水滸伝』(高野 秀行著、文芸春秋、2023年7月30日発行)

チグリス川とユーフラテス川の合流地点はずっと砂漠だと思っていたが、古代から続く湿地帯だった。しかし、最近は上流で水を使うために干上がっていて、今後はどうなるかわからないようだが。 その湿地帯を昔からある、タラーデという木製の船で旅をしようと…