「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて

「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて (中公新書 2332)「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて (中公新書 2332)
大沼 保昭  江川 紹子 

中央公論新社 2015-07-24
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日中・日韓関係を極端に悪化させる歴史認識問題。なぜ過去をめぐる認識に違いが生じるのか、一致させることはできないのか。本書では、韓国併合満洲事変から、東京裁判日韓基本条約日中国交正常化慰安婦問題に至るまで、歴史的事実が歴史認識問題に転化する経緯、背景を具体的に検証。あわせて、英仏など欧米諸国が果たしていない植民地支配責任を提起し、日本の取り組みが先駆となることを指摘する。

慰安婦問題やサハリン棄民問題の大沼先生の近著。東京裁判慰安婦問題などについて、江川さんとの対談形式で基本的な事実を整理し、なぜ対立軸がうまれていくのか説明している。
慰安婦」問題とは何だったのかでは、自身が活動していく中での悩みや葛藤を赤裸々に吐露していたが、今作はそういう構成にはなっていない。著者ならではの、どちらかに肩入れするわけではないが弱者に寄り添う語り口で話が進んでいく。