悲の器

悲の器 (河出文庫) 高橋 和巳 河出書房新社 2016-09-06 売り上げランキング : 95260 Amazonで詳しく見る by G-Tools

正木典膳は法学部教授。神経を病んだ妻をもつ彼は、やがて家政婦と関係を持つ。しかし妻の死後、彼は知人の令嬢と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴される。三九歳で早逝した天才作家のデビュー作となった第一回文藝賞受賞作。戦後文学の金字塔!

徐々に自滅していく初老の大学教授が描かれている。ここまで感情移入しづらい人物像も珍しいが、自分の中に正木的な部分がないとはいえないのではないか、むしろあるんじゃないかと自問自答してしまう。