ル・ゴフ先生

友人のパタさんが書評を書いてましたのでご紹介。

『中世とは何か』
http://pata.air-nifty.com/pata/2006/01/post_5c83.html

この本ね↓

中世とは何か

中世とは何か

先日のロマネスクの旅の一座に、美大の教授がいて、この本を読んだが面白かったと話してくれたんだが、ニート下流な私は最近恐ろしくて本屋さんの人文書コーナー(特に中世、美術関連)に近寄らないようにしていたし、ましてや藤原書店など恐ろしくて見ないようにしていたので出版されていたことすら知らなかったのでしたよ。
これはやはり読まねばならないでする。
ル・ゴフは隙間家具的なアプローチで歴史を掘り出してくるので面白いですね。視座をずらすとこのように点が繋がっていくと申しますか。
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ニート下流でいいことが一つある。それは中世の庶民の気持ち的にちょいとだけなれるということですね。つまりどういうことかというと本が高くて買えない。物語なんかは中世の人が吟遊詩人や大動芸人、或いは聖劇、を通じて愉しんだりするのは電波を通じてテレビを見るが如しだけど、いざ人文的なアプローチをしようにも本が所有出来ない。となると開かれた書物である教会にいったりしてそれに触れるしかないとか(現代なら図書館に行くとか)とにかく公共的なものを利用するしかなくなるわけです。教会世界のモノに限っては日本の教会行っても閑散としてナンもないのでつまらん(置いてある本も信心のつまらん本が多かったり、リーフレットも政治ネタばかりで馬鹿かと思うだけ)ですが、欧州の教会の至る所に装飾物があるみたいなモノだと思考のヒントがぐちゃぐちゃ放置されてあるわけで、欧州の昔の人はある意味恵まれていたんだなぁ。日本の教会の場合、これはもう歴史が浅いんでしょうがないんですが、歴史のあるモノもぶっ壊して一から新しいの建ててしまうんでこうなると想像力を働かせようがない。逆に日本の伝統的な神社仏閣などもそういうぐちゃぐちゃしたものがあったりして、坊さん捕まえてアレはなんだ?とかこれはなんだ?とか、そうして学ぶことも出来たわけですね。