2008-05-13
■[チベット]天命を知る

宮城谷昌光の本なんか読んでるととにかく国同士で仲悪く、他国の顔色を窺い、覇権を争い、相手を攻め滅ぼすこと厭わず、衛の人は性が悪いとか、晋人は信用できんとか、秦はなんかやなやつだとか、楚のひとは性が粗暴にして礼を知らずとか、お互いに言っている。しかし覇者たるもの仁を失うなかれという、そんな感じで国家間や施政の「礼」などが語られたりするんだが、チベット問題などが念頭にあって読んだりすると、春秋時代から互いの落とし所をつけるってのはやっぱり難しいようだとか、考えてしまいますね。今にはじまったことではない、互いに相いれない郷土愛というかパトリオティズムっつーか。まぁ中華人民共和国王朝は始皇帝の秦朝になんとなく似てる気がするけどね。
で、この手の中国の史書など読んでると異変があると天変地異がどかんと起きたりして目が覚めましたみたいなこともある。あと滅亡の兆候としての天変地異とか。ダライラマ自伝でも、赤気を見たという記述があった。ターニングポインツで起きる天変地異ってのは、天変地異が正気を取り戻させるのか、或いは何かの決断へと人を向かわせることになるのか判らないが、とにかくアジアの歴史ではこの天変地異的な現象が歴史の中に組み込まれて語られることが多いなぁと。
ミャンマーのサイクロン。暴動で揺れ動いたミャンマーのサイクロン被害に続き、今度はチベット問題で揺れ動いていた中国である。チベット自治区と四川との重なりというか微妙なポイントが震源地で被害は相当に大きい。都言っても中国というのは度重なる地震被害というのは今回に限らず起きていて同じ規模の地震は過去にも結構ある。だからこれを以てナニかってのはないんだが、変にヒートした中国人達の脳みそがクールダウンしたかもしれない。漢人だろうが、蔵人だろうが天は等しく災をもたらす。協力して事に当たるべき事態となる。そこには「被災者」という弱者しかいない。諸外国も手を差し伸べるべき場面である。
この地は羌の地である。春秋時代には「西戎」の地とされた。羌という民族は古く、殷周時代にも出てくる。羌人で有名なのは太公望である。文王に拾われ周の宰相となった太公望呂尚は羌の人であったと言われている。一応そういう伝承である。のち羌族は陝西省から離れ後年西夏と言う王国をつくった。宗教は伝統的にチベット仏教。ゆえにチベットとも深い関わりがある。故に「チベット系の民族」とされたりしている。
被害は相当大きい。心配である。四川は陝西省との境の方しか行った事がないが、なんつーかとにかく国の規模がでかく、でか過ぎて大変そうだというか、山村というとほんとに世から隔絶したような山間部にあったり、道が崩れたらこの村は壺中天状態だぞみたいな。日本の比ではないとんでも孤立があちこちで起きていそうだ。被災地への援助というのは困難を極めるだろうなと想像出来る。
直接関係はないが内田樹センセがチベット問題に関して面白い考察を。
○内田樹研究室
http://blog.tatsuru.com/2008/05/13_1156.php
具体的な事柄から一歩引いた視点で「被害者」という権利を踏みにじられた人々の心理というか、被害者意識スパイラルについて書いている。不幸スパイラルというか。この手のスパイラルはあちこちで散見出来るが、瀬尾教授舌禍事件で彼女を弾劾している人々の心理にも散見出来るなというか、特別なことでもなく日常での夫婦げんかとか親子喧嘩とかそういうのにも起きることだとおもわれなのです。
「自分は不当に扱われている」
という思い込みが呪いをかけるというか。
その思い込みのスパイラルを建ち切るのが「解脱する」ということかもですよ。フランシスコ会的にいうなれば「執着しない」という発想か。
先の宮城谷昌光の小説などでも、宮城谷が鮮やかな人物として描くのはそういう人物であったりする。権利をいたづらに主張しないというか、どこかで謙遜、謙譲の徳を持っているような人物が天によって表舞台に躍り出ることがあるというようなそんな物語が多い。受動的に世を眺め、自己鍛練を怠らないようなそんな静けさを持った人物である。
そうありたいものだが世辞に翻弄されがちである。






さて、今回の大手メディアの地震報道で重大な欠落がある事にお気づきだろうか? 四川省には多くの核施設(含、原爆工場)が有ります。(私、四川には仕事で数え切れぬほど行っていて、その中には半導体材料関連で核施設を利用した商談も有った。 さすがに現場には入れなかったけど)。
そして、チベットがその核廃棄物の保管、処理地として利用されている可能性が指摘されている。(http://www.tibethouse.jp/atomic/index.html)
未だざっとチェックしただけだが、この事を、ほとんど唯一、真っ先に指摘しているのが、あの勝谷さんなのよ。 このあたりの反射神経の良さ(時に過剰)も私が彼を評価する一因。
四川と言うのは山間部だからか山奥に色々ありますね。わたくしが学会で行った秦嶺山地近辺もナニやら軍事施設があるということで、学会一行が監視されましたよ。人民解放軍がその行程の間ついてくるんすよ。お陰で間道で渋滞するトコも渋滞知らずではありました。勝手に歩き回られないように夜間はホテルに監禁されたし、ここからは風景を撮影するなとかいわれたし・・・。
しかし核処理施設があるのは知りませんでした。うーむ。大丈夫なんだろうか?山峡ダムは大丈夫だたっという報道はあったが。
「チベット自治区」の方にはあると聞きますね。核施設色々。
Britty様>
漢人脳内では四川の震源地は西蔵系という認識はあるんでしょうか?
軍というのは人民の弾圧などではなく、こういう時にこそ威力を発揮すべきものですから、こちらの方面では人民解放軍の力を見せて欲しいものです。非常事態には常の方法など無視して動かねばならんというか、あの神戸の震災の時に自衛隊が即座に動けなかったとか、諸外国の支援をしばらくためらったとかみたいな無駄なことはないことを祈りますね。被災者は時間が早ければ早いほど助かる率が高いわけですし。。。。
天安門事件のそれって、その話を聞いた時に、イタリアのカラビニエリは地元の人間を配置しないので容赦ないというのに通じるなと思ったことがあります。
兵隊さんも喰わせてくれる司令官にはついていくみたいな雰囲気なんじゃないでしょうかw今も28軍とか18軍とかの司令官は何台のベンツで隊列つくれるかなんてのを競ってるとかもチラッと聞きますしwまあ、本当にどうなっているのか、わからないですw
中央の作戦本部ってないみたいですし、広東の軍管区はなんちゃって海軍持ってるみたいだけど、別なところは持ってなかったり、ミサイル部隊もってるところと持ってないところもあるし、企業経営もやっているので豊かなところでは装備も充実しているとか、本当に宇宙みたいらしいですよw
春秋のあの時代を、現代的なあれやこれやで粉飾したらまんま今の中国かもだす。で、楚がアメリカで、秦を中国、衛とかを韓国、斉は日本とか。。ああ周がないな。これでは。
近代ってのがないというか、西洋型の感覚では理解しきれんですが、史書読んでるとマジそれで永遠にこの国は続いていくかもなどと思ったりも。ただ南米ってのも混乱期はそんな感じだったような。マルケス読んでるとそんなイメージがあります。
初動72時間が過ぎ、現地の状況がいよいよ心配されますが、中国政府はようやく外国からの人的支援の受け入れを決断したようです(共同通信による)。震源地周辺の核施設や少数民族対策から受け入れを渋ったという観測も出ていますが、ともかくその決断を評価したいと思います。
西蔵情勢もさることながら、貴姉もご自愛を。すでにどなたか触れられていらっしゃいましたが胡瓜は寒性で身体を冷やします。ビタミンはジャガイモなどの温野菜で取るか、あるいは生姜・ニンニクのような熱性の香辛料を補うとよいのじゃないでしょうか。長葱とジャガイモを水で煮て塩コショウをしたものなどを、風邪のときには私は食しておりますけれども。
うまいなあそれ。周は台湾島ではどうでしょう。
世界の中心、中つ国である中国の威光はあまねく地上を覆いつくし、いずれ平伏して朝貢してくるという感じでしょうかwただ、昔はケモノ偏をつけて呼んでいたような小日本wにあれだけ好き勝手やられたというトラウマがどれだけ残っているかは心配です。
中国の役人というのは4000年の歴史を背負うエリートであり、ぼくなんかは、全体的には良くやってるなぁとつくづく思っているんですがねぇwナショナリズムの爆発というのは、そういった方向では爆発がOKだから便乗している感じなんじゃないですかねぇ。
中国史ではどの時代の王朝も俺様ナショナリズムだったかもしれないっす。そう思ったりします。ナショナルだけど他国のいいヤツは尊重するぜみたいな風通しの良さはありますね。あと大衆の無知蒙昧っぷりは昔から今も変わらぬ様子で魯迅が苛々する状況も今もこれから先も変わらんのかもしれないです。よくも悪くも悠久の時の中にあるのかなと。
しかし被害状況は刻々とアップされてくる速報でかなり深刻な数になりつつありますね。日本の災害対策チームを真っ先に受け入れたという報道がありましたが、近年でも大地震体験を何回か既にして来た日本のノウハウが現地でいかされるといいなと思いますね。
ネギ類はいいらしいですね。ニンニク、タマネギ、長ねぎと言えば中華料理か・・・。じゃがいもは意外や意外、隣の島が名産地なんですよ。
周は中国が尊敬したりしている心の故郷じゃないとなぁ。。。。そんな国は地上にないかもです。
pata様>
うーむ。トラウマがあるというよりは、的なことを主張して外交カードにしてやろみたいなしたたかさの方がありそうだと思うよ。島国の人間には想像もつかないぐらい、ずぶとそうな精神構造を持ってる気がするよ。なんせ蛮族(北狄なモンゴルや女真族とかね)に牛耳られたりしても結局中華文明になるようなトコだからなぁ。侮っちゃいかんですな。
ナショナルの暴発だってまぁ大衆のガス抜きだろみたいな感は強いが、ナショナルな矛先を向けられる国としては、迷惑ですな。馬鹿をこっちにけしかけるんじゃねぇよみたいな。
つーか内政的には大衆の不満溜めまくりな国や、外交で信をなくすような言論を吐く国は、諸侯から駄目駄目と評価されて、結果として信をなくし、衰退するってのが史記の記すところっす。今、そんな感じのトコ。
但し、中国は賢人も多いんで、起死回生したりするから。そんな体力がありそうなのがこれまた中国ですね。
言葉が何故か抜け落ちてました。
で、こういう国で細部まで秩序立ったモノを求めたりするとその王朝は短命だったりとか>秦 どっかでなぁなぁでいい加減でほころびを持たせて運営してくしかないみたいな。ただ今の中国は多少その辺りに余裕がなさそうだなと。いい加減さに欠けてる部分があるというか。中共様が秦の始皇帝みたいなことやってるなぁとか思って見ています。
個々の中国人ってのはプラグマティックスなトコがあるので、特にエリートさんなんかは適度な距離感をちゃんと持っていたりする人多いですね。わたくしの知ってる中国人も賢人を感じさせる学者さんでした。彼は憂国していましたね。天安門の前に天安門を予感していた。
でもどの国だってそういう賢者はいるし、豎子もいると思うのれす。で、豎子ばかりが目立つってのがポピュリズム的光景だな。