真魚八重子 アヌトパンナ・アニルッダ このページをアンテナに追加 RSSフィード

14-09-18

[]最近の仕事まとめ

自分でも混乱してきたので、7月〜10初頭にかけての仕事をまとめました。

コラムを書いています。

シュア・シング Blu-ray

シュア・シング Blu-ray

リーフレットに執筆しています。

●東映キネマ旬報で「大菩薩峠」について鼎談しています。

「映画人を葬(おく)る」特集で、淡路恵子さんについて書かせていただきました。

「ちょっとした旅」について、3本のセレクトした映画とともにコラムを書いています。

●「cakes」で『渇き。』のレビューを書きました。https://cakes.mu/posts/6200

TRASH-UP!! Vol.19

TRASH-UP!! Vol.19

『ホドロフスキーのDUNE』を撮った、フランク・パヴィッチ監督にインタビューしています。

●「映画.com」で『物語る私たち』の評論を書きました。http://eiga.com/movie/79470/critic/

いろいろレビューを書きました。

リーフレットで、羽仁進監督にインタビューしています。

●「昭和キネマ横丁」で、中尾彬さんのインタビューをしています。http://kineyoko.jp/archives/interview/akira-nakao

リーフレットに執筆しています。

鷲谷花さんと、トリアーの描く女性について対談をしています。

●『荒野の千鳥足』のパンフレットに寄稿しています。

「別冊映画秘宝90年代狂い咲きVシネマ地獄」に執筆しています。

リーフレットに執筆しています。

リーフレットで、羽仁進監督にインタビューしています。

鈴木則文監督追悼特集で、新文芸坐でトークショーに出ました。

●「チング 永遠の絆」の一般試写会で、トークショーに出演しました。

14-01-05 このエントリーを含むブックマーク

以下、10年前に書いた『歓びの喘ぎ 処女を襲う』の再録です。

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そういえば、ここに書いてなかったけど、暫く前に『歓びの喘ぎ 処女を襲う』(高橋伴明)を劇場で観たり。産業排水に汚染された魚を意図的に食べる漁民が出てくるピンク映画。主役のチンピラ青年(下元史朗)が、故郷に帰って自分も漁師の父と同じく、汚染された魚を食べるというエンディングで、抗議の捨て身という殻にくるまれつつ、実際には逃亡と後ろ向きな自殺のお話だと思う。

政治的な意図を読み取れるテーマゆえに、過剰に反応しているピンクファンを見るけれど、決してそういう政治的映画ではない、死の動機付けを見つける自滅的な青年の物語の印象。別にダメと言う意味ではまったくなくて、変に政治的メッセージを読み取って過大評価するより、そういう弱者の立場の中で、そこにまっとうな死の理由をでっち上げて、実際にはただ陰鬱な精神状態にケリをつける青年の話で十分じゃないかと。それとやはり顕著な、愛する者を「殺してやる」という発想。死によって苦痛から解放してやることが、愛情表現として理解されている世界。

下元史朗という俳優さんの、容姿あっての映画。痩身で、しなやかで、破滅的な雰囲気を湛えた姿が、この映画に複雑な美しさをもたらしてる。

13-01-07

[]『鉄と鉛』感想

今度、シネマヴェーラで上映があるらしいので、11年前!に書いた感想文をアップしておきます。内容が古いし、文章もこなれてませんがご容赦を。あと、敬称がムチャクチャかと思います。


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『鉄と鉛』

 

(東映=東映ビデオ) 監督&脚本:きうちかずひろ 撮影:仙元誠三 照明:渡辺三雄 美術:今村力 編集:田中修  出演:渡瀬恒彦 成瀬正孝 宮崎光倫 岸本祐二 竹中直人('97) 

 和製ハードボイルド映画の傑作。非常に評価が高い作品で、2年後にきうち監督の新作『共犯者』が公開になった際、月刊『シナリオ』ではこの『鉄と鉛』の脚本を改めて掲載していました。きうち作品の独自な映像美も、この作品で完成をみたと思います。

 内容。ある日、探偵の渡瀬恒彦の元に、刑事が事情聴取に訪れた。探偵が先日ある女(白島靖代)から依頼を受けて捜索した男が、依頼者の女によって殺されたという。そして、死んだ男はやくざの浜健組組長・浜中(平泉成)の一人息子・浩一だった。

 翌朝、探偵を一人の少女が訪ねてくる。「行方不明の兄を探してくれませんか?」と頼む彼女。しかし、そこへ浜中とその舎弟の矢能(成瀬正孝)が入ってくる。ただならぬ雰囲気を察知した少女が慌てて出ていくと、ソファに腰掛けた浜中はおもむろに言い出す。「孫が死んだ。浩一の死を聞いた妊娠中の嫁は流産しかけた。孫は保育器の中で産声を上げることも出来なかった・・・。俺に子供は浩一しかいない。もう、俺はこの手で永久に孫は抱けない。」だから、「おまえには、死んでもらうことにした」。

 探偵に言い渡された余命は22時間13分。浜中の孫が保育器で生きていた時間だけだ。浜中たちが出ていった後、探偵は少女の依頼を受けることにした。彼は情報屋から聞き出して、少女の兄・洋一(宮崎光倫)がつるんでいるという、金光(岸本祐二)のアジトへ向かう。その探偵の様子を監視し続ける矢能。しかし、ちょうど金光は小学生を誘拐しており、殺害されかけた子供を救おうとして探偵は怪我を負ってしまい、矢能は何故か彼を救出する羽目になる。しかし掌を撃ち抜かれながらも、探偵はその子供に「絶対助けてやる」と約束をしたため、タイムリミットまで命をかけ、ひたすら子供の救出に向かう。その様子に次第に矢能も惹きこまれ、二人は全身全霊で金光と子供の行方を追いかけていく・・・。

 きうちかずひろの前作『JOKER ジョーカー』は、まさに<実存>という言葉が相応しい、若者の存在証明を表した映画でした。ただ銃の重みや冷たさにある言葉以前の現実感、発砲の瞬間にこそありのまま己が顕在化する、主体の閃光のような瞬発的獲得がある作品で素晴らしいです。が、あんまーり若者に興味のないわたしは、自己はもうどうしようもなく<在って>、その自分ができること、目先の責任を果たすことだけに没入し命を賭けるおとなの男の方が、好きなのです。

 探偵が金光のアジトからなかなか戻らず、しびれを切らした矢能が忍んで行ってアジトの窓から中を覗くと、血まみれの探偵と洋一と、目隠しに猿轡をされた子供が転がっている場面があります。次のカット、窓から身を離したとたん成瀬正孝が逡巡の表情はなく、無造作に銃を連射するシーンがすごく良くて、発砲はあくまで手段でそこに己の魂の閃きがあるわけではないので、ほんとにタメとか一切なく流れるように行動に移るのです。それがとてもイイんだ。

 映像の美しさも特筆すべきもの。昼間のシーンの、明暗はクリアだけれど露出が抑えられた、光の部分がいぶし銀色に見える画面も綺麗だし、特に黒味が良い。探偵の部屋に浜中&矢能がいるシーンの、暗い部屋で大半が闇に沈んでいるのに、その暗闇でも黒いスーツのドレープが見えるような、とても艶のある漆黒で。基本的にとても粒子の細かい密度のある画面で、濡れた路面に映る水銀灯も、鮮やかでありつつ渋いシルバーに光る感じ。

 構図もとにかくフィックスが決まってます。車の窓を挟んだ3人の男の配置や、探偵の部屋で手前に浜中、奥にこちらを向いた探偵と姿勢を左に倒し気味な矢能とか、停止した男たちが絶妙に良いのですよ。だから、あるきっかけでカメラがゆっくりゆっくりパンするのがとても強い効果を生みます。無言の圧迫感というか、パンで緊張感が恐ろしく増すのがきうちかずひろ映画。あと、車内の矢能と話した後、探偵が不意に歩き出すカットで渡瀬恒彦の進行方向と逆に急速にカメラがパンして、車が発車しているような錯覚のある映像が変で面白かった。

 キャストも、きうち作品は同じ俳優さんが繰り返し出てくるのに妙があってねえ。今回も佐藤蛾次郎(前作『ジョーカー』と同じ雰囲気)、山西道広(常連さん。今回は『探偵物語』を彷彿とさせるイヤミな刑事)、そして片桐竜次なんて別に片桐竜次でなくても良いような役で出演しています。岸本祐二&宮崎光倫は凄惨な雰囲気にみんながひいた、きうち自身の監督版『BE-BOP-HIGHSCHOOL』で因縁の対決をしていた二人。今回はオッサン二人に対して、宮崎光倫が悪役では<理不尽に怖すぎる怪物>になって手におえなくなる可能性があるためか、岸本祐二が狂ったワル役。ハンサムな分、容姿に<悪徳のリリカルさ>があって、正解のキャスティングかと。モチロン主演の渡瀬恒彦も男気がクールに溢れまくりですごく良いし、でも、なんといっても成瀬正孝ですよー!最初はただつけ回してるのが、次第に探偵の死の前で燃えている男気に惚れてしまい、いつか行動を共にし始めるやくざの役がもう、その微妙な心理の変化とかカッコ良くって良くってたまらんです。

 で、小耳に挟んだことなのだけれど、成瀬さん演じる矢能役が、実は当初大地康雄に決定していたのが病気で降板し、そのため成瀬正孝が急遽登板になったとか・・・。大地さんには悪いですが、これはほんとにありがたい変更だったと思う。大地さんではティ・ロンになりかねないし。(ティ・ロンは『男たちの挽歌』で<泣きの哀愁ウェットさ100%>の芝居をしていた男気俳優)。この『鉄と鉛』が露骨な泣きにいかない、クールなハードボイルド作品に仕上がっているのは渡瀬&成瀬というコンビの賜物でしょう。容姿の相性というのは結構重要で、この二人が並ぶと男ぶりが相映えるというか、大人の男の感情を抑えた渋さが、二人がセットになることで、互いに際立つという相乗効果を生んでいました。よく似た男前二人をコンビにするのはセントラル・アーツのお家芸ですしねえ。第一、反射的な防衛・攻撃のアクションが二人とも決まっててさあ、それはもう車のドアの開け閉めや歩き出す姿にも、身に染みついた敏捷さみたいのが滲み出てるのですよ。

(以下反転)

 そして、男気全開の電話のシーン。これ、平泉成がずっと引きで表情の見えないのがとても良いし、成瀬さんのある種の沈着した無表情さがグッときます。壮年も山場を過ぎかけた修羅も知ってる男が、一生に一度と腹を括ったとき、もう感情などたやすく溢れないだろうと思わせる演技で、揺らぐもののない息を静めた単調さが、逆にすごく胸に迫ります。また、平泉成が演じる浜中のおそろしくセンシブルなキャラクターが冒頭で造られているからこそ、ここで矢能を受け入れる浜中の感受性が活きるのです。この場面の直前、暫く暗闇の中で背中を向けて佇んでいて、おもむろに座り、すっと電話をかけ始める成瀬さんの姿もとてもイイんだ、これが。

 それから。もう一人、探偵や矢能と共に闘った者がいて、彼は最後救出されたあと、探偵から「よく頑張った、偉いぞ!」と声をかけられます。その彼、誘拐されていた小学生は、その時初めてゆっくりアップで顔を捉えられ、涙をこぼします。このアップは仲間と認められた共闘者への祝意と敬意のカットであり、そして、この映画が最大に気高い瞬間でもありました。

  

12-10-31

[]ホラー映画ベストテン

男の魂に火をつけろ! さんの企画に参加します。「ホラー映画ベストテン」です。

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20121031

以下、順不同です。明日には変わるかもしれないのに、順位はつけられない。

 

『悪魔の調教師』(アラン・ルドルフ)

『4人の食卓』(イ・スヨン) みんな、この映画を理解できてなさすぎる!

『デモンズ'95』(ミケーレ・ソアヴィ)

『メドゥーサ・タッチ』(ジャック・ゴールド)

『ラビッド』(デヴィッド・クローネンバーグ

『暗闇にベルが鳴る』(ボブ・クラーク)

『反撥』(ロマン・ポランスキー

『スパズモ』(ウンベルト・レンツィ

サスペリアPART2』(ダリオ・アルジェント

『蜘蛛の瞳』(黒沢清

 

悪魔の調教師 [DVD]

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4人の食卓 [DVD]

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デモンズ’95 [DVD]

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ラビッド [DVD]

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暗闇にベルが鳴る デラックス版 [DVD]

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リプルション?反撥? [DVD]

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スパズモ [DVD]

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蜘蛛の瞳 [DVD]

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12-09-27

『ひとつの歌』の自殺について

http://2011.tiff-jp.net/news/ja/?p=5998

このインタビューで、劇中のある人物の自殺について、杉田監督が「20人にひとりくらいは気付きました」と仰っていて、(え?そんなにわかりにくい何かが起きてたの)と不安になりました。

以下反転

わたしはピンクのシャツの男性が自殺したと思ったのですが。

1.ピンクのシャツの男が、ホームの女性を突き落としたらしい。主人公が好奇心からか、男の自宅まで後をつける。

2.後日、主人公がピンクのシャツの男の家の前まで行くと、刑事らしき男二人が立っている

3.主人公がピンクのシャツの男の家を訪ね、去る時に妻らしき人が「本日はわざわざありがとうございました」という、死者を弔いにきた人への挨拶めいたことを言う。

殺人を発作的に起こすような精神状態で、なおかつ警察に発覚したことから追い詰められて自殺した、と推測して見ていました。違うのでしょうか?