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2011-07-16

引用のaffect

私的な事柄。やや気持ちの悪い。

この間ずっと続く不愉快、気がつけば頭の中を占めてしまうそれを、とにかく追い出したかったので、威勢がいいとずいぶん評判だった本を読むことにする。先日たまたま古本で見つけた、佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』なのだが、いまさらこれって恥ずかしいのだろうか。自分としては気にならないものの。


ヴァージニア・ウルフはこんなことを書いているそうだ。(少し略しますが)


[…]それ自体が楽しいから、それをおこなうという楽しみは世の中にないのでしょうか?[…]少なくとも私は時として次のようなことを夢みるのです。最後の審判の日の朝がきて、偉大な征服者、法律家、政治家たちが彼らの報い——宝冠、月桂冠、不滅の大理石に永遠に刻まれた名前など——を受けにやってくるとき、神は、私たちが脇の下に本を挟んでやってくるのをご覧になって、使徒ペテロのほうに顔を向けられ、羨望の念をいくらかこめて、こう言われるでしょう。「さて、この者たちは報いを必要としない。彼らに与えるものは何もないのだ。この者たちは本を読むのが好きだったのだから」


電車の中でこれを読んで、泣きそうになった。いや、じっさいは泣いていない。

わたしは、決して読書家ではない。読まない本が部屋に積まれているだけだ。だから当然、読書量は多くない。かといって、同じ本をくりかえしくりかえし読むわけでもない。ドストエフスキイを読む小林やマルクスを読む宇野は尋常ではなかったらしいが。

で、わたしはといえば、じつにばかばかしいことになっている。善意と抑圧を混同する、つまり大量のことばを立て続けに発することの効果を考えない、ようするに根本的にデリカシーが欠落しているような人物に、怯えてしまっている、文字通り頭を抱え、文字通り泣き言をこぼさずにはおれなくなっている。そういう近況です。


駅を出て歩きながら反芻した。脇に挟んでいるのが、CDだったら、楽器だったら(サンプラーでも何でもいいけど)。同じじゃないが、同じのような気がする。少し涙が滲む。

さて、この者たちは報いを必要としない。


その夜、祖父が亡くなった。

零細企業の社長だった祖父が、もしかすると10年近く前に言ったことばが印象に残っている。この歳まで商売をやってこれたのは幸せだと。


今日、"After The Gold Rush"と"Tonight The Night"を聴いた。祖父のレクイエムにふさわしい音盤をわたしは持っていないようだった。


もちろん、ニール・ヤングは悪くない。しかたない、自分は自分のやりかたでやるしかない。けっきょく、やりたくないことはどうにもうまくこなせないとしても。それは自分の意志の問題ではない。だって、やろうとしてもできないんだから。そうかんたんに能動性なるものを信じられるはずがない。

だから、人が引いてきたことばを引くとか、そういうやりかたで。「自分の」やりかたとも言えないわけなのだ。引用というものは、確かに一面、権威を笠に着ることではある。しかしそれに尽きるものでもないと思う。とにかく、誰でもつぎはぎのことばを勝手にやりくりするほかはないのだし、ここでうまく言い繕う必要もない。

2011-04-07

行けなくても #410nonukes

ブログでは基本的にまじめなことしか書かない私ですので、いつものごとくクソまじめでたいくつなことを書きますよ。


しらじらしいとしか思われないかもしれませんが、やはりこのたびの震災・津波で、なんといえばいいのか、被災地の方々はほんとうにたいへんだと思います。わたし自身はいまのところほとんどなにもできていないですが、長期戦なので、まだまだこれから募金などできることをやっていくつもりです。

このブログは是非。 http://blog.goo.ne.jp/flower-wing 少し下にスクロールして、3/23「1、被災地へ。」あたりからどうぞ。


念のために確認しておきますが、この災害がひどいものになっている大きな理由の一つとして、原発の事故があります。

わたしは西日本在住なので地震・津波にしても放射能にしても直接的な脅威は及んでいないのですが、そんなことは関係ない。

何人もの東京の知人が放射能への不安を口にしています。当然だと思う。一般大衆の科学リテラシーの欠如をバカにする人もいるけれど、そういう問題なんだろうか。ほんとうに安全ならそのほうがいいに決まってる。でもじっさい、TVに出る学者たち、はじめはみんな「たいしたことない」って言ってたのに、どんどんひどいことになっていったじゃないですか。

それに、もし仮に東京が完全に安全だとしても、この事故はひどすぎる(細かいことをわたしが解説しようとしてもしょうがないので、ここでは一切ふれない)。ほんとうに、許し難い。

わたしは前から原発の問題について関心はあって、ツイッタでは、原発関連のニュースなどを見かけたらRTするようにしてきたつもりだけど、詳しいわけではなかった。そんなわたしでも、いろいろやばいことやおかしなことがたくさんある、というのは知らないわけじゃなかった。で、今回の事故。

「想定外」をなくすことなんてできない、なんて妙にものわかりのいいことを言う人なんかもいて(…その人物が、普段はジェンダーセクシュアリティの問題に関してとても繊細な感覚と論理で反応していることを考えると、奇妙な印象を受けざるを得なかったりもするのだが)。そりゃあ「想定」というのは一定の範囲を意味するんだから「想定外」っていうのは常に存在するでしょうよ。でもそういう話じゃない。今まで、国も電力会社も、「原発は絶対安全だ、クリーンだ」と、くり返してきた。何度も何度も。その一方で、原発の問題に関して、国や電力会社の隠蔽体質は明らかだったし、どこかで事故が起きても情報の公開は不十分だった。そういう極めて政治的な歴史があって、そして現在の事態に至っている。

(いや、そもそも「想定外」じゃなかった、という話も、ずいぶん出てきてるわけだが)

だから、いろいろ公式に出される情報が信頼されないのも、当然だと思う。そういう過去がある。信用を失っても仕方ないようなことが、ずっと続いてきた。その結果、こんな事故が起きてしまった。最悪ですよ。

もちろん、今は国や東電にがんばってもらわなければ困る。でも、だからって、連中は決して免罪されない。いま現場で、文字通り必死の作業をしている人たちのことを気遣うというのならば、なんで彼らが命を賭けなければならないようなことになってしまったのか、誰もが考えなければおかしい。「今は東電を批判するな」というのはどういうことなのか。じゃあ後からキッチリ批判するの?

それどころか、経団連のボスの米倉弘昌氏は、これからもガンガン原発推進するぜ、みたいな発言をする。わけがわからない。ていうかやばい。もう、福島の方々にほんとうに申し訳ない。


どうも、うまく書けない。でも、同じようなことはすでにいろんなところでさんざん語られているし、同じような気持の人もたくさんいると思う。


今すぐ、すべての原発を止めろ! と思う。

いや、もっと前に、そうすべきだった、と思う。


「そんなこと、現実的に無理」という声が即座に返ってくる。

そんなことわかってる。

じゃあ少なくとも、今すぐにすべての原発をきちんと点検して、危ない原発は止めるべきじゃないでしょうか。そして、今後10〜15年くらいまでを目処に、少しずつ代替エネルギーに移行して、原発をなくしていく。日本の技術がすごいというのなら、原発じゃない方法の開発に力を集中すればいいと思うのですが、いかがでしょう(原発は安いという「定説」に対する疑義もかなり出てきてるし)。

今回のことでさすがに方向転換するんじゃないか、という意見もある。しかしわたしは、それは希望的観測だと思う。これほどの事故が起こった後でも都知事の石原氏は原発推進を明言。放射線による健康被害を低く見積もろうとする傾向は根強い(勝間なんとか氏はとりわけ見苦しい例)。その他、事故は「反対派」が新しい原発導入を阻止してたせいで起きたとかいうデタラメ、先の経団連会長の発言などなど。

「今すぐ、すべての原発を止めろ!!!」というくらいの主張が相当強くならなければ、少しずつ原発から移行するという方向性の議論でさえ、かなり難しいはず。これが、実戦で核兵器を使用された国の、現状です。


原発はやめたほうがいい、と考える人は、少なくないと思う。しかしそれらはまだ、一個人の、バラバラの、私的な意見にとどまっている。一個人の私的な意見は大事だ。でもそれらが集まって、原発に対する巨大な本気の疑問符として、社会的な実在となって出現しなければ、このまま無視され、抑え込まれてしまう。もちろん選挙も、機会の一つではある。しかし重要なのは、決定の次元に強力な圧力を加えることであって、ある限定された手続きだけをありがたがることではない。何より、まともに取り上げるに値しないとされてしまっていた声を、世に知らしめなければならない。現実の空間・場所において、あちこちで、いろいろなひとが集まり、大きな“群れ”となって、動き、要求を掲げること(「情報に翻弄される群衆」ではなく)。

ドイツでは、何万人もの規模の反原発デモが起きた。日本とドイツでは政治文化のようなもの(?)がずいぶん違うから、同じようにはいかないだろうが、すでに東京をはじめ、名古屋、札幌、京都で反原発のデモは行われている。たとえばこれ。 http://pwkyoto.com/news/info/110403-2.html


で、4月10日には、東京・高円寺で、反原発デモがおこなわれる。

http://410nonuke.tumblr.com/

いつも、素人の乱の界隈の動きは、頼もしい。わたしは参加できないのですが、少しでも情報を広める一助になればと思う。

こんなブログの記事なんてあってもなくても変わらないのはわかってるけど。いや、そんなことわかりきった話で。とにかく原発やめよう。


おまけ

D

2011-02-03

エジプト革命はどうなってしまうのか

ここ数日のエジプトの状況はすごいことになっていて、アルジャジーラのライヴ中継から目が離せない。

http://english.aljazeera.net/watch_now/

といっても、わたし自身はアルジャジーラをはじめとする報道を十分チェックできているとはとても言い難い。基本的には、ツイッタにログインできる時間に後追いしている程度。ていうか無理。なんだが、現時点で、カイロのタハリール広場がひどいことになっているようで、居ても立ってもいられず、ブログを書きはじめてしまった。これを書いたからといって何かをやったことになるわけじゃない、それはもちろんそうだけど。

2月1日、タハリール広場に100万人規模の民衆が集まり(エジプト全土では800万人との報道もあったらしい!!!)、ムバラク大統領の退陣を訴える。ムバラクはテレビ演説で、次回の大統領選挙(9月!)に出馬しないと表明したものの、即時の辞任は否定。その後、親ムバラク派のデモが現われ始める。そして、反ムバラク派と親ムバラク派が衝突。


TLで見た情報をざっと羅列。

アルジャジーラ報道、何人かのムバラク支持者は警察のIDを所持 http://twitter.com/nofrills/status/32796644038680577

カイロでの混乱に乗じてムバラクの工作員たちは報道関係者を狙っている http://twitter.com/gloomynews/status/32805947483099137

広場の出口を警察や親ムバラク派がふさぎ、反ムバラク派は逃げられない。そこへ投石、火炎瓶 http://twitter.com/haneman5150/status/32818069927632896

CNNでは「親ムバラク派」の襲撃、装備(催涙弾など)、よくできたビラの内容などから「非常によく準備されたもの」と解説 http://twitter.com/mihoetlulu/status/32828083018928128

ビルの上から、タヒリル広場の人が沢山いる場所に向かって火炎瓶が投げられている http://twitter.com/nakano/status/32827045310365698

ムバラク支持派はコンクリートブロックを屋根から反対派に落としている http://twitter.com/Hvemerdu/status/32826458661462016

フランス24「親ムバラク派の暴力の背後に政府の権力があることは疑いようもない」 http://twitter.com/Tamny_in_Africa/status/32824697221545984

エジプト国内で強盗や盗難、暴力が拡大している件で、少なくともその一部はムバラク政権の放った武装私服工作員が社会不安拡大を狙い実行した作戦 http://twitter.com/gloomynews/status/32369741733568512


この期に及んで、ムバラク政権は最悪のふるまいを、全世界に晒している。ひどい。


そして最新

カイロ駐米大使館前で抗議デモが始まったとの現地情報 http://twitter.com/gloomynews/status/32842843613564928

*このデモは親ムバラク派によるもの、との情報あり。


今回のエジプトの革命的な盛り上がりについて、以下のブログ記事が参考になると思います。

エジプトの若者からのメッセージ http://bit.ly/hr4FKx

エジプトの夜明け〜新しい一頁へ http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10788441634.html

エジプトからの緊急声明 http://bit.ly/fAJAuY

*リンクが間違っていたので修正しました