超カンタンでやわらかジューシー…異次元鶏料理法

 アンチエイジングは今や女性最大の関心事……万有引力という物理法則にさえ挑戦する皮膚のたるみと戦いは、今やNASAの科学力をも利用した宇宙規模のプロジェクトへと進展している。しかし、アンチエイジング系化粧品はおしなべて一万超えという、庶民には近寄りがたい価格帯で展開されており、フルラインで購入し続けた場合年間の出費は数十万をくだらない……。女性の平均月手取り収入は17万*1であることを考えれば、憧れの無重力フェイスを手にすることができるのはごく僅かな富裕層だけ。価格帯別にライン分けされた化粧品カタログは、まるで日本が事実上の階級社会であることを暗示しているかのよう。

 一方、そんな資本主義の厳しさに疲れ果て、ナチュラルな生き方を模索しようとロハス系雑誌をめくると、異様に高価な自然派化粧品が並び、自然には逆らえても資本主義には逆らえないという現実に直面することに…。プチブル女性たちが農作業にいそしむ姿は、ベルサイユに農村風の別荘を作り田舎風の暮らしを楽しんだマリー・アントワネットの姿に重なって感じられるほど。どちらを向いても消費を煽られる現状はプロレタリア女性にとってあまりにも過酷……「貧困だってオシャレしたい!」と女性たちが蜂起するのも時間の問題だ。

 そんな貧困ガールたちの乙女心を満足させる食材として私が勝手にプッシュしているのが鶏肉。特に、鶏モモ肉はコラーゲンが豊富でアンチエイジング効果たっぷりな上、財布にも優しいので、預金残高を確認するたびに老後の不安がもたらす無意識の早死願望が肉体に働きかけ老化が進行してしまうという貧困ガール特有の加齢因子を抑制することも可能。まさしく、加齢に苦しむ貧困ガールたちの救世主的存在といえる。

 しかし鶏肉は調理を間違えると、肉汁は流出し身はパサパサ……という悲惨な状態になってしまうことも多い気まぐれフード……。レストランで出てくるような、やわらかムッチリ、ジューシーな鶏肉はどうすれば作れるのだろうか…。

肉は低温で

 そもそも、なぜ肉はパサついて固くなってしまうのか……中華料理店の店主にしつこく問いただし入手した情報によると、タンパク質は高温で調理すると収縮して固くなり、肉汁が流出してしまうとのこと。調べによると、タンパク質は63℃から凝固を始め、68℃から水分を分離し始めるそうなので、肉汁を流出させないためには、理論上は63℃以上68℃未満で加熱すれば良いということになる。しかし、僅か5℃の差しかないタイトな温度帯をキープするのは一般的な調理器具では不可能……! 早くも八方塞がり…と思い調べたところ「実験の結果、実際には鶏肉の場合85度の加熱でも味的にはあまり変わらなかった*2」という情報を入手したので、だいたい85℃未満を目指せばよいということになる。

お湯を沸かして、沸騰する前に火を止めて一時間放置するだけ!

 温度管理がしやすいのは湯煎だけれど、茹でると肉汁がお湯の中に流出してしまうので、ジップロックの中に鶏肉を入れてお湯にエッセンスが漏れ出さないよう工夫してチャレンジ! ジップロックの耐熱温度は100℃から120℃程度だそうなので、ビニールが溶ける心配はなさそう……。手順は、だいたい85℃くらいのお湯に鶏肉を入れて、火を止め蓋をして1時間放置するだけ。たっぷりのお湯を沸かせば、一時間くらいなら暖かいままなので余熱で十分火が通るはず……。また、食中毒を防ぐ目安は75℃以上で1分間以上加熱らしいので、この温度であれば衛生面も多分大丈夫……。

材料

1:塩を振りジップロックに入れる

鶏ムネ肉 with セクシーフィギュア

 アンチエイジングや鶏肉に全く興味がない男性のために、調理過程をセクシーフィギュア(私の密かな暗黒趣味)と一緒に撮影。男心がわからないなりに、二次元派の人にも三次元派の人にも平等に楽しんでほしいと熟考した結果なのだけれど……。

肉に塩

肉に塩をまぶした状態。

ジップロックに入れたところ

塩をしたら、ジップロックに入れて空気をできるだけ抜く。ストローを使って抜くと便利だが、我が家にストローはなかったので、マウス・トゥ・マウスで空気を吸い取った。しかし、バキューム力が強すぎたのか、ウッカリ吸い込みすぎてしまい口の中に生肉特有の獣臭が……。深夜にブログ用の写真を激写しながら、肉の生き血をすする女……アンチエイジングへの欲望が空回りして、かえって乙女から遠ざかりはじめている……。


2:ゆでる

これくらい沸いたら…が目安

続いて、お湯を沸かし、大体「一口飲んでみて熱くない」程度まで加熱。見た目の目安としては、なべ底に泡がつく程度。沸騰させないよう監視するのが面倒だけれど、揺れる水面の1/fゆらぎ効果と、蒸発している水分のマイナスイオン効果で、ダブルの癒し効果が期待できると信じ込むことによって、充実の待ち時間を過ごすことができる。

ゆでているところ

ふたをしてゆでる

火を止めて、ビニールに包んだ鶏肉を入れて蓋をする。ちなみに、衝撃おっぱいの筋肉姉さんはカトレアさん。横にいる少年は息子のラナくん。

3:一時間後、ジップロックから肉を出して切って出来上がり!

包丁で切る

一時間経ったら鍋から取り出し、包丁で切ってタレをかけたら出来上がり! 今回は一緒に食べるパクチーを添えてみました。

できあがり!

撮影前に、我慢できずに一口食べてしまったのだけれど、これがもう本当に……おいしい………! ビニール袋に守られてゆっくりと加熱された鶏肉は、ひたすらジューシーでふっくら、しっとり……食べた瞬間、今まで茹で鳥をお湯に直接突っ込んでいた自分の乱暴者ぶりを恥じました……。鶏肉は、私の蛮行にコラーゲンを流しながらすすり泣いていたことでしょう……。自分自身の無知という罪を実感した瞬間だった。

セクシーショット

ブログの利用規約ギリギリに挑んだ限界セクシーと鶏肉。

(撮影に利用したパクチーは安全ちゃんがおいしくいただきました)

*1:平成16年賃金構造基本統計調査より

*2:『鶏肉の真空調理に関する研究(第2報) : チルド保存期間及び再加熱と鶏肉の物性,食味との関わり』日本家政学会誌、 Vol.54, No.10(20031015) pp. 867-878

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