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aoilab  明治大学 建築史・建築論研究室(青井研究室)blog

 

2010-09-01

反応様式

f:id:aoi-lab:20100806113744j:image:left台南都市サーベイを今年度末までにまとめるにしても、とりあえず現時点でのメモを書いておこうと思う。

「都市が市区改正によって切断された際、その切断面で起きる反応は様式として捉えられる」

これが僕たちの台南都市サーベイの結論である。どういうことか。台南都市サーベイで僕たちが注視したのは、先行都市(華南的生成都市)が切断(市区改正)された時に建築あるいは都市組織が起こす反応である。切断に耐えられなかった建物は使用を放棄され廃墟となり、耐えた建物はトタンで傷口を塞ぎ残った空間で使用が続けられる。また、新しく書き直されたコンテクストを読み直し、切断前の建物とは別の関係性で建ち上がった建築も存在する。これは例えば、左のような場合である。写真中央の建物は市区改正道路(写真下部から左方向へ延びる道路)ができる前は、左に見える白いセダンが通る道に向かってフロンテージをつくり、写真中央の銀のライトバンに向かって奥行きを持つ街屋であった。階段の奥に見える壁は元々の共有壁である。市区改正道路ができ敷地が細長く切り取られたため、残った一枚の共有壁以外を取り壊し、建物をつくり変えた。先行都市の細い巷よりも太く交通量も多い市区改正道路に向かってフロンテージを向け、間口が長く奥行きが浅い建築へと変化した。一階は建物の中だけでなく、外部も連続的に使用できるよう全面シャッターにし、二階への階段は敷地が最も狭くなっている場所に取り付いている。
採集した事例群はいずれも単体で見れば、ヘンテコで個別性の高いカタチに見えたが、全事例を通して考察すると切断に対する“反応”にある種の共通性が見えてきた。その反応の型を類型化し把えたのが今回の僕たちのサーベイである。
市区改正は先行都市の論理とは全く別の論理で決まる。しかし、切断面における切断後の建築や都市組織の変化(反応)はむしろ先行都市の論理が大きくはたらく。切断後の建築のカタチは、先行都市の論理(もちろん複数の事項の関係によるもの)、法規、市区改正道路ができたことによる周辺環境の変化など、多くの項目が複雑に絡み合いながら生成する。その関係性には全ての組み合わせが存在するのではなく、優先事項に従い組み合わされた論理的なもののみが存在し、それぞれの反応はその状況に応じた関係性が選択されるのである。

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